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旅行者の8割がAIで旅先を探す時代|観光業のAI対応と導入事例

旅行者の8割がAIで旅先を探す時代|観光業のAI対応と導入事例
  1. 「旅行先、AIに聞いてみよう」——旅行者の行動が変わった
  2. 旅行者は、AIを頼り、行動を起こしている——調査データで見る行動変化
  3. AIに”おすすめ”されるために——AIO/LLMO対策の基本
  4. 多言語・24時間対応を実現するAIチャットボットの導入事例
  5. AI時代に合った観光サイトの設計とは
  6. 何から始める?AI施策の優先順位
  7. FAQ
  8. AI時代の観光DXはクーシーにご相談ください

「旅行先、AIに聞いてみよう」——旅行者の行動が変わった

「GWに友人とアクティブな旅行をしたい!」
「ゆったりできるプランで家族旅行の計画を立てたい」
「都内から日帰りで行ける温泉スポットを教えて」 

以前ならGoogleで検索していたこんな質問を、今やAIに話しかける人が増えています。 

株式会社JTB総合研究所による調査では、「生成AI利用者(週1回以上利用)の77.8%は、旅行に関連して生成AIを利用した経験がある」とのことでした。

旅行という文脈で検索エンジン→AIへの移り変わりは、感覚的な話だけではなく、定量的な数字にも出始めています。

私自身もつい先日、家族旅行のプランをAIと一緒に立てたばかりです。
(最終的にNotebookLMで旅行のしおりも作ってしまいました笑)

この記事では、観光業界の事業者がAI時代に取るべき3つの施策を事例と調査データをもとに解説します。

旅行者は、AIを頼り、行動を起こしている——調査データで見る行動変化

“旅行プランについてAIと壁打ちをする”
日常の中で、当たり前のように生成AIに問いかけている人からすれば、「旅行のプランについて相談をする」ことは何ら驚くことではないと思います。では、こんな数字はどうでしょうか。

AIが推薦した宿やスポットが予約に直結する時代 

株式会社宿研の調査(2026年1月, n=630)によると、生成AIを使って旅行を計画した人のうち、84.1%がAIの提案で新しい場所や施設を発見。
さらに、調査対象の630人中、実際に訪問まで行動を起こした人は54.6%。
半数以上が、AIに勧められた場所に実際に足を運んでいるとの結果が示されています。

ここから読み取れるのは、AIはもう「調べるツール」ではなく、「行動を促すツール」になっているということです。さらにBooking.comの調査によると、「旅行のいずれかの段階でAIを活用しているか」という問いに対して、世界では67%に対して日本では33%という結果が出ています。

筆者は普段、企業様向けに生成AI研修を行っていますが、その中で「時間経過とともに生成AIの利用が着実に増え続けていること」「技術寄りの人(もともとITやAIに詳しい人)ではない方の利用も増えていること」を肌で感じています。

もはや、使い始めるのに特別な知識やバックグラウンドは必要ない時代になっています。
先に示した、「世界と比して低い日本の利用率」「利用者の増加傾向」(あくまでも筆者の体感であるが)から推測するに、日本においても、世界水準と同様に右肩上がりに利用率が伸びていくのではないかと予想されます。

AIが推薦した宿やスポットを不採用にする理由とは

もう一度株式会社宿研の「旅行計画での生成AI活用実態」調査に話を戻します。
先ほど、「多くの人が、AIに勧められた場所に実際に足を運んでいる」という結果を示しました。
続いて「調べたが行動を起こさなかった理由は何なのか」こちらの視点についても当調査で言及されているので、触れていこうと思います。「調べて行動を起こす」「調べたが行動を起こさない」この2つの間に潜む差分を解明することは、観光事業者にとっての価値ある情報になりそうですよね!

調査結果によると、調べた情報を不採用にする理由の上位は「クチコミ・レビューへの不安(35.4%)」や「情報が少なく不安だった(26.1%)」であり、必ずしも「AIへの不信(2.2%)」が理由ではないということがわかりました。要は、選ばれない理由は「AIが信じられないから」ではなく、シンプルに「信頼できる情報が不足していただけ」ということなのです。

ちなみに調査結果によると、不採用率は「飲食店」「観光スポット」と比べて「宿泊施設」が高いそうです。
これは直感的にも納得ですよね笑 

金額が大きいほど、失敗したくないという感情も強くなり、選択に慎重になるということでしょうか。飲食店なら「ちょっと外れても仕方ないか…」と思えますが、
宿はそうはいきませんよね…。

「検索で見つかる」だけでは足りない時代に

さて、ここまでの内容を一度整理しましょう。
AI時代において、旅行計画をAIに相談する人が増えている。
そしてそれはただの検索にとどまらず、実際に行動を起こす人も多く存在している。
一方で、行動を起こさなかった人を分析すると、クチコミやレビューなどの情報不足が起因している。

つまり、選ばれる側になるためのキーワードは、
「AIに正しく認識してもらうこと」
「信頼できる情報を整えること」

この2つにあるということでした。

ここからは、そんな選ばれる側になるために観光事業者が取り組むべき施策を示していきたいと思います。

  1. AIO/LLMO対策
  2. AIチャットボットの導入
  3. 時代に合った観光サイトの設計

※後ほど1つずつ事例とともに詳しく紹介します!

急速にAIが浸透している今、ここへの対策は早いに越したことがありません。
ここから示す事例と対策が、少しでもこれからの方向性のヒントになれたら嬉しいです!

AIに”おすすめ”されるために——AIO/LLMO対策の基本

まずは1つ目「AIO/LLMO対策」についてです。
単語自体を初めて聞いた方もいるかと思うので、意味を整理していきたいと思います。

AIO/LLMOとは?——「ChatGPTにうちが出てくるか」の話

難しそうな用語ですが、中身はシンプルです。 

AIO(AI Overviews)

Google検索でAIが回答を要約して表示する仕組みへの最適化です。検索結果の上部にAIの回答が表示されるあの機能です。

LLMO(Large Language Model Optimization)

ChatGPT・Gemini・Claudeなどに質問されたとき、自社の情報が正しく届くようにするための対策です。

基本的には従来のSEO対策の延長線上にあり、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)といった要素を整えることが土台になります。

「当たり前のことをちゃんとやる」が、ここでも効いてくるのです。

観光事業者がまずやるべきAIO/LLMO対策

難しく考える必要はありません。
今日からでもできることから始めれば十分です。

Googleビジネスプロフィールの情報を正確かつ最新の状態に保つ、公式サイトのFAQを充実させる(AIは回答の元ネタとしてFAQを参照することが多いです)、構造化データを実装する、口コミへの返信を丁寧に行う、OTAだけでなく自社サイトにも情報を厚く載せる。

これらは特別なシステムなしに取り組める、AIO/LLMO対策の第一歩です。

AIO/LLMO対策の観光事業者の事例とは

定量的に「AIO/LLMO対策をして●●%上昇した」などという公式な発信はまだ多くはないのが現状ですが、観光庁の発信によると、様々な事業者様でAIを活用した取り組みが広がっていっているようです。

また、観光庁からは「観光業向けの、生成AIの使い方」がわかる手引書も発信されているので、これからのAI推進を検討する事業者様にとっては非常に参考になると思います。

多言語・24時間対応を実現するAIチャットボットの導入事例

続いて、「AIチャットボット」についてです。

大阪観光局|20言語対応の生成AIチャットボットで利用数が1.5倍

大阪の公式観光情報サイト「osaka-info」には700を超える観光スポットが登録されているものの、観光客は主要スポットしか把握できず人気の場所に集中するため、オーバーツーリズムを引き起こしていたそうです。

加えて、急増する訪日外国人旅行者への多言語対応が人手では追いつかず、既存のチャットボットは利用件数も100件/日未満にとどまっており、24時間対応できる仕組みも整っていなかったそう。

そこで、JTBとKotoznaが共創し、「osaka-info」の情報をもとにOpenAI社のChatGPTを活用した生成AIチャットボット「Kotozna laMondo」を導入。
20言語以上に対応し、旅行者の質問に自然言語で回答できる仕組みを構築しました。

1,000以上の観光地の情報をカバーしつつ、無人で24時間365日対応できるよう設計。
誤情報の排除や処理文字数の上限といった生成AIの課題に対しては、大阪観光案内所での検証実験を重ね、JTBの観光業界の知見も取り込みながら回答精度を向上させました。

導入からわずか3日間でチャットボットの利用件数が450件/日と、それまでの1.5倍に急増。多言語で自然に観光情報を提供することで観光客を多様なスポットへ誘導し、訪問の分散効果も期待されています。

関門DMO|生成AIで問い合わせ回答を自動生成しデータ品質も向上

門司港レトロのインフォメーションセンターには月500〜700件の問い合わせが集まっていました。食事・駐車場・交通・近隣エリアと内容は多岐にわたり、従業員がウェブ検索で都度調べながら対応する構造。
チャットボットは導入済みでしたが、スクリプト作成に苦慮しており全体最適化には程遠い状態だったそうです。

そこで、GPT-4oとNAVITIMEのデータを連携した生成AIチャットウェブツールを新規開発。パンフレット・イベント情報・観光データをRAGで学習させ、従業員が問い合わせ内容を入力すると一次回答案が自動生成される仕組みを構築しました。

回答と同時に参照元も表示されるため、従業員が安心して案内できる設計になっています。

結果、問い合わせの約69%に生成AIで回答できるようになり、対応業務時間を52%短縮。

長崎県|「AI旅プラン」で条件入力だけの旅程自動生成

長崎県は世界遺産・離島・温泉・夜景と観光資源が豊富な一方で、情報量の多さが逆に旅行者の計画づくりの負担になっていました。
自分の条件や希望に合わせてルートや宿を調べ、行程をまとめるのはかなり大変。

そこで、公式観光ポータル「ながさき旅ネット」とAI旅行計画サービス「AVA Travel」の合作で「AI旅プラン 長崎県」を導入。

日程・人数・訪問したい場所・旅程の希望を入力するだけで、観光スポット・ルート・食事・ホテルまでをトータル提案。
掲載情報は県内1,000件以上に上り、提案されたホテルはワンクリックで予約サイトへ遷移できる導線も整備しました。

ユーザー登録不要で、スマホからすぐ使えるシンプルさも特徴です。 

その結果、計画から予約までの摩擦を大幅に削減し、一人旅・子ども連れ・女子旅・シニアなど多様な旅行スタイルに対応したプランを瞬時に生成できるようになり、「調べる手間」がボトルネックだった層へのアプローチが可能になりました。

AI時代に合った観光サイトの設計とは

最後3つ目は「サイトの設計」についてです。

AIO対策もチャットボットも、結局サイトが”土台”として機能しないと活きません。

AI連携を前提にした観光サイトに必要な5つの要素

そもそもAIライクなサイトとは何なのか?いきなり言われても難しいですよね。
以下に5つの要素を紹介します。

① 構造化データ|AIが情報を正しく読み取る土台

施設名・住所・料金・営業時間などの情報を、AIが読み取りやすい形式で記述する仕組みです。これがないと、AIは「なんとなくそれっぽい情報」を拾ってしまい、ハルシネーションの原因にもなります。

② 多言語対応|翻訳だけでなくUI設計も含む

単に日本語ページを英語に翻訳するだけでは不十分です。言語ごとに読みやすいレイアウト・導線を設計することで、インバウンド旅行者がストレスなく情報にたどり着けるサイトになります。

③ AIチャットボット搭載|電話・メール依存から脱却

「チェックインは何時ですか」「周辺に駐車場はありますか」といった定型の問い合わせを、AIが24時間自動で対応します。スタッフの対応工数を減らしながら、旅行者の不安をその場で解消できます。

④ FAQ設計|AIが回答に使う”元ネタ”になる

ChatGPTやGeminiは、FAQページの内容を回答の参考にすることが多いです。「よくある質問」を充実させておくことは、旅行者への情報提供だけでなく、AIに正しく認識してもらうための対策にもなります。

⑤ 表示速度・モバイル対応|旅行者の大半はスマホで見ている

旅行の計画も、現地での調べ物も、ほとんどがスマホで行われます。ページの表示が遅い、スマホで見づらい、それだけで離脱につながります。AIのクローリング精度にも影響するため、パフォーマンス改善は見た目以上に重要な施策です。

先ほど取り上げた長崎県(AI旅プラン)のように、旅行者の体験価値を高める取り組みが各地で始まっています。

大阪府が主導する「めぐろっと」もその一例です。

石川・滋賀・奈良・鳥取・高知の5府県と連携し、6府県の観光データを統合。AIが利用者の好みや交通手段に合わせた観光ルートを提案する仕組みで、2025年8月から実証実験として運用されています。

土台のサイト設計に加えて、こうした体験価値を高める仕組みを組み合わせることで、一度興味を持った旅行者を逃がさない導線が生まれます。

何から始める?AI施策の優先順位

ここまで、AI時代に取り組むべき方向性を事例とともに示してきましたが、「何から始めたらいいだろうか?」と迷ってしまいますよね。

まず「情報整備」——コスト最小で今日から始められる

特別なシステムは必要ありません。Googleビジネスプロフィールの情報を最新に保つ、公式サイトのFAQを充実させる、構造化データを実装する。この3つだけでも、AIに自社の情報が届きやすくなります。

まず自社の現状がどうなっているかを知ることが第一歩です。
何から手をつければいいかわからない方は、AIO診断から始めてみてください。

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次に「AIチャットボット」——多言語対応と24時間化を一気に進める

スタッフ不足や多言語対応に悩む観光事業者にとって、チャットボットは即効性の高い施策です。特にインバウンド対応では、24時間・多言語で問い合わせに答えられる環境が、そのまま予約率の向上につながります。

最初からフル機能を目指す必要はありません。
よくある質問に答えるFAQ型からスタートして、段階的にAI会話型へ進化させていくのが現実的な進め方です。

そして「サイトの見直し」——AI連携できる設計に変える

AIO対策もチャットボットも、サイトの構造が古いままでは効果が半減します。情報が散在していたり、構造化されていなかったりすると、AIは正しく情報を読み取れません。
「作って終わり」のサイトから、AIと連携することを前提に設計されたサイトへ。これがAI時代における、サイトリニューアルの本質的な目的です。

FAQ

小規模な旅館や観光施設でもAI活用はできる?

できます。
むしろ小規模な施設こそ、早めに取り組む価値があります。 AIO/LLMO対策は、公式サイトの情報を整えることから始まります。特別なシステムは不要で、まず「AIに正しく認識してもらえる情報があるか」を見直すことが第一歩です。 チャットボットも、近年は月額数万円から導入できるサービスが増えています。大きな初期投資をしなくても、24時間対応・多言語対応の仕組みを持てる時代になっています。

AIO/LLMO対策とSEO対策はどう違う?

目的は似ていますが、届ける相手が違います。
SEO対策はGoogleなどの検索エンジンに評価してもらうための施策です。一方AIO/LLMO対策は、ChatGPTやGeminiなどのAIに正しく認識・推薦してもらうための施策です。 ただし、両者は対立するものではありません。信頼性の高い情報を整え、FAQを充実させ、構造化データを整備する、といった基本的な取り組みはどちらにも効きます。SEO対策をしっかりやってきた施設は、AIO/LLMO対策でも有利なスタートを切れます。

AIチャットボットの多言語対応は何か国語まで可能?

サービスによって異なりますが、大阪観光局が導入したKotozna laMondoは20言語以上に対応しています。 重要なのは言語数よりも、自施設の情報をどれだけ正確にAIに学習させられるかです。多言語対応していても、元の情報が不足していれば正確な回答はできません。まず日本語での情報整備を土台にして、その上に多言語対応を乗せていくのが現実的な順番です。

AI時代の観光DXはクーシーにご相談ください

「AIのことは気になっているけど、何から手をつければいいかわからない」 そんな方に向けて、クーシーでは観光事業者のAI対応を3つのサービスでワンストップに支援しています!

  1. AIO診断|まず現状を知る

    ChatGPTやGeminiなどの主要AIに、自社がどう認識されているかを可視化します。競合との比較分析から具体的な実行プランの策定まで、LLMO/AIO対策の第一歩を支援します。検索順位は高いのに流入が減っているサイトは、特に早めの診断をおすすめします。

  2. Kaiwable|チャットボット導入

    WebサイトやPDF文書の情報を読み込み、24時間365日・多言語で問い合わせに対応するチャットボットです。「答えられなかった質問」を可視化してサイト改善にも活用でき、SEOやAIO対策にも連動します。新規構築から既存ボットの改善まで対応しています。

  3. サイト制作|AI時代の土台を整える

    構造化データ・FAQ設計・高速表示・多言語対応・チャットボット搭載を前提にした、AIに正しく情報を届けるためのサイト設計です。

まずはお気軽にお問い合わせください。

渡部 壮(わたなべ そう)

この記事を書いた人

渡部 壮(わたなべ そう)

基幹ブランドの販売戦略立案や営業支援等の営業職経験後、現在は人材教育業界にて、Microsoft 365および生成AI領域に特化したセールス兼コンサルタントとして活動中。M365活用や生成AI利活用の支援を行うほか、研修講師としても登壇。機能紹介にとどまらず、現場目線での実務特化型の活用提案が強み。

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