求職者に刺さる! 採用サイト「数字で見る」コンテンツ設計と効果を出すポイント

採用サイトで“数字”を活かし、求職者の興味を引きつけよう
企業が主体性を持って自社の採用情報を発信する採用サイトは、求職者にとって企業研究を行うための重要なツールです。求職者の興味を引きつける採用サイトを制作するために、試行錯誤している採用担当者の方々も多いのではないでしょうか。
採用サイトに入れる要素として、求職者への訴求力をより高められるものとは何だと思いますか。それは「数字」です。例えばそれは、社員の平均年齢や有休取得率など。これらの数値データを活用することである効果が生まれ、それは求職者が入社後をイメージするのに役立ち、企業への信頼感向上につながります。また、具体的なデータがあるサイトは検索エンジンから評価されやすくなるメリットもあります。
そこで、数多くの採用サイト制作を企画戦略段階から携わってきたWeb制作会社クーシーが、企業の魅力を最大限に引き出せる「数字で見る採用サイト」に入れるべき数字や実装のコツ、具体的な効果、成功事例をご紹介します。
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1. “数字で見る”コンテンツの重要性と背景
そもそもなぜ数字が着目されるのか。採用サイトにおける数字の重要性と背景からお話しましょう。
それは、求職者の採用サイトに対する行動パターンが大きく関わってきます。求職者は、限られた時間の中で複数の採用サイトを閲覧し、企業情報を比較検討しています。そのため、必要な情報を文章で説明するのではなく、数値で端的に示した数字で見る採用サイトのほうが、求職者に内容が伝わりやすく、より強い印象を与えることができるのです。
Webサイトの作り方の基本として、見やすい配置を心がけることはとても重要です。そのためにも、採用サイトには様々な数値情報をイラスト、チャート、グラフ、表などを用いて視覚的に表現した「インフォグラフィック」のデザイン手法を取り入れることも効果的です。
では、実際にどのような数字を掲載すればよいのでしょうか。次に、具体的な項目を挙げて解説していきます。
なぜ“数字で見る採用サイト”が求職者の興味を引きつけるのか
採用サイトにマッチする主要項目とは、「平均年齢」「売上高・成長率」「在宅勤務制度の利用率」「有給休暇取得率」などが挙げられます。
これらの共通点は、求職者が入社を検討する上で重要な情報であること。それを具体的な数字で示すことにより、求職者は企業の特長や環境をひと目で把握することができます。また、数値の開示により企業にとっても実績のアピールや信頼感の向上などにつながるメリットがあります。
例として、採用サイトで「若手社員が活躍し、急成長している会社」であることをアピールしたいとき、数字で見る採用サイトでは「社員の平均年齢29歳」「売上高○億円、成長率前年比000%」というような具体的な数値を用いて求職者へアプローチします。情報を数値化することにより、企業の魅力がすぐに伝わり、求職者の安心感につながることが分かると思います。
数字は、嘘やごまかしの効かない定量データであるからこそ、求職者の信頼を得ることができます。同時に、社内体制や企業の透明性といった、言葉で説明しても実感として伝わりにくい特徴を伝えることができ、求職者の応募意欲を高める効果があるのです。
続いて、採用サイトで扱うべき数値データの種類について詳しく見ていきます。
2. 採用サイトで扱うべき主な数値データの種類
数字で見る採用サイトで数値化すべきコンテンツ情報は、主に7つの種類に分けられます。
- 会社・事業規模
- 社員構成・多様性
- キャリア・教育制度
- 勤務環境・働き方
- 組織風土・社内文化
- 採用に関する実績・応募状況
- 社会貢献・サステナビリティ
これらのコンテンツ情報は、求職者の関心が特に高い項目であり、数値化することでより効果的に企業の魅力を伝えることができます。項目を見ていくと、「事業規模」「社員構成」など、そのまま数値化できる項目もあれば、「組織風土」「社会貢献」など、一見すると抽象的な印象を与える項目もあります。これらの情報をより効果的に数値化するにはどんなデータを扱えばよいのか、まずは私たちクーシーが制作したサイト事例をご紹介。その後、上記項目について、参考事例を交えながら1つずつ解説していきます。
パーソルホールディングス株式会社

私たちクーシーが採用サイトリニューアルを担当いたしました。「数字で見るパーソルホールディングス」とコーナーを置き、上記項目のほぼ全てを網羅した数値を表示させています。
注目すべき1つめは、上記項目の③キャリア・教育制度です。
「ボトムアップ文化」や「フラットな社風」など、一般的に数字化しづらいものを具体的な数字で表現することで、説得力を高めています。中でも「複業率」は、副業を希望する求職者にとっては、制度が社内でどの程度浸透しているかを知ることができる重要な情報といえます。
2つめは、⑥採用に関する実績・応募状況を示す数字です。キャリア採用実績を比率で示すことで、特定のスキルや経験を持つ求職者へ即戦力として活躍できる素地があることをアピール。同時に、求職者に選ばれている企業であることを伝え、安心感につなげています。
株式会社クーシー

私たちクーシーの自社サイトです。誰もがわかりやすいUIUX設計、Webアクセシビリティと、記憶に残るビジュアルデザイン。どちらも叶えられる私たちの強みを活かしたクリエイティブで数値を見せました。
主に取り上げたのは⑤組織風土・社内文化を示す数字です。「フラットな関係性」「働きやすい環境」を訴求するために、「社内交流会開催数」などの数字をイラストと合わせて表示させています。これにより社内の交流や雰囲気について相乗的に伝えることに成功しています。
では、採用サイトで数値化すべきコンテンツ情報である7つの項目について、1つずつお話していきます。
解説:①会社・事業規模を示す数字について
企業の規模や歴史、成長性などをアピールする基礎情報となる数字です。これらの情報を数値化することで、市場でのポジションを明確に伝えるとともに、同業他社との差別化を図り、求職者へ訴求することができます。
会社・事業規模を数字で伝える|株式会社講談社の事例

新卒向け採用サイトで特集として「数字で知る講談社」コンテンツを掲載。「創業年」をページトップに配置することで、他社との差別化ポイントである企業の歴史を効果的に印象づけています。また、部門ごとの人数比も出していて、出版社への志望理由として一般的に多い編集者の割合がひと目でわかるようになっています。求職者視点に立ち、効果的な数値を挙げている良い例と言えます。
会社・事業規模を数字で伝える|ENEOS株式会社の事例

国内外の事業拠点、販売拠点をはじめ、事業規模に関する業界独自の項目を数値化。燃料油販売や系列給油所数、原油処理能力など「シェア国内第1位」のもの、加えてパラキシレン供給能力といった「アジア第1位」のものを掲載することで、他社との優位性をアピールし、求職者に大きなインパクトを与えています。
会社・事業規模を数字で伝える|株式会社良品計画の事例

「店舗数」「臨時従業員を含めたグループ従業員数」「展開国・地域数」などのほか、「MUJIpassportアクティブユーザー数」など独自の項目も盛り込み、事業規模を効果的にアピールしています。また、数値と共にあるイラストには、シンプルで恒久的なものを追求する無印良品の姿勢や看板等に使用されているカラーが反映され、ブランディングに必須の統一感が保たれています。
会社・事業規模を数字で伝える|パナソニック インダストリー株式会社の事例

「売上高」「営業利益」の項目について、金額のほかに、グループ内でのシェアをパーセンテージで数値化することで、求職者に規模感を分かりやすく伝える工夫がされています。また、地域別の販売比率や世界地図を添えた拠点数を見せることで、企業のグローバルな事業展開もアピールしています。
会社・事業規模を数字で伝える|レバレジーズ株式会社の事例

最新年度1年間の「事業数」を数値化しているのが特徴。企業の事業規模を伝えるとともに、国や業界を絞らず多角的な事業を展開する企業独自の特色もこの数字により表現されています。
「会社・事業規模を示す数字」で掲載すべき数値データの例
掲載項目 | 数値データ例 |
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設立年/創業年数 |
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従業員数(総数・正社員・アルバイト含むかなどの内訳) |
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拠点数・支店数・海外拠点数 |
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資本金・売上高・経常利益等 |
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主要事業のシェアや実績 |
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解説:②社員構成・多様性を示す数字について
企業の多様性や風通しのよさを訴求したい場合に有効な数字です。社員に関する項目は、求職者が職場の雰囲気や企業文化を知る手がかりとなる重要な情報。数値化することで、求職者が求めるニーズとマッチするかの判断材料となります。
「平均年齢」は、特に求職者の関心が高い項目です。所属チームの年齢構成や世代構成などは事前に知りたい情報の1つです。「女性管理職比率」「外国籍社員の比率」は、ダイバーシティに関心の高い求職者にとって、企業の重要な判断指標となります。「新卒・中途比率」は、企業風土を知る手がかりとなり、中途比率が多い場合は転職を検討する人にとっての安心材料にもなります。
社員構成・多様性を数字で伝える|株式会社タグチ工業の事例

社員にフォーカスした項目が多いことが特徴。「年代割合」「男女割合」のほか、「文系理系比率」「職種割合」「出身地の割合」などを数値化することで多様性をアピールすることに成功しています。また、数値の解説文に親しみやすい表現が多く、求職者の企業理解がより進むと言えそうです。
「社員構成・多様性を示す数字」で掲載すべき数値データの例
掲載項目 | 数値データ例 |
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平均年齢 |
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男女比・女性管理職比率 |
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新卒・中途比率 |
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国籍・外国籍社員の比率 |
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職種別比率 |
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解説:③キャリア・教育制度を示す数字について
キャリア・教育制度に関する数字は、企業が社員の成長支援に力を入れていることをアピールしたい場合に適している数字です。「若手社員が短期間で活躍できる環境か」「長く働きやすい職場か」といった求職者の不安に対し、数字で具体的に示すことで、入社後のイメージを持ちやすくなります。
特に「研修・教育プログラムの参加率」や「自己啓発支援制度の利用率」は、企業がどのように社員の成長を後押ししているかを判断する材料になります。「資格取得実績・合格率」は、入社後も継続的にスキルアップやキャリアアップを図れるかどうかを伝える重要な指標です。また、「平均勤続年数」は、職場の働きやすさを示す指標として、求職者の注目度が高い情報です。
「キャリア・教育制度を示す数字」で掲載すべき数値データの例
掲載項目 | 数値データ例 |
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研修・教育プログラムの参加率 |
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資格取得実績・合格率 |
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自己啓発支援制度の利用数・利用率 |
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平均勤続年数 |
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解説:④勤務環境・働き方を示す数字について
働き方改革やワーク・ライフ・バランスの取り組みを数値化することで、「取り組みが実際にどの程度活用されているのか」を具体的に知ることができ、求職者の安心感を高めることができます。
「平均残業時間」「有給休暇取得率」は数字で明確に示すことで、労働環境や職場の働きやすさをアピールすることができ、求職者にとって非常に有益な情報となります。「育休・産休取得率、復帰率」は子育てをしながら仕事をしたいと考える求職者にとって特に重要な項目。実績がある場合はぜひアピールしたいポイントの1つです。「リモートワーク実施率」はコロナ禍以降、求職者に特に注目されている情報で、数値化することで、企業の対応力、柔軟性といったポジティブな印象を与えることも可能です。
勤務環境・働き方を数字で伝える|株式会社 エポック社の事例

「働きやすさ」をアピールするポイントとして、「年間休暇日数」「平均残業時間」「育休取得率」「育休後の復帰率」などの項目を列挙。「入社3年未満の新卒社員の離職率」など、他社に対しての優位性をアピールできる指標を設定しているのもポイントです。特に育休関連は100%という無敵の数字を強調し、求職者が抱きやすい不安感を払拭しています。
「勤務環境・働き方を示す数字」で掲載すべき数値データの例
掲載項目 | 数値データ例 |
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平均残業時間 |
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有給休暇取得率 |
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育休・産休取得率、復帰率 |
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リモートワーク実施率 |
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解説:⑤組織風土・社内文化を示す数字について
先に挙げた私たちクーシーの自社サイトのように、社員同士の交流や社内の雰囲気を数字によって可視化することで、“居心地のよい職場かどうか”を定量的に示すことができます。カルチャーフィットを重視する応募者には大きなアピール材料となります。
「社内イベント・行事」「社内コミュニティ・部活動」「表彰制度・表彰回数」「社員満足度」などの指標は、求職者にとって、実際に一緒に働くことになるかもしれない社員がどのような環境で過ごしているのか、職場環境にどの程度満足しているのかを具体的に把握することができる貴重な情報であり、企業やそこで働く人々への親近感にもつなげることができます。
「組織風土・社内文化を示す数字」で掲載すべき数値データの例
掲載項目 | 数値データ例 |
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社内イベント・行事の開催回数 |
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社内コミュニティ・部活動数 |
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表彰制度・表彰回数 |
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アンケートによる満足度・エンゲージメントスコア |
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解説:⑥採用に関する実績・応募状況を示す数字について
企業の採用活動の規模や人気度を示す上で、有力な指標になる数字です。「応募数、及びそのうち内定を承諾した割合」といったデータは、企業の魅力度を客観的に示す材料となり、応募者の入社意欲にもつながります。
「応募数・採用数・倍率」「インターンシップ・説明会参加人数」は事業規模や人気度をアピールするために非常に有効です。「内定後の承諾率・辞退率」は、求職者にとって気になるその他の求職者の動向を知るための材料となり、最終的に入社を決断する後押しとなり得る情報と言えるでしょう。
「採用に関する実績・応募状況を示す数字」で掲載すべき数値データの例
掲載項目 | 数値データ例 |
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応募数・採用数・倍率 |
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インターンシップ・説明会参加人数 |
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内定出し後の承諾率・辞退率 |
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解説:⑦社会貢献・サステナビリティを示す数字について
近年は企業によるSDGsや社会貢献への取り組みを重視する求職者が増えており、企業価値を示す指標として注目されています。数字で具体的な成果を示すことで、取り組みの達成度を求職者に端的に伝えることができます。
掲載する主な項目には「CSR活動の参加人数・活動頻度」「環境負荷削減の実績」「寄付・支援金額」などが挙げられます。社員参加のボランティア活動や、CO2排出量の削減、オフィスや店舗でのペーパーレス化の取り組み、寄付やNPO支援など、企業独自の取り組みを数値することで活動実績をアピールすることができます。
社会貢献・サステナビリティを数字で伝える|株式会社野村総合研究所の事例

企業を表す数字を分野ごとに掲載した専用ページを用意。「環境」分野では「温室効果ガス排出量」「再生可能エネルギー利用率」などの数字を出しています。「社会」分野では「社会課題解決に向けた調査研究費」など独自性の高い数字を掲載。「情報発信」として新聞・雑誌への寄稿数や講演数、テレビ出演数など露出面も訴求しているのが特徴です。
社会貢献・サステナビリティを数字で伝える|株式会社良品計画の事例

社会貢献への取り組みに着目した「数字で見るサステナビリティ」コンテンツを用意。「繊維製品の年間回収量」など6つの数字を紹介することで、持続可能な社会の実現に貢献する企業姿勢をアピールしています。
「社会貢献・サステナビリティを示す数字」で掲載すべき数値データの例
掲載項目 | 数値データ例 |
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CSR活動の参加人数・活動頻度 |
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環境負荷削減の実績 |
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寄付・支援金額 |
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ここまで、採用サイトで扱うべき数字の種類について詳しくお伝えしました。掲載する情報が固まったら、次に検討したいのはそれらの情報を「どう見せるか」です。
サイト内のどこに数字を配置すれば最大の効果が得られるのか、閲覧者の注意を引きつけ、情報を一目で伝えるデザインをつくるにはどうしたらいいのか、視覚的な演出の技法や工夫にはどんなものがあるのかといった、コンテンツを実装する上での配置やデザインに関するポイントを解説していきます。
デザインポイント① 「数字で見る」セクションの最適な配置場所とは?
採用サイト内の「数字で見る」セクションの配置を検討する上で重要なのは、サイトユーザーである求職者がスムーズに目的の情報に辿りつくための導線設計、ユーザー行動を理解したUIUX設計です。ユーザーニーズに配慮されたサイトは検索エンジンの評価が高くなりやすく、SEO効果も期待できます。
ユーザーニーズを踏まえた数字の具体的な配置場所には、いくつかのパターンがあります。特に次の3箇所がおすすめです。
おすすめの配置場所:トップページのファーストビュー周辺
おすすめする配置場所の1つめは、トップページのファーストビュー周辺です。ファーストビュー(サイトを訪問して最初に目に入る領域)に数字を配置すると、ユーザーが企業の魅力を瞬時に理解でき、興味や関心を持ってもらいやすくなります。ただし、他の重要コンテンツ(企業理念や会社概要など)とのバランスを考え、情報の優先順位を整理することが大切です。
おすすめの配置場所: 募集要項ページや会社情報ページの手前
2つめの配置場所は、募集要項や会社情報ページの手前です。この位置に配置することで、求職者が募集要項ページで職種などの詳細な情報を見る前に、企業の全体像を数字で素早く理解してもらうことが可能となります。また、企業への興味、関心を深めた上で募集要項ページへ誘導することで、ユーザーの行動を促すメリットもあります。
おすすめの配置場所: 数字が引き立つデザインのヒント
専用のページを設け、「数字で見る〇〇(企業名)」という形で情報をまとめる方法も効果的です。一箇所に情報が整理されることで、ユーザーの関心を集めやすくなります。さらに、社員インタビューや制度紹介など、関連ページへのリンクを設置することで、サイト内の回遊率向上にもつながります。
デザインポイント② 数字が引き立つデザインのヒント
配置・レイアウトと合わせて、特に重要となるのは数字を引き立てるデザイン。より効果的に数字を目立たせ、閲覧者に視覚的にアプローチするのがポイントです。そのためのデザイン手法の例を紹介します。
数字を「大きさ・色」で強調
数字のフォントサイズを大きくしたり、色を変えて強調することにより、視覚的なインパクトを与えることができます。数字で見る採用サイトの多くで取り入れられているデザインです。
グラフやアニメーションで数字をより印象的に
円グラフや棒グラフなどの図や、ページ読み込み時に数字がカウントアップするアニメーションはアイキャッチとして有効です。視覚的に楽しく情報を得ることができます。
十分な余白(ホワイトスペース)の確保
情報を詰め込みすぎるページは見にくく、数字の羅列だけでは圧迫感を与えてしまうため、各データのブロックには十分な余白を設けることもポイントです。余白があることでページの見やすさ、情報の可読性を高めることができます。
レスポンシブデザインで最適表示
デバイスの画面サイズに合わせて表示を最適化するレスポンシブデザインでは、スマートフォンやタブレットなどでの閲覧を想定したデザインが求められます。どの画面サイズでも数字や図表が見やすく配置されるよう、文字の大きさやグラフの幅などの調整が必要です。
事例から学ぶ「数字で見る」採用サイト活用術
では、先にご紹介したパーソナルホールディングスを含め、私たちクーシーが制作した「数字で見る」採用サイトをご紹介します。数値部分に限らず、企業の特徴や、課題を解決するための工夫、成功ポイントなどもまとめているので、ぜひ参考にしてください。自社に取り入れるためのヒントが必ず見つかるはずです。
「人の魅力」を数字で伝える|ブロードマインド株式会社

採用サイトリニューアルにあたり、訴求したかった企業の魅力は「人」。「ブロードマインドとは何をしていて、どんな人が働いているのか」「どのような人物を会社が求めているのか」を強く伝えられるようなサイトを目指し、社員インタビュー・社員紹介をメインコンテンツに制作しました。
インタビューコンテンツはテキスト量が多く、企業への関心を持ってもらえなければ読まれない可能性があります。そこで、求職者が知りたい情報をひと目で伝える「データで見るブロードマインド」のセクションをトップページへ設置。社員の人物像や社員同士のつながりを印象づける項目を数値化し、インタビューコンテンツとの相乗効果を生み出しています。
例えば、「平均年齢」「3年定着率」などの基本項目の他に、入社3年目までの社員に調査した「先輩上司との相談時間」や「ボーナスの使い道」など、社員個人にフォーカスした情報も数字で表現することで、社員一人ひとりへの親近感を感じさせることに成功しています。
デザインは、サイトのキーカラーであるオレンジをポイントにしたシンプルなデザインで数字を強調。アイコンや余白を効果的に配置し、「見ていて気持ちのいいサイト」に仕上がっています。
人材のミスマッチ防止に数字を活用|パーソルホールディングス株式会社

リニューアル前の採用サイトの課題として、「ユーザー視点の検索性・導線の強化」「マッチング重視の設計」などが挙げられており、企業にマッチした人材の応募を促進することをゴールに設定し、サイトリニューアルを実施しました。
ユーザーである求職者は、採用サイト閲覧→口コミサイト→求人メディア→応募という流れで行動しており、採用サイトでまず知りたいのは「どんな企業なのか」という情報であることが想定されます。そこで、グローバルナビゲーションの最初に「パーソルを知る」コンテンツを設置。その配下に、企業文化や社員のリアルを伝える「カルチャーとはたらくリアル」専用ページを用意しています。
ページ内では、「ボトムアップ文化」「フラットな社風」といった主観的な情報を「数字で見るパーソルホールディングス」セクションで客観的に提示することで、説得力をもたせることに成功しています。また、リアルな企業の実態を正確に伝えることで、人材のミスマッチを防ぐ効果にもつながっています。
デザインは白、黒、グレーのワントーンでまとめ、手書き風のイラストアイコンを設置。書体は明朝体で統一することで、数字を際立たせるとともに、上品な印象にまとめています。
共感と憧れを数字で喚起する|株式会社ゼネット

求職者に「ここで働きたい」という印象を持ってもらうために、「ゼネットの『考え方』に共感してもらうこと」「ゼネットの『人』に憧れてもらうこと」を目指し、採用サイトリニューアルを実施。コンテンツ制作では、求職者が入社後に「ここで自分が生き生きと働く姿」をイメージできるようなコンテンツを作ることに主眼を置きました。
そのため、トップページに「ゼネットを知る」セクションを設置し、「創業以来黒字継続」といった企業の強みや、「平均残業時間」「年代別比率」「有給取得率」など求職者が知りたい社員の実態を数値化しています。ユーザーを引きつけるために、数値部分にはカウントアップのアニメーションをつけ、キャッチーな雰囲気を演出しています。
数値データと合わせて、企業の雰囲気を伝える写真を数多く掲載していることも特徴で、企業の魅力や特徴を視覚的に表現することで企業の魅力を訴求しています。
リニューアル後のサイトは求職者にも好評で、数字で見るセクションをはじめとした多様なコンテンツにより、リニューアルテーマの「共感」と「憧れ」を伝えることに成功した事例となっています。
まとめ~採用サイトに「数字で見る」コンテンツ導入までのステップ
「数字で見る」コンテンツには、企業の個性や魅力を短時間で求職者に伝えることができる大きなメリットがあります。企業の実績や歴史、社員の実態など、求職者にアピールしたい魅力を整理し、数値データにすることでより効果のある採用サイトを制作することができます。
コンテンツ導入までの具体的なステップとしては、次の内容を検討することになります。
① 採用目的を明確化する
応募数の増加、内定承諾率の向上、企業ブランディング強化など、サイトで実現したい目的を明確にします。
② 公開する数字の選定
平均年齢、定着率、勤務年数、有給取得率など、求職者が関心を持つ数字を決定します。
③ 必要な数字の収集と承認
社内の各部署から情報を収集し、最新のデータを整理して社内承認を得ます。
③ デザイン案とコンテンツ制作
数字を引き立てるデザインを作成し、コンテンツの配置や演出方法(グラフやアニメーションなど)を決定します。
④ サイト公開後の改善と運用
公開後は応募数やページ滞在時間、内定承諾率などを継続的に分析し、必要に応じてコンテンツを更新します。
また、採用サイト公開後は応募数、ページ滞在時間、内定承諾率などのデータを継続的に分析し、必要に応じて数値をアップデートしていくことでより精度の高いサイトにしていくことができます。
加えて、数字で見るコンテンツだけでなく、社員の声や写真・動画など様々な情報やデータ、ビジュアルを効果的に組み合わせることで相乗効果をねらうことも重要です。
制作会社へサイト制作を依頼する際には、要件定義書の作成、最新の数値リストの整理、社内承認フローなどの確認をしておくことで、よりスムーズに目的に沿ったサイト作りが可能です。
信頼度の高い情報発信ができる採用サイトを構築し、欲しい人材とのマッチングを実現し、自社の採用活動をより活発化させるための重要なツールとして、数字で見る採用サイトをぜひ活用してください。
私たちクーシーは、数多くのWebサイト制作経験によるデジタル領域の豊富な知見と、お客様への丁寧なヒアリングのもと、成果達成につながる採用サイト制作を行っております。ぜひ下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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テキスト:クーシー編集部 デザイン:小林 沙綾