EC化率に注目!EC運営に必要なスキルとは?
「コロナで店舗の売上が厳しい。これからはECでも売っていきたい」
とお考えではないですか?
店舗の売上減少をカバーする一手として、新たにEC販売をしようと動き出している企業が増えています。しかしサイトを作れば売れるほど、EC運営は簡単ではありません。まずはECと実店舗との違いを押さえておきましょう。
この記事では、ECを始める前に知っておきたいことを実店舗との比較を交えてご紹介します。
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コロナ前のEC化率は6.76%で、全然EC化できていない
経済産業省の2019年調査によると、日本の物販ではEC化率は6.76%と1割にも満たないのです。EC化率とは、商取引市場規模に占めるEC市場規模の割合のことで、EC市場規模 ÷ 商取引市場規模で算出しています。
ECが6%台なので、売上の多くはWeb以外で発生しているということ。
EC(BtoC)の市場規模および物販系EC化率
(単位:億円)
(出典)経済産業省『令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる 国際経済調査事業 (電子商取引に関する市場調査)』
コロナでEC購入が加速しているがEC頼りにもできない状況
コロナ影響によりECで購入する人が増えています。総務省の2020年調査によると、EC購入世帯がコロナ前は40%台でしたが、2020年5月にははじめて50%を超え、2020年11月は前年同月比+8.2ptでした。
(出典)総務省『家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について (⼆⼈以上の世帯) -2020年(令和2年)11⽉分結果-』
たしかにECで購入する人は増えていますが、それでも40%→50%(+約10pt以下)しか増加がありません。まだまだECによる売上のシェアが低いことは予想されます。
ある日突然、コロナによって顧客全員がEC購入に切り替わった、なんてことはありません。当然来るだろうEC率の高い未来が、少しはやくやってきた。現状はそんなステージだと思います。
店舗の来店客はECに来てくれる?
ECでの売上が大きく伸びているブランドや商品はありますが、今から新規でECに参入しても、多くの企業では、全然ECにユーザーが訪問してくれないといった期待はずれの状況になります。
店舗来店客の一部はECにも来るけど、多くはECに来るとは限りません。ECを認知していない、認知はしているけどECにアクセスするほどでもない、など色々な理由がありますが、店舗とECには大きな違いがあります。
店舗とECの集客方法は同じ?
店舗に来店する人の経路と、ECに訪問する人の経路がまったく違います。店舗では立地による交通量や、地図検索・店舗検索などの認知経路。ECはGoogle検索やオンライン広告、Webメディアの紹介、SNSなどがサイト訪問の経路です。店舗とECでは行動タイミングや経路が異なり、場合によってはユーザーのカスタマージャーニーにおけるステージ・行動も異なることが多いです。
また、競合企業が変わるか考えましょう。
店舗では周辺エリアの同業他社が競合だった場合、ECになると全国の同業他社が競合となりえます。ECは商圏範囲が全国に広がるメリットがありますが、競合も広がるデメリットもあります。よりいっそう競争が激しい業界もあるでしょうね。
ECは店舗とはまったく違う競争環境に変わる、ということを押さえておく必要があります。
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店舗運営とEC運営のスキルセットは別物
店舗の運営とECの運営も違います。
店舗では、接客、ウィンドウやマネキンなどのビジュアルマーチャンダイジング(VMD)、陳列・売り場のディスプレイ方法など様々な運営スキルがあります。
ECでは店舗とは異なるWebスキルが必要です。
Googleアナリティクスや各種ツールのデータ分析、検索順位を上げるためのSEO、商品を紹介するコンテンツ作り、オンライン広告の最適化、メールやSNSでのコミュニケーションなど、Webに特化したスキルも必要です。店舗スタッフの能力を活かせるところがあるものの、専門的なスキルも必要なため、人材要件が変わってきます。
EC化をみすえた組織作りがセット
ECでは競争環境がまったく違い、求められるスキルセットも違う。
これから来るだろうECシェアが高い未来には、Webで戦える人材が必要なのです。店舗スタッフだけで対応することもムリではありませんがWebスキルを学習する時間がかかるでしょう。
企業がケイパビリティ(組織的能力)としてEC運営スキルをもつためには、ECを立ち上げるとともに、組織づくりがセットで重要です。
すでにEC化が進んでいる企業では、EC部署の中に以下の機能・グループのいくつかをもっています。
(例)
- サイト制作
- SEO
- オンライン広告運用
- UI/UX
- コンテンツ制作
- メディア提携
- モール運営
- PR
事業規模や組織体制によって、もつ機能や内製・外注範囲が異なるので、自社の組織としてどこまでの能力・機能をもつべきか検討しましょう。
顧客心理・行動が変わったセカイで何が求められているか?
コロナで大きく変わったのは、顧客の思考です。外出を控えることが多くなったことで、買い控えや、ニーズの変化により買いたい商品の対象が変わってきています。家にいる時間が増えたことで、インテリアやリラックスなどの家中消費が増えていると言われていますね。
ユニクロは「いいおうちの時間をつくろう」とウルトラストレッチシリーズを販売しています。家中消費・顧客行動の変化に合わせたプロダクト提案ですね。部屋着はユニクロの得意領域だと思いますが、しっかりフィットさせてきていますね。ウルトラストレッチの商品を触っていただくとわかりますが、触った感触が今までにない柔らかさでストレッチもきいていて、リラックスできそうな部屋着です。
ユニクロに限らず、EC化によるチャネルの変化対応だけでなく、プロダクト提案などさまざまなトライが必要でしょうね。
「こんないい商品なのにどうして売れないんだ?」という人もいますが、マーケットのニーズが見えると、さらに売れるようになります。コロナであろうとなかろうと変わりません。今はニーズの変化や顧客心理・行動の変化に着目することをオススメします。
万全に準備をしてEC運営を登りきりましょう
ECサイトをつくるのはWebのスタート地点です。そこからECで集客・売上増をするためには、頂上を目指して2合目、3合目・・・と登っていかなければなりません。
コロナによって登る山が変わったのではありません。登る時機が早くなった、と捉えて、登り始めなければならないのです。登山をするためには、入念な準備が必要ですよね。ECサイトの運営も同じです。怪我なく安全に、着実に登っていくための準備と行動が必要です。
これを機会に事業のWeb化を一歩先に進めていきましょう。
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この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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長谷川