売れるECサイトデザインのポイントとトレンド|参考事例10選もご紹介
ECサイトのデザインには見た目と機能性が求められます。いくらサイトの感じがよくても欲しい商品が簡単に見つからなかったら、買ってもらえませんよね。
しかしどんなデザインがユーザーに好まれ、商品の購入率が高くなるのか、具体的に想像はつきにくいのではないでしょうか。
本記事では、ECサイトを運営する企業のご担当者様向けに、ECサイトのデザインで押さえるべきポイントについて解説します。ポイントだけではピンとこないと思いますので、デザインが秀逸なECサイトも15個挙げました。これらを参考に、ECサイトのデザインを検討してみてください。
ではいってみましょう。
ECサイトにおけるデザインの重要性
ECサイトにおいてデザインが重要なのは、「見づらい」「探しづらい」「どんなお店かわからない」の3つの問題を解決するからです。
サイトに訪れたユーザーは自分に関係のあるお店かどうかを一瞬で判断し、「Yes」なら商品や情報を探し始めます。購入までの過程で見たい商品がなかなか見つからなかったり、見つかっても今ひとつだったりしたら、購入に至らず離脱されてしまいます。
商品の魅力を伝えるテキストや写真も見せ方次第。どうやって見せるかで、ユーザーの行動は変わります。ゆえにデザインが重要なのです。
ECサイトのデザイントレンド
ECサイトのデザインにもトレンドがあります。デザイン制作の参考になりますので、2026年現在のトレンドを5つ紹介します。
大きなタイポグラフィ
WebサイトのTOPページに、ブランド名やブランドメッセージ、キャッチコピーを大きく表示させます。参考サイトは「YURUMARU」です。
最適なフォントとインパクトのあるフォントサイズで、ブランドメッセージや商品名をユーザーに瞬時に伝えています。使用シーンを映像で配置することで、製品価値のイメージも共有。トップページへの最初の着地で全ての情報をユーザーに印象付けているサイトです。
出典:YURUMARU
アニメーション
アニメーションを使ったデザインも近年のWebサイトのトレンドの一つです。
例えば、背景アニメーション。いろいろなタイプがありますが、最近は「画像かと思ったら、動いた!」というくらいゆっくりと動くものをよく見かけます。動きに変化をつけることでユーザーの視線が止まるため、即時離脱を防止しスクロールしてもらいやすくなります。またおしゃれで先進的な印象を与えることも可能です。
参考サイトは「ADAN」です。一部のアニメーションには、ユーザーのスクロールに合わせて動きの方向が変わる仕掛けがしてあります。インタラクション的要素を追加している点が、一層ユーザーの注意を惹きつけます。
出典:ADAN
ミニマルデザイン
シンプルなデザインとして、トレンドになっているミニマルデザイン。余白を多くとることで情報に目がいきやすくなります。
余白の多いデザインは、高級感やスタイリッシュさを表現できる一方で、シンプルにしすぎるとユーザーが困惑してしまう原因になるため、計算されたシンプルさが重要です。
参考サイトは「RUSTIC」。文字は少なく、画像は大きく、余白を大胆にとることで、無駄なものが入っていない、洗練されたナチュラル感を感じさせます。
出典:RUSTIC
Bento UI
Bento UIとは、大小のカードをブロックのように重ねていくレイアウトです。スマホアプリのような操作感があり、情報量が多いECサイトでも、ユーザーが直感的に「どこをタップすべきか」分かります。カードの大きさによって、情報の優先順位が付けやすいのも魅力です。
参考サイトは「Apple」。シンプルなレイアウトで製品数が多くてもユーザーが迷わないように工夫されています。ブロックの表示にはアニメーションをつけることでサイトとしての奥行きを出し、シンプルすぎる印象にならないようにバランスをとっています。
出典:Apple
手書き風のデザイン
手書きの温かみを取り入れたデザインもトレンドの一つです。手書き風のフォントやイラストを使って、親しみやすさをアピールできるメリットがあります。
参考サイトは「つまりちゃまめ」。筆で描いたような温かみのあるデザインに、揺れるようなアニメーションを追加することで、さらにラフな雰囲気を増して、温かみのあるブランディングが直接伝わりやすくなる工夫がされています。
出典:つまりちゃまめ
デザインが参考になるECサイト事例10選
デザインの参考にしたいECサイトを10個紹介します。デザインを検討する際は、他のECサイトを参考にすることも有効です。デザインにお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。
MiMC
MiMCは2007年創業の新進気鋭のコスメブランドです。
オーガニック&ナチュラル素材にこだわり、全国の百貨店やセレクトショップで取り扱われています。
ECサイトはシンプルなレイアウトで、商品の上品さや質の良さを引き立てます。
白を基調としたサイトデザインに、光を感じさせる商品画像がクリアな印象を感じさせます。
ブランドメッセージをコンテンツだけでなくデザインで発信しながら、ユーザーがショッピングしやすいレイアウトであるのが特徴です。
こちらのECサイトは、クーシーがブランドサイトとECサイトの統合・リニューアルを担当しました。制作の詳細はクーシーの制作実績でご覧ください。
出典:MiMC
IBIZA
IBIZA(イビザ)は、手しごとによって生み出される、表情豊かなバッグが特徴のブランド。
ミニマルデザインを生かしたサイトの配色は白を基調とし、商品の上品な雰囲気や質の高さを感じさせます。白を背景としたサイトに奥行きを出すため、各セクションにはアニメーションが用いられています。
「商品」に関するセクションでは、並列にカードを表示しユーザーが比較しやすいように。「特集」セクションでは、左のカードから順番に現れる動きを採用し、それぞれの見出しに目を通すように誘導するなど、情報に応じてアニメーションが使い分けられています。
こちらのECサイトも、クーシーがブランドサイトとECサイトの統合・リニューアルを担当しました。制作の詳細はクーシーの制作実績でご覧ください。
出典:IBIZA
uki by non Editions
non Editionsが運営するオンラインショップです。
トップのグラフィックはサイトを動かすたびに飛んだり跳ねたりして、軽やかさを感じさせます。また、落ちてくるイラストは何パターンもあり、訪問を楽しみにすることができる遊び心もある楽しいサイトになっています。
サイトを訪れるたびに違った「ウキウキ」を感じることができるサイトは、「こころが、やさしく弾むプロダクト」というブランドコンセプトを直感的に伝えています。
SERIOUS CERAMIC(本気のタイル)
「SERIOUS CERAMIC(本気のタイル)」は、聖和セラミックス株式会社が運営するECサイトです。その名の通り美濃焼の技術を取り入れたこだわりのタイルを販売しています。
こちらのECサイトは、ひとことで言えば「つかみがすごい!」です。
ECサイトなのかと疑うほど、トップページはストーリーとコンセプトに振り切っています。タイルをイメージさせる正方形の罫線を生かしたデザインとアニメーションに、製造工程の写真を散りばめることで、硬派な「職人技」が伝わってきます。
質の高さを感じさせ、他のタイルとの違いをこれ以上なくわかりやすく訴求するECサイトです。
扱う商品やターゲットに応じて情報の優先順位や、見せ方を考えることもECサイトにとって重要な要素です。
ごとうじゅうランドセル
ごとうじゅうランドセルは創業100年の歴史を持つ株式会社後藤重のオリジナルランドセルブランド。純国産・手作業で作られたランドセルを販売しているECサイトです。子どもの身体に合わせてパーツが選べるという子どもにやさしい仕様が特徴です。
デザインはやさしい雰囲気を出すため、丸みを帯びた角丸を使用し、色合いも温かみを感じるブラウンが使われています。淡いブラウンはランドセルのカラフルな色を引き立てる効果もあります。手書き風のフォントで商品名を記載する部分も親しみやすさを感じさせます。
また、「ランドセルを探す」の上に流れる可愛らしいランドセルのアニメーションはなんとクリックが可能。そのまま該当する商品ページに遷移できます。
まさに、お店でランドセルを選ぶようなワクワク感がサイトに落とし込まれていて、楽しいECサイトになっています。
出典:ごとうじゅうランドセル
SummerFall Japan
SummerFall Japanは、株式会社愛宕小西が「日本酒を世界酒に」というビジョンの元で販売している、カルフォルニア発の日本酒です。
こちらのサイトは、まずその鮮やかさに目を奪われます。Summerと言う名前の通り、青空のようなブルーが、スカッとした喉越しや爽やかさを感じさせています。日本酒といえば、漢字が使われていたり、ガラスの入れ物を使用したり、高級感を感じるようなブランディングが多いですが、SummerFallはそれら全てを打ち壊す「新しい日本酒の楽しみ方」をコンセプトにしています。
サイトもビールやリキュールのような軽やかさがあり、若い層を捉えたターゲット像が明確です。普段日本酒を飲まない人も、思わず手に取りたくなるような工夫が散りばめられています。
洞川温泉醸造所
洞川温泉醸造所は奈良・洞川温泉の温泉街でクラフトビールを醸造・販売しているブランドです。なんと、元は伝統薬「陀羅尼助丸」を代々販売してきた「銭谷小角堂」という薬屋さん。町おこしのため、湧水を生かしたビールの醸造をはじめています。
彩度を抑えたサイトデザインに、線を基調とした手書き風のイラストレーションを用いてキービジュアルにすることで、親しみやすさと垢抜けたノスタルジックな雰囲気を両立させています。
フォントも、墨溜まりのあるような明朝体を使用して、「可読性」「ノスタルジック」「洗練」といった雰囲気を統一させています。
また「ふるさと納税」のバナーを設置したり、ECサイト内に地元の観光ルートを掲載したり、町おこしのストーリーも掲載されており、ブランドの背景もスッとユーザーに伝わります。全てがさりげなく、ユーザーが自然と「応援したい」という気持ちを持つサイトです。
出典:洞川温泉醸造所
NUSET
NUSETはタケダビューティークリニックが運営するスキンケアブランド。
スクロールすると背景の写真が揺らぎ、メッセージが順番に現れます。
メッセージを読ませる工夫が多く盛り込まれており、縦読みと横読みのテキストが織り交ぜて配置されています。写真で動線を作り、テキストをその中に置いており、並列に配置された情報がほとんどないデザインです。
余白の使い方と少ない文字数のテキストを丁寧に配置していくことで、一見規則性のない配置でも、スッと頭に内容が入ってくるサイトになっています。
「補うのではなく、自分の肌を育てる」というブランドコンセプトに含まれる、質のいい「そのまま感」が伝わるデザインです。
出典:NUSET
THE MIM
THE MIM(ザ・ミム)は、株式会社ユニットベースが手がけるクリエイター向けのブランドです。ハンドクリームは100%天然成分と素材にもこだわりながら、ベタつかずPCやスマホにも跡が残らない、まさにクリエイターに嬉しい特徴。
ダークトーンの商品写真はモダンさを感じさせ、明るくクリアなイメージの多いハンドクリームとは違う切り口で押し出していることが伝わります。
写真と余白を大胆に使うことで、特別感・高級感を演出しています。
出典:THE MIM
HAKUJUJI
HAKUJUJIは創業68年の歴史を持つ株式会社白十字の洋菓子・和菓子の販売を行うECサイトです。
手触りを感じさせるざらついたテクスチャ感のある写真が飾らない素直さを感じさせます。まさに、生活の中で寄り添ってくれる、身近なお菓子ブランドというイメージを伝えていますね。
ゴシック体の大きな文字で記載されているメッセージは、スクロールに合わせて文字に黒色がついていきます。字間や行間を徹底してデザインしており、直接語りかけられているようなまっすぐさ、素直さを感じることができる仕掛けです。
「HAKUJUJIのお菓子を買って帰るときっと素敵なことがあるぞ」「今日買って帰ろうかな?」なんて、思いついたその足でお店に寄ってしまいそうですね。
「その商品をどう思って欲しいか」はECサイトを作る上でとても大切な視点です。高級感を感じて欲しいのか、身近さを感じて欲しいのか、そういったところから適切なデザインを探っていきましょう。
出典:HAKUJUJI
ECサイトデザインの基本
ECサイトをデザインする際は、これから紹介する4つのポイントを心がけてみてください。
シンプルなデザイン
ユーザーにストレスなくショッピングをしてもらうために、わかりやすさと見やすさを考えてシンプルなデザインにします。
シンプルなデザインとは、以下の条件を満たすものです。
- 文字や装飾が少ない
- 情報が整理されている
- ほしい情報に迷わずたどり着ける
シンプル=No ストレス。シンプルなデザインはユーザーの滞在時間を伸ばし、購入率も向上させるでしょう。個性的すぎるデザインよりもシンプルなデザインが断然おすすめです。
魅力的な商品写真
ECサイトで商品を購入するユーザーは、実物を手に取り質感や重さ、大きさを実感することができません。購入した商品がイメージと違ったらどうでしょう。お客様をがっかりさせてしまうだけでなく、返品やクレームにつながることもあります。
安心して気持ちよく買い物を楽しんでもらうためにも、商品写真の品質にはこだわりましょう。購入後の様子がイメージしやすい使用時の写真も効果的です。
では、どうやって魅力的な商品写真を用意すればいいのか? それは「物撮りのプロ」に依頼するのが一番確実で早いです。もちろん費用は発生しますが、それ以上の価値があるのは、こちらの記事を読むとわかりますのでどうぞ。
物撮りのプロに依頼!ECサイトの商品撮影依頼時の8つのポイント
購入までの導線
買いたいと思った時に購入ボタンがさっと見つからなかったら、ユーザーは購入せず離脱してしまいます。ユーザーにストレスを感じさせず、スムーズにショッピングできるように導線を考えてデザインしましょう。
スマホからの見やすさ
スマートフォンの画面サイズに対応したサイト作りは必ず行ってください。スマートフォンからインターネットを利用する人が確実に増えているからです。
総務省が発表したデータによると、74%の人がスマートフォンからインターネットを利用しています。このデータからも、スマートフォンでの見やすさがいかに重要かわかります。
参考:令和7年通信利用動向調査の結果
購入までを意識したデザインのコツ
「購入してもらうこと」を意識してデザインするとき、押さえるべきポイントは以下の4つです。
- ターゲットを明確にする
- ファーストビューを意識する
- ボタンのデザインにこだわる
- オリジナリティを出す
ターゲットを明確にする
ECサイトに来てほしい層(ターゲット)を明確に設定します。ターゲットを絞らないと、採るべきデザインが決まらないからです。
男性と女性で、全体のトーンや好みのカラー、使用する画像は変わります。年代によっても変わってくるでしょう。属性だけでなく、ユーザーが抱える問題意識や悩みもあわせて考えると、よりはっきりとターゲットが見えてきます。
ターゲットを設定する際には、過去の顧客もヒントになります。購入やお申し込みなどのゴールに至ったのがどんな人かわかれば、ターゲットの傾向がつかめます。ゴールの手前まで来て離脱した人からは、顧客になりそうな人の特徴がわかるはずです。
ファーストビューを意識する
ECサイトに訪れたユーザーが最初に目にするのがファーストビューです。ほぼ100%のユーザーが見る部分なので最重要のパートと言ってもいいでしょう。
重要と言えるもう一つの理由は、ユーザーがECサイトに止まるかどうかを判断するポイントになるからです。ファーストビューを見て「あ、違うな」と思ったら、3秒で離脱されてしまいます。
購買へつながるはじめの一歩として、ECサイトに訪れたユーザーにまず「サイトを見てみよう!」と思ってもらうために、ファーストビューのデザインは重要です。
ボタンのデザインにこだわる
購入ボタンは、購入率を左右する重要なポイントです。デザインや文言のわずかな違いでクリック率が大きく変わることもあります。
たとえばボタンに使用する色は、一般的に緑や青の購入率が高くなると言われていますが、それが正解とは限りません。いろいろ試して、一番結果が良かったものが正解です。文言や形、大きさについても同様に、一つずつ変えてテストしてみてください。
オリジナリティを出す
ブランディング効果を狙うなら、オリジナリティを出すことも忘れずに。ただし、シンプルなデザインとのバランスには気をつけましょう。オリジナリティにこだわりすぎてユーザーの利便性を損ねては意味がありません。
オリジナリティの出し方としては、「商品やブランドの想いを掲載したページを作る」「ブランドカラーを活用する」といった方法があります。
まとめ
ECサイトのデザインは、ユーザーの購買意欲を高める重要なポイントです。シンプルを基本にしつつ、商品購入までの導線を考えてデザインしてみてください。
デザインを考える際は、他のECサイトを参考にすることもおすすめです。今回紹介したECサイトを参考に、ブランドの世界観をユーザーに伝えられるデザインを考えてみてはいかがでしょうか?
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テキスト:宮下瑛帆 デザイン:ボーケー
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