採用サイトのデザイン事例10選!Webデザイナーの解説付きでご紹介

この記事では、採用サイトのデザイン事例10選をWebデザイナーの解説付きでご紹介します。
採用サイトは、企業のブランドや文化を伝える重要なツールです。しかし、どのようにデザインすれば効果的なのでしょうか?
本記事では、参考になる採用サイトのデザイン事例を現役のWebデザイナーがピックアップしました。それぞれの事例について、Webデザイナー視点でデザインのポイントや工夫を解説しています。ぜひ、採用サイトのデザインに役立ててください。
採用サイトとは?その重要性と目的
採用サイトは、応募者と企業の最初の接点となる場所です。人材の採用を目的として、企業が自社の魅力や求める人材について情報を発信。応募者から見た企業の第一印象を決めるものであり、ブランディングにも貢献します。
採用サイトにはコミュニケーションツールとしての一面もあり、応募者との関係性構築にも有用です。採用サイトを効果的に活用することで、企業は優秀な人材を獲得し、競争力を高めることができます。
参考にしたい採用サイトのデザイン事例10選
参考にしたい採用サイトを10個ご紹介します。
博報堂プロダクツ 2024年採用サイト

https://www.h-products.co.jp/recruit/2024/
博報堂グループの総合制作事業会社「博報堂プロダクツ」の採用サイトです。
一度見たら忘れられないビジュアル! 他の会社がフラットなデザインを採用している中、3Dをふんだんに使った挑戦的なデザインは博報堂さんらしさを感じます。心臓のようなハートがドッキドキ!(ちょっとグロテスク…笑)。新しいことにチャレンジするワクワク感が伝わってきます。

おもしろい箇所はたくさんありますが、とくに「侵入社員レポート」にご注目!新入社員ではなく「侵入社員」というコンセプトやイラストの作り込みが最高に良いです。しかもイラストは可愛いだけじゃなくて動くんです。ぜひ実際に見てみてください!
株式会社トクヤマデンタル 採用サイト

https://www.tokuyama-dental.co.jp/recruit/
歯科機器医療用器材の製造・販売・輸出入を行う「株式会社トクヤマデンタル」の採用サイトです。
まず何よりも、社員の方の笑顔が素敵なファーストビュー! サイトのどこを見ても、人、人、人。今回ご紹介する中でぶっちぎりで人物写真が使われているサイトです。社員の方と商品の写真が至るところにレイアウトされていて、楽しい会社の雰囲気が伝わってきます。
「100年つづく、笑顔を創ろう」のキャッチコピーはカーニングを広めにとることで、落ち着きがあり、洗練された印象を与えています。
デザインからは程よい遊び心も感じられます。上の画像のパートは、サイトで見ると上段は左へ、下段は右へ流れていくアニメーションです。やや早く流れている文字の上を、人物と製品の写真がゆっくりと動いていきます。
背景の文字はリンクなっていますが、気づいたのは少し後になってからでした。そのくらい動きがおもしろいサイトです。
株式会社ディ・ポップス 採用サイト

https://recruit.d-pops.co.jp/
首都圏・関東エリアを中心にモバイルショップ事業を展開する「株式会社ディ・ポップス」の採用サイトです。
白と黒のかっこいいカラー使いなのに親しみを感じるのは、要素の角が丸くなってるからですね。写真やオブジェクトだけでなく、フォントも角が取れていて、シンプルな中に柔らかさを感じるバランスの良いデザインです。

シンプルに見せたいがために小さくしがちなフォントですが、このサイトの場合は見やすさ重視で読む人に優しい。大きめなフォントにしっかり取られた行間! バランスをとるのが難しそうですが、うまくまとめられています。
インフラテック株式会社 採用サイト

https://recruit.infratec.co.jp/
コンクリート製品メーカー「インフラテック株式会社」の採用サイトです。
「飛び越えなくちゃ、もったいない。」という力強いメッセージとともにコラージュされたシェイプが印象的。人物写真とシェイプ、タイポグラフィが何かを飛び越えてくるように配置されています。私も飛び越えなきゃ!という気持ちになりますね。

募集要項によれば、こちらのサイトは新卒がターゲットです。SPでの見やすさを重視したメッセージの配置や動画による会社説明など、新卒世代を意識したであろう工夫が随所に見られます。会社説明は動画の方がいきいきと伝わりますし、興味を持って見てもらえそうです。
intloop採用サイト

https://www.intloop.com/recruit/career/
「intloop」はコンサルティングやプロ人材の活用サービスを行っている会社です。
採用サイトは、ファーストビューのキレイなグラデーションが目を惹くデザインです。明朝とSerifの上品なタイポグラフィが背景のグラデーションと相まって、洗練された雰囲気を醸し出しています。

間延びしがちな図ですが、サイトの雰囲気と合わせて作られていてとてもキレイなデザインです。文字とのバランスも良く、飽きることなく読み進められます。
PayPay Corporation 採用サイト

https://about.paypay.ne.jp/career/
2018年に事業を開始したFintech企業「PayPay」の採用サイトです。決済サービスPayPayは、もはや日常的な決済手段になっていますね。
こちらの採用サイトでまず目を引くのは、大きな余白に置かれたキレイなタイポグラフィとアクセントカラーの赤。「未来を変える」PayPayらしさをシンプルかつ大胆に表現しているところが素敵です。

冒頭で感じた大胆さはそのままに、サイトでは画面をフルワイドに使って大きな画像が配置されています。全体的にシンプルなデザインではありますが、スクロールが急に横方向に切り替わるなど「えっ!?」と思わせる仕掛けが散りばめられています。白と黒の画面がお互いを引き立てるように交互に切り替わっていくのも印象的な見せ方ですね。
越のゆグループ 採用サイト

https://www.yu-iwashita.jp/recruit/
日本のスーパー銭湯のパイオニア「越のゆグループ」の採用サイトです。
ポップな色使いとタイポグラフィ、散りばめられた切り抜き写真たちがいい仕事をしてくれています。若い世代で流行っているレトロポップな雰囲気が最高にかわいいですね。

かわいさと同時に感じられるのが「ぶっ飛んでる感」。代表がスーツのままで腕まくりして温泉に浸かっているビジュアルなんて、他で見たことありますか? レトロポップな雰囲気に乗せて、ぶっ飛んだ世界観で展開されるコンテンツの数々に圧倒されつつも「ちょっと楽しい会社かも」と思ってしまう採用サイトです。
ちなみに全12話の採用動画は一見の価値あり。デザインだけでなく、コンテンツが強いですね。
株式会社デンソー 採用サイト

https://careers.denso.com/graduate/
世界No.2の売上規模を誇る自動車部品メーカー「デンソー」の採用サイトです。
統一された角丸デザインが親しみを演出しています。サイトを開くと、アニメーションでふわふわと下から上がってくる吹き出しのデザインがかわいい! 次から次へとふわふわ上がってくる吹き出しの動きは、誰かと誰かが話しているみたいです。

こちらは働いている人のインタビューのパート。ページをクリックすると、手でめくるようにカードが切り替わっていきます。動きがおもしろくて、ついクリックしてしまいますよ。
KOKUYO採用サイト

https://recruit.kokuyo.co.jp/
文房具でおなじみ「KOKUYO」の採用サイトです。
タイポグラフィ、写真、細かなあしらいに至るまでこだわりを感じるキレイなデザイン。さすが文房具を長年研究してきた企業だなぁと、思わず見入ってしまいます。
KVは背景で螺旋を描くアニメーションと、「Let’s be (Q)reative.」「さあ、次は何ができるだろう?」の各行の末尾で点滅するカーソルが目を惹きます。カーソルが点滅しているということは何をしようか考えている最中なのでしょうか?

主力事業である文房具を連想させるデザインがいろんなところに使われています。ノートのページにありそうな細かいドット柄の背景や、マーカーが引かれたような見出しのあしらい…。文房具っぽいところをついつい探したくなります!
株式会社アールイコール 採用サイト

https://r-equal.com/recruit/
大阪に本社をもち、リユース事業を全国展開する「株式会社アールイコール」の採用サイトです。
ファーストビューは、真っ赤な背景に「その野心、買い取ります。」の力強いタイポグラフィでインパクト絶大です!「野心」の部分をマウスホバーすると、野心を覗き見ることができるかもしれません!(やってみてください)

トップページの最後に出てくるCTAパート。「業界の常識に囚われない」ことを謳っている同社だからか、他では見たことがないデザインです。これでもかと言わんばかりに敷き詰められた「ENTRY」の文字。マウスホバー時の動きにもキレがあり、エントリーを強く印象付けるCTAとなっています。
採用サイトのデザインを成功させるための3つのポイント
採用サイトで応募者の興味や関心を引くには、見せ方が重要です。魅力的な採用サイトにするために、以下の3つのポイントを押さえましょう。
1. ターゲットを明確にする
採用サイトの目的は、会社が求める人材を採用することです。したがって、「どんな人材が欲しいのか」を明確にし、言語化することがポイントになります。ターゲットが決まれば採用サイトの方向性が決まり、デザインの方向性も定まります。コンテンツも一貫性を持って発信することができるでしょう。
2. 情報が伝わることを最重視する
採用サイトでは、情報の内容や量、構成、表現などに気を付けましょう。求職者が知りたい情報をわかりやすく提供するためです。情報が多すぎても少なすぎても、求職者の興味や理解を失わせる可能性があります。また、見やすいデザインや使いやすい導線も、情報伝達において重要な要素です。
3. デザインのトレンドを押さえる
採用サイトは、自社のブランドイメージやコンセプトに合ったデザインであるだけではなく、トレンドを押さえることも必要です。デザインのトレンドは、時代やユーザーのニーズに応じて変化します。最新の事例を参考にしながら、自社の採用サイトのデザインを検討しましょう。今回ご紹介した事例も参考にしてください。
採用サイトのデザイン制作の流れと注意点
採用サイトのデザイン制作の流れは以下のとおりです。
- 採用サイトの目的、ターゲットを明確にする
- 構成、コンテンツを決める
- デザインを制作する
- テスト後に公開
1. 目的やターゲットを明確にする
どんな人材に、どんなメッセージを伝えて、どんなアクションを促したいのかを考えます。「誰にどうなってほしいか」を明確にすることで、採用サイトのコンセプトと方向性が定まります。
2. 構成やコンテンツを決める
応募者がどのように採用サイトを見て情報を収集するか、どのように応募に至るかを想定します。これに基づいて、必要なページや項目、文章や画像などを選択します。
3. デザインを制作する
採用サイトのデザインを制作します。コンセプトと方向性に沿って、色やフォント、レイアウトなどを決めます。応募者にとって分かりやすく魅力的なデザインにすることが大切です。また、レスポンシブ対応やアクセシビリティなども考慮します。
4. テスト後に公開
最後に、採用サイトのテストを行います。デザインだけでなく、機能や動作も確認しましょう。とくに応募フォームや問い合わせフォームはゴールに直接関わる部分なので、正しく動くかチェックします。異常がなければ公開です。
また分析ツールを設定し、公開後にデータ収集ができるようにしておきます。定期的に評価し改善を継続することが重要です。
なお、サイトの公開前チェックについてはこちらの記事にまとめてあります。

Webサイトを公開する前に必ずチェックすべきポイント20選【Webディレクター必見】
まとめ
以上、採用サイトのデザインについて事例つきで解説しました。
採用サイトは企業と応募者の最初の接点です。応募者にとって魅力的で使いやすい採用サイトを作ることで、採用活動の成功につなげましょう。
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テキスト:小林沙綾、デザイン部 デザイン:大坂間琴美