競合サイトを徹底分析!手順と考え方からわかりやすく解説【無料ツールでOK】
競合サイトの分析は、ライバルに差をつけて勝ち抜くためのカギとなります。Webサイトの新規立ち上げやリニューアル時には、競合サイトの分析が欠かせません。
特にSEOにおいては、相対的な評価で順位が決まるため必ずライバルを意識する必要があります。
しかし、どうやってサイトを分析するのか、そもそも競合サイトとはどこなのか、いまいちわからないという方も多いでしょう。
この記事では、競合サイトの分析方法や無料で使えるツールなどを詳しく紹介していきます。ライバルを分析することで、取るべき戦略やサイト運営の方向性も見えてくるでしょう。
競合サイト分析の重要性
ビジネスやWebマーケティングの世界では、競合の分析は必要不可欠です。競合を分析することで市場の状況やトレンドを把握でき、自社サイトの強みと弱みを明確にできます。
また、競合が取り組んでいる施策や戦略を理解すれば、自社の戦略を洗練させ、より効率よくサイトを運営できるでしょう。
競合サイトとは何か?
競合サイトとは、自社サイトと同じ市場で競争しているライバルサイトのことです。競合サイトには、同じ商品やサービスを提供しているサイトや同じターゲット層を狙っているサイト、同じキーワードで上位表示されているサイトなどが挙げられます。
競合サイトを分析することで、市場のニーズやトレンドを理解し、マーケティング戦略を立てる上で必要な情報が見えてきます。ユーザーが求めているものを把握するためには、すでに成果を上げている競合サイトを分析するのが効率的です。
また、競合サイトを分析することで自社の強みや弱みが見えてくるため、競争力を客観的に評価できるようになります。検索結果は相対的な評価で決まるため、ライバルと差別化を図り自社のポジションを確立することが大切です。
いつ競合サイト分析が必要なのか?
競合サイトの分析は、主に新しいWebサイトを立ち上げる際や、新しいマーケティングキャンペーンを計画する際、または既存の戦略を見直してリニューアルするタイミングで実施します。
これらのタイミングでは、競合との優位性や市場でのポジショニングなどを明確にしておかなければいけないからです。
ただし、運用が始まってからも適切なタイミングで自社の戦略を見直す必要があるため、ライバルの動向は常にチェックしておかなければいけません。
競合サイト分析のステップ
競合サイトの分析は、以下のステップに従って行います。
競合サイトを分析した後、分析結果を自社サイトに落とし込むところまで考えましょう。データ収集や分析だけで満足して、上手く戦略にまで落とし込めていない場合も多々あります。
競合会社の特定
競合会社を特定するためには、検索キーワードから探るのが簡単な方法です。ユーザーが検索するであろうキーワードで検索をかけて、上位に表示されているサイトをリストアップしましょう。
類似の商品やサービスを扱っているサイトや、提供する価値、訴求内容が近いサイトは競合になりえます。さまざまなキーワードで検索し、検索順位が10位以内のサイトをチェックしてみてください。
すでに自社サイトを運用している場合は、自社よりも順位が高いサイトを洗い出していきます。各サイトのページを確認し、アクセス数や流入キーワード、コンテンツの質などを評価して、ベンチマークするべきかどうかを調べましょう。
比較する情報の選定・評価軸の決定
次に、競合サイトと比較する情報を選定し、評価軸を決定します。競合サイトを分析するにあたって見るべき指標には、主に以下のようなものがあります。
- 検索キーワード
- キーワードの順位やボリューム
- アクセス数
- 流入経路
- 被リンク状況
- コンテンツの質
これらを評価の軸として、競合サイトの情報を整理していきます。サービスの内容や市場、サイトの規模によって必要な情報は異なるため、自社にとって必要な情報かどうかを見極めて評価軸を決めていきましょう。
情報整理と分析
収集した情報を整理し、競合サイトの強みや弱みを分析します。この段階では、競合サイトのコンテンツ戦略やSEO対策、ユーザーエンゲージメントの傾向などを深く掘り下げて分析します。
「なぜ競合サイトは上位表示されているのか」「自社と比べて優位性はどこか」「顧客が求めている情報は何か」など、収集したデータから読み取っていきましょう。
自社の強みや弱みを分析するときには「SWOT分析」というフレームワークを用いる場合もあります。いずれにしろ、客観的に自社と競合サイトを分析して、それぞれのポジショニングを明確にすることが大切です。
情報の評価・施策に落とし込む
分析した情報を基に、自社サイトの戦略に反映させる施策を決定します。たとえば、競合が成功しているキーワード戦略を取り入れる、新たなコンテンツ形式を導入するなど、具体的な施策を考えていきましょう。
具体的な施策を決めるにあたって、評価軸の中の優先度を決めるのも大切です。たとえばコンテンツを改善する際など、リソースには限りがあるのですべての施策を打つことはできないかもしれません。
SEO的な観点、ユーザビリティの観点から、効果が高いと思われる施策を優先的に落とし込んでいきましょう。
競合サイト分析を活かした今後の戦略
競合サイトの分析結果を活かして、今後のマーケティング戦略やサイトの運営方針を考えます。
たとえば競合がSNSのチャネルを効果的に使い成果を出していた場合、自社でもSNSの運用を検討してもよいでしょう。また、質の高い被リンクを多く獲得している場合には、自社でも被リンク営業に力を入れる必要があるかもしれません。
このように、競合サイトの戦略によって自社の戦略も変わってくる場合があります。継続的に競合をモニタリングし、変化する市場に素早く対応していきましょう。
無料ツールを使った競合サイト分析方法
競合サイトの分析を効果的に行うためには、アクセス数やキーワード、被リンクなどのデータを取得できるツールを利用するのがおすすめです。ここでは無料で使えるSEO系ツールを紹介します。
ただし、無料版のツールは使える機能や回数が限定されていたり、一部のデータしか閲覧できなかったりという制限があるので、本格的に分析をするには限界があります。
無料版を使ってみて、物足りなくなったら有料版にアップグレードするか、もしくは制作会社などSEOのプロに依頼するのがよいでしょう。
アクセス数の分析・SimilarWeb
SimilarWebは、競合サイトのアクセス状況などを分析できるツールです。月間の訪問者数や直帰率、滞在時間、流入チャネルの割合など、詳細なデータを取得できます。
調べたい競合サイトのURLを入力するだけでアクセス概要が一覧で表示されるため、誰でも簡単に使えるのがメリット。無料版では機能が限定されていますが、アクセスに関する情報やユーザー層などを確認できます。
SimilarWebの使い方
- 無料版(限定版)でアカウントを登録
- ホーム画面で競合サイトのURLを入力
- 「ウェブサイトパフォーマンス」でアクセス概要を表示
SimilarWebでは、SNSごとのトラフィック割合や流入・流出先のサイト、広告先サイトなども調べられます。
ただしSimilarWebは独自のクローラーでデータを取得しているため、実際の数値とは異なります。複数の競合サイトを相対的に比べるのに使うとよいでしょう。
SEO対策の分析・SEOチェキ
SEOチェキは、SEOに関する情報を総合的に調べられるツールです。登録は必要なく、URLを入力するだけと簡単なので直感的にすぐ使えます。
SEOチェキには以下の5つのチェック機能があります。
SEOチェキのチェック機能
- サイトSEOチェック
- 検索順位チェック
- キーワード出現頻度チェック
- 発リンクチェック
- Whois情報チェック
「サイトSEOチェック」の機能では、基本項目として以下の情報が調べられます。
「サイトSEOチェック」の機能
- title・meta description・meta keywords・h1タグ
- 発リンク数(内部リンク・外部リンク)
- 最終更新日時・ファイルサイズ・読込時間
- Google・Yahoo!のインデックス数
- 利用ホスト
- ドメインの登録年月日
- Facebookの「いいね!」の数
- ソーシャルブックマーク登録数
ワンクリックでこれらの項目を一括調査できて一覧で表示してくれるため、SEOツールを使ったことがない初心者の方にもおすすめです。詳細な情報や大量のデータを取得するのには向いていませんが、簡易的に調査したい場合に便利です。
競合サイトのコンテンツ戦略を理解する
競合サイトのコンテンツ戦略を理解することは、自社サイトの成長において重要です。競合がどのようなコンテンツを提供し、それがどのように受け入れられているのかを分析することで、自社のコンテンツ戦略を最適化し差別化を図ることができます。
コンテンツの種類と特徴
Webサイトにおけるコンテンツは、機能によっていくつかの分類に分けられます。代表的な種類は以下のようなものです。
単発型
単発型は1つのテーマやコンセプトについて書かれたコンテンツです。「〇〇とは何か」「〇〇のコツ」のような、読者にとって役立つ内容や面白い内容の記事が該当します。
時間がたつと内容が古くなってユーザーに興味を持たれなくなる可能性はありますが、1記事で完結するので取り組みやすいのが特徴です。
連載型
連載型は1記事で完結していないタイプのコンテンツです。1つのテーマで記事を前後半に分けたり、複数回に分けて発信されます。
1記事で完結していないためリピーターやファンが付きやすく、回を増すごとにコンテンツの価値が高まるのがメリットです。
永続型
永続型は時期や流行の影響を受けづらい、長期的に役立つコンテンツです。
たとえば「〇〇の完全マニュアル」のように教科書的なコンテンツであれば、何度も見返したり新規で見に来たりするユーザーが一定数いるので、安定したアクセスが見込めます。
インタビュー型
インタビュー型は、すでに自社のサービスを利用しているユーザーや分野の専門家などにインタビューした内容を発信するコンテンツです。
インタビューをするコストはかかりますが、ユーザーにとって有益な情報を掲載でき、競合とも差別化できます。
追記型
追記型は連載型に近い形のコンテンツですが、1つのテーマに絞っていないのが特徴です。
たとえば「〇〇の日記 Vol.〇」のようなコンテンツであれば、流行の話題や関心のある内容をジャンル問わず発信し続けられます。
コンテンツのパフォーマンスを測定する
コンテンツのパフォーマンスを測定するには、ツールを使って情報を取得するか、目視で人が評価するかです。
SEOツールを使い、流入数や順位、獲得キーワード、被リンクなどの情報を抜き出せば、競合サイトのコンテンツパフォーマンスを計測できます。
また、ツールを使わず目視で確認することも大切です。検索順位はあくまで検索エンジンが機械的に評価して順位付けしているだけなので、人間が見たときにどう感じるかも考慮しなければいけません。
コンテンツのデザインや全体の構成、コンバージョンまでの導線など、ユーザー目線で見たときに気付くことを抜き出してみましょう。
自サイトのSEO対策を強化する
競合分析の結果を基に、自社サイトのSEO対策を強化しましょう。一般的なSEO対策だけでなく競合を分析した結果も落とし込むことで、SEO対策も効率よく進められるでしょう。
特に獲得しているキーワードや内部リンク設計などは目に見えてわかりやすいので、参考にできる部分がないかチェックしましょう。
キーワード選定の重要性
キーワード選定は、検索上位を獲得するための重要な要素です。検索ボリュームやユーザーの検索意図、競合優位性などを考慮して選定しなければいけません。
競合サイトがどんなキーワードで獲得できているか調べて、ユーザーの検索意図を探り、同じように獲得できそうなキーワードを見つけましょう。
ただし競合と同じようなキーワード戦略になっても差別化ができないので、あえて少しずらして独自のコンテンツを増やしていくことも大切です。
また、競合サイトがコンテンツを作っておらず、自社サイトにしかないキーワードがあればそれは強みになります。そのキーワードの周辺キーワードを追加して、コンテンツの強化を図ってもよいでしょう。
内部リンクと外部リンクの最適化
SEOにおいては外部リンク(被リンク)が重要とされていますが、やみくもに外部リンクを増やしてもいけません。
外部リンク元コンテンツの質や関連性、ドメインの強さなども関わってくるため、質の高い外部リンクを集めることが大切です。反対に、質の低い外部リンクはGoogleからの評価を下げる可能性があるので注意してください。
また、内部リンクを適切につなぐことで、SEO的な側面だけでなくユーザビリティの向上にもつながります。関連する記事同士を相互リンクしてつないでおけば、ユーザーは関連記事を読みやすくなるからです。
このようにユーザーを自社サイト内で長時間回遊させることで、有益なサイトと認識されSEO的にも評価が高まりやすくなります。
競合サイト分析から学ぶべきポイント
競合サイトを分析することで、成功するパターンや失敗するパターン、ユーザーが求めているものなど、さまざまな要素が見えてきます。特に、上手くいっている施策は取り入れ、失敗している施策はなぜ上手くいっていないかなどを分析するとよいでしょう。
また、競合がまだカバーしきれていない市場の隙間などを発見できるかもしれません。現状、競合サイトがユーザーのニーズを満たせていないのであればチャンスです。
さらに競合サイトを分析すれば、どのキーワードでどれくらい流入があるかなども把握できます。そのため、コンテンツを作ったときにどれくらいのアクセス数が見込めるか、そこからどれくらいコンバージョンさせてどれくらい売り上げが立つかなど、ある程度の予測が立てられます。
まとめ
競合サイトの分析は、ビジネスやWebマーケティングを行う上で欠かせません。ライバルの戦略を分析すれば、成果を上げるための効率的な施策も見えてくるはずです。
ツールを利用することで、競合サイトのデータは簡単に抜き出せます。ほかの競合や自社サイトと見比べてみて、今後の戦略や方向性を検討していきましょう。
この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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テキスト:クーシーブログ編集部 デザイン:大坂間 琴美