「強み」を活かしたSEOキーワード設計・選定!【Googleコアアップデートに対応】
昨今、Googleの検索エンジンはオリジナリティの高いコンテンツをますます評価するようになりました。これは2023年から2024年にかけて施されたコアアップデートの影響です。検索であれSNSであれ玉石混交の情報が飛び交う中、「自動化」できない「固有性」のあるコンテンツに価値が置かれる。この傾向は当面変わらないでしょう。
とはいえ、ユーザーのニーズに応じて価値ある情報を届けるのがSEO対策の基本です。そのため、多くの人の検索ニーズに合わせれば必然的に固有性から遠かったキーワードを選定せざるを得ないのではないか。そう考えても不思議ではありません・・・
どうすればオリジナリティの高いコンテンツの作成とSEO対策が両立できるのか。今後、避けては通れないSEO対策についてご紹介します。
Googleコアアップデートの影響
まずはGoogleのコアアップデートについて簡単に整理します。昨今のコアアップデートでGoogleが良質なWebサイトとして重視する項目は、E-E-A-Tと呼ばれます。
E-E-A-Tとは?SEOで最重要と言われる理由!YMYLとの関係は?
E-E-A-Tというとなにやら小難しい英語ですが、覚えておけばいいのは「経験(Experience)」と「専門性(Expertise)」をGoogleはより重視するようになったという点です。
Googleは兼ねてからユーザーにとって優れた体験と価値を提供することを企業理念に掲げていました( 参考 )。今回のアップデートもその理念を反映したもので、要するにユーザーに面白く、信頼性のある情報を届けて欲しいとGoogleは願っているようです。アップデートの詳細は下記の記事を参照ください。
【2024年5月更新】Googleコアアップデートの特徴と影響を紹介
オリジナリティのために「強み」を意識する
このアップデートを受けて、SEO対策としてコンテンツの「オリジナリティ」が重視されるようになりました。オリジナリティが高いと評価されるのが、経験談や独自調査を踏まえたコンテンツです。
この対応の背景には、ネットではどうしてもコピペを少し改良した程度の記事が量産されやすく、情報の専門性や信頼性が低下してしまう懸念がありました。特に日本では2016年に医療デマを拡散したWELQというメディアが問題視されたことをきっかけに、検索評価に専門性と信頼性を重視する傾向が続いています。
今後、ますます「誰でも書ける」ような当たり障りのない記事ではなく、「その人」「その組織」だからこそ生み出せるコンテンツが評価されるわけです。
一方、SEO対策の基本が大きく変わっているわけでもありません。これまでと同様、記事コンテンツとカテゴリーの一貫性を関連キーワードでまとめあげることは「専門性」の評価にも繋がるからです。
そうであれば、今後磨くべきなのは既存のSEO施策にオリジナリティの高いコンテンツを組み込む「編集力」でしょう。
では、新旧のSEO対策をどう組み合わせるか。私見では、情報発信をする個人であれ組織であれ、シンプルにその発信者ならではの「強み」を発揮すべきだと考えています。
「強み」を活かしたSEOキーワード設計・選定
ここでいう「強み」とは、情報発信の担い手が「すでに持っている」得意分野、それを存分に発揮した成果のことです。まずは、いますでにある成果、スキル、経験から強みを引き出すことをおすすめします。
もし強みが明確化すれば、得意分野でモチベーション高く本から知識を得たり、その知見から独自の仕事につなげたり、その経験を記事に還元できたり、似た課題意識を持っている人とまだ誰も考えきれていない知恵を見出せたりできるかもしれません。
強みがわかれば、知見も広がり、経験も深まって、オリジナリティにつながる!SEO対策を施す上でも、まずはじめに集中すべきことが見えやすくなるはずです。
ステップ①サイト全体からキーワードを設計する
では、どのようにして「強み」をSEO対策に反映させればいいのでしょうか。ここからは、まずはこれまでのSEO対策の基本や初心者あるあるの課題を挙げつつ、そこにオリジナリティを加えていく発想を紹介します。
初級:キーワードを意識して記事を量産する
Webメディア運営をはじめたては、記事を量産することに専念することが多いと思います。まずはサイトのコンテンツを埋めるためにはもちろん、開設当初はモチベーションが高く記事が更新されていくはずです。
初期段階の記事量産は、まずはライティングの得意分野、実際の流入数や効果を測るためにも必要なステップです。逆に言えば、しっかりと分析をしないといたずらに質の低いコンテンツばかりになってしまいます。記事を執筆しつつ、どのように効果があるのかを見極めながら、徐々にでいいのでどう改善策を打つのか考えるようにしましょう。
中級:キーワード設計を意識する
SEO対策は個別記事だけではなく、サイト全体で設定するカテゴリーごとのキーワードに高い評価を得ていくのが基本です。ユーザーの閲覧時間が長く、離脱数が低い質の高い記事が複数関連づけられてカテゴリーに集まっているのが理想です。
引用
個別記事、カテゴリー、サイトの単位で順に質の高いコンテンツが集まっていることをGoogleにアピールしましょう。たとえば、クーシーブログの例でいえば、サイトの単位では「Webサイト制作会社」、カテゴリーでは「Webデザイン」や「SEO対策」、「SEO対策」に関する個別記事では「キーワード設計・選定」や「E-E-A-T」といったように、キーワードをまとめていきます。
このようにサイト全体のコンセプトやカテゴリーの構想に関わるのがキーワード設計です。
ステップ②調査ツールでキーワード選定する方法
次に紹介するのが、サイトに適したキーワードの調査と絞り込みを行うキーワード選定です。キーワード選定は記事のタイトルと本文に組み込むキーワードと内容を精査する上で重要なSEO対策となります。
では、キーワード選定のために必須な調査方法とツールを簡単にご紹介しましょう。
キーワードボリューム
検索ワードのボリュームを調査するツールでよく利用されるのがGoogleAdsの キーワードプランナー です。検索ボリュームはおおまかに三段階のレベルとして、10,000回以上検索されるビッグキーワード、1,000〜10,000回未満のミドルキーワード、1,000回未満のスモールキーワードと整理できます。
引用
Google検索では記事内容と関連する有益な記事を多数作成していることで評価が上がります。そのため、ビッグキーワードに関連づけたミドルキーワード、スモールキーワードで検索上位をとることがSEO対策のセオリーです。
ただビッグキーワードを狙えばいいというわけではありません。その理由は、検索ボリュームが大きい分、競合も多くなり、検索上位を得るだけではなく維持するためにも多大なコストがかかってしまうからです。そのため、長期的にはビッグキーワードで検索上位の記事を作成することを目標にしつつ、競合他社にはない、あるいは比較優位があるスモールキーワードとミドルキーワードで検索上位を狙うとよいでしょう。
ラッコキーワード
キーワード選定する初期段階で参考になるのがラッコキーワードという検索調査ツールです。フル機能は有料ですが、無料の範囲内でも十分にキーワード調査に活用できます。
たとえば、SNSで大人気の「猫」に関する検索ワードを調べたいとしましょう。ラッコキーワードに「猫」と打ち込むと、検索時にGoogle検索が表示してくれるサジェストワードが一覧で表示されます。
参考
「猫」と関連して「猫ミーム」なる検索が多いことがわかりました。この次に活用するのがキーワードプランナーです。
Google Ads:キーワードプランナー
キーワードプランナーでは、入力した検索キーワードのおおよそのボリュームを調査することができます。今回は、上記の画像で赤枠で囲った「猫ミーム」に関するキーワードを調査してみましょう。
下記がその検索結果です。どうやら「猫ミーム」は月刊平均検索ボリュームが「10万〜100万」ある超ビッグキーワードのようです。GoogleAdsは検索上に表示する広告管理に使われるため、個人や私企業が広告出稿する競合性もわかります。「猫ミーム」は検索ボリュームは大きくても競合性は「低」であるため、あくまで検索の中心は一般ユーザーであることが推測できます。
ただ、あまりに検索ボリュームが大きいのでもう少し小さいボリュームのキーワードを探してみましょう。「猫ミーム 元ネタ」という検索キーワードがあることがラッコキーワードからわかったので、それをキーワードプランナーにコピペして得たのが下記の検索結果です。
「猫ミーム 元ネタ」というワードは「1万〜10万」の検索ボリュームがありつつ、関連する検索ワードでは「100〜1000」とスモールキーワードに該当するミニマムなボリュームであることがわかりました。
このように検索キーワードを大まかに絞り込むことで、サイトが狙いとするキーワードを設計・選定していくことができます。
キーワード設計・選定にオリジナリティを加える
以上が基本的なSEO対策の方法です。調査したキーワードに基づき、記事内容に落とし込むSEOライティングもさらにその先の実装に当たります。
この記事ではその説明は省き、Googleのコアアップデートに対応した新しいSEO対策である「専門性」や「オリジナリティ」について掘り下げます。
専門性や経験からオリジナリティを編集する
記事の前半では「強み」を活かしたキーワード設計・選定をすべきだというお話をしました。先ほどの「猫ミーム」の例であれば、「猫」に詳しいというよりも、ネットカルチャーに精通しているかどうかが「専門性」を高めた記事作成とキーワード設計に重要そうです。
もしネットカルチャーに親しみのある人であれば、「◯◯ 元ネタ」という関連キーワードを調査して、「元ネタ」というカテゴリーに専門性の高い記事を作成することができるかもしれません。
このようにキーワードから専門性のあるネタを拾ってくることもできますし、会社であればその専門的な知見・経験を持つ社員にヒアリングをしながらネタを探してみることもできるでしょう。
強みから独自の分析、意見、経験をすくい上げる
SEO対策はキーワード設計・調査を基本として、特定の「情報」を求めるユーザーに向けてキーワードを中心に解説するものがどうしても多くなってしまいます。そのため、競合分析をしても似通った文章が検索上位を占めてしまうことがままあります。
ここで活きるのが「強み」のある観点から、キーワードや読者のニーズに独自の分析、意見、経験から新しい情報を付け加えることです。
ではどうすれば独自の価値を加えることができるのでしょうか。まずはキーワードはどのように語られているか、そのキーワードに関連して読者や社会にはどのようなニーズや課題があるのか、という観点から仮説を立ててみましょう。できれば、個別記事単位ではなく、サイト、カテゴリー単位で仮説を想定できるのがベターです。
AI時代だからこその「強み」─ クーシーブログの場合
クーシーブログの読者ニーズについて例を考えてみます。クーシーブログの主な読者像のひとつはWebサイト制作ノウハウを検索するクリエイターです。もしかしたら、クリエイターのみなさんは驚くべきスピードで成長する生成AIが将来的にはクリエイティブ業界の仕事をおびやかすと感じているかもしれません。特に業界未経験のクリエイター志望の若い人ならなおさらのことでしょう。
ところが、「そんなこともないだろう」と現場で働くクーシーのデザイナーから聞きました。実際の業務ではAIをもちろん活かせる場面もあれば、限界も感じたというのです。
たとえば、とある業界に関する専門知識を初期原稿としてWebデザイン上に挿入する程度であれば生成AIでも専門家が問題ないと判断するレベルの文章を作れたそうです。
ただ、クライアントの課題に即した独自のデザインを想像するのはAIは人間に敵いません。
AI時代だからこその「強み」─ 人間ならではのクリエイティビティ
クーシーが制作した「パーソルホールディングス株式会社」の採用サイトではまさにデザイナーの手腕を発揮した例でした。このサイトでは、求職者が欲しい情報を提示するシンプルな情報設計にしたからこそ、パーソルのキャッチコピー「働いて、笑おう。」を活かしたサイト独自のモチーフとして微笑む「口元」のシェイプを作成したそうです。
参考
制作実績
こうした採用サイト制作にまつわるコンセプト、情報、デザイン設計全般のクリエイティブなマネジメントはAIには任せられない。AI社会が進む中で発揮される人間ならではの仕事とはなにか、クリエイターはどう生成AIと向き合うかなど、専門性や独自の経験から読者のニーズに沿った記事ネタが膨らみます!
このようにキーワードだけではなく、専門性と経験を蓄える同業メンバーから独自の意見や分析につながるネタを見出せます。SEOキーワードに業務の話題を取り上げれば、自然とオリジナリティがあり、会社の強みを活かせる記事を執筆することができるでしょう。
ぜひ、雑談やヒアリングから記事ネタを探す際は、個人や組織の「こだわり」を引き出すようにしてみてください。
まとめ
Googleの検索アルゴリズムの変化から新旧のSEO対策を下記にまとめました。
- Googleが評価するのは専門性や経験を伴ったオリジナリティの高いコンテンツ
- 専門性や経験は「強み」から見出す
- 「強み」を発揮できるキーワード設計・選定を調査する
- 独自の「こだわり」を記事に組み込む
- 社会や業界の動向を読み、価値ある企業独自のメッセージを届ける
既存のSEO対策を施しつつも、今後、より重要になるのが自社の「強み」を活かす本質思考のはずです。長年、さまざまなジャンルの企業様の「強み」を引き出し、優れたWebサイトのデザイン制作に落とし込んだ実績があると自負するのがクーシーです。Webサイト制作からコンテンツ制作まで、弊社の取り組みにご興味のある方はぜひ下記リンクからお問い合わせください。
お問い合わせはこちらから
Web制作デザイン、丸ごとお任せ
お問い合わせする
テキスト:青山 俊之 デザイン:大坂間 琴美