Agentic AI(エージェント型AI)とは?自社の業務自動化・課題解決にどう活かすか
AIによる業務効率化が次のステージに進もうとしています。その鍵となるのが「Agentic AI(エージェント型AI)」です。
従来のAIが「指示された作業(メール文案作成など)」を行うツールだったのに対し、Agentic AIは「目標(来週の会議設定など)」を達成するために、自ら計画し、行動し、反省・修正まで行う自律的な実行者(アシスタント)です。
「自社の〇〇業務を自動化できないか?」
「人手不足の解消や、生産性向上に本当に役立つのか?」
「従来のAIツールと何が違うのか?」
本記事は、こうした課題意識を持つ企業担当者様に向けて、Agentic AIが「なぜ業務自動化の切り札」と呼ばれるのか、その基本的な仕組みから、AIエージェントや生成AIとの明確な違い、そして具体的な活用事例(どう課題を解決できるか)までを網羅的に解説します。まず最初の章では、Agentic AIとは何かについて考え、その上で「なぜ今、企業がこぞって導入を検討し始めているのか」、その理由と本質的な価値について、理解を深めていきましょう。
Agentic AI(エージェント型AI)とは?
Agentic AI(エージェント型AI)とは、一言で言えば「(企業の目標達成のために)自ら考え、計画し、行動するAI」のことです。人間の「代理人(エージェント)」のように、複雑な業務を自律的に遂行する能力を持ちます。
従来の生成AI(ChatGPTなど)は、指示に対して高品質な「出力」を返す「頭脳」でした。しかし、最終的な「行動」(例:メールの送信、システムへの入力、予約の確定)は人間が行う必要がありました。しかし、Agentic AIは異なります。例えば、「今月の売上データを分析してレポートを作成し、関係部署にメールで共有して」といった曖昧な「目標」を与えるだけで、AIが自らタスクを分解・計画し、必要なツール(分析ツール、メールソフト)を操作して、業務を最後まで実行します。
Agentic AI(エージェント型AI)が注目される理由
Agentic AIが注目を集める背景には、主に次の3つの要素が関係しています。
- LLM(大規模言語モデル)の飛躍的な能力向上
- DX推進・人手不足への対応ニーズの増加
- 主要テック企業による市場競争と技術投資の加速
それぞれ詳しく見ていきましょう。
LLM(大規模言語モデル)の飛躍的な能力向上
注目を集める最大の要因は、AIの頭脳にあたるLLM(大規模言語モデル)の能力が飛躍的に向上したことが挙げられます。
特に、推論能力の向上は目覚ましく、単に質問に答えるだけでなく、ユーザーの発言や文脈から「何を達成したいのか」という意図を深く理解することができるようになりました。
その結果、AIは次のような判断を自律的に行えるようになっています。
- ユーザーの曖昧な指示から、達成すべきゴールを整理する
- ゴール達成に必要なタスクを分解し、計画を立てる
- 目的に応じて、最適な手段(ツール)を選択する
こうした能力の向上により、AIを自律的に業務を遂行する「エージェント」として活用する基盤が整い、近年の注目につながっています。
DX推進・人手不足への対応ニーズの増加
DX推進や人手不足への対応など、企業を取り巻く環境が大きく変化したことも、Agentic AIが注目を集める理由の一つです。
実際、ロイター社の調査では日本企業の約3分の2が人手不足によって事業への影響を受けていると回答しており、人材不足はすでに多くの企業にとって重要な課題となっています。
引用元:1月ロイター企業調査:人手不足の現状3割が「悪化」、経営への影響懸念は6割超
その対応策としてDXに取り組む企業は増えているものの、推進を担うデジタル人材の不足が新たな壁になっています。調査では、DXに取り組む企業の半数以上が人材不足を課題として挙げており、IPAの調査でもDX人材が「大幅に不足している」と感じる企業は6割を超えています。
引用元:「DX動向2024」進む取組、求められる成果と変革
こうした状況を背景に、限られた人手でも日々の業務を無理なく回し続けられる仕組みへの関心が高まっています。こうした理由から、DX推進と人手不足という二つの課題に同時に向き合える技術として、Agentic AIは注目を集めています。
主要テック企業による市場競争と技術投資の加速
主要テック企業による巨額の投資や新たなサービス展開も、Agentic AIへの関心の高まりを後押ししています。
世界的にみても、AI技術への投資は急拡大しており、2025年には企業のAI関連支出が総額約220兆円にまで達すると予想されています。
引用元:Gartner、2025年の世界のAI支出は総額1.5兆ドルに達すると予測
こうした状況の中、国内ではソフトバンクが2025年12月11日より、法人向けAIエージェントプラットフォーム「AGENTIC STAR」の提供を開始しました。
世界的なAI投資の拡大と主要企業の技術展開が進む中で、Agentic AIの実装は技術力競争の一つの重要な焦点になっています。こうした動きが、Agentic AIへの関心と導入検討をいっそう促しています。
Agentic AI(エージェント型AI)の今後の展望と市場トレンド
Agentic AIはまだ発展途上ですが、その進化は急速です。今後、以下のようなトレンドで、企業の課題解決能力はさらに向上すると予測されています。
「マルチエージェント・システム」への進化
現在は「単一のAI」がタスクを実行しますが、今後は「複数の専門AIエージェントが協働する」チーム体制(マルチエージェント)が主流になります。
例えば、「営業担当エージェント」「法務チェック担当エージェント」「経理担当エージェント」が連携し、見積作成から契約締結、請求書発行までをAIチームが自律的に行う未来が想定されています。
究極のパーソナルアシスタントの登場
AIが個人の好みや業務スタイルを深く学習(記憶)し、ユーザーごとに最適化された「真のデジタル秘書」へと進化します。
「次の出張、いい感じに手配しといて」という曖昧な指示だけで、AIがその人の好み(予算感、利用する航空会社など)を把握した上で、予約から経費精算までを完璧にこなすようになります。
あらゆるUI・アプリの自動操作(視覚ベースのエージェント)
現在のAI連携はAPIが主流ですが、今後はAIが人間の「目」のようにPC画面を視覚的に認識し、「マウス」や「キーボード」を操作するモデルが発展します。
これが実現すると、APIが提供されていない古い社内システムや、あらゆるデスクトップアプリ(Excelなど)をAIが自動操作できるようになり、自動化できる業務の範囲が爆発的に拡大します。
Agentic AI・AIエージェント・生成AIの違いと関係性を徹底比較
導入を検討する上で、「結局、ChatGPTや従来のAIエージェントと何が違うの?」という疑問は非常に重要です。
| 生成AI (LLM) | 優れた「頭脳」。指示を理解し、推論し、答えを「出力」する。行動はしない。 |
| (従来の)AIエージェント | 特定のルールに基づき動く「実行者」。お掃除ロボットのように、決められたタスク(掃除)は自律的に行うが、応用が利かない。 |
| Agentic AI | 「生成AIの頭脳」と「実行力」を併せ持ち、自ら「計画・反省」できる最先端のアシスタント。 |
このセクションでは、それぞれの特徴を整理し、最後に比較表で違いを確認していきましょう。
生成AIの特徴
生成AI(Generative AI)とは、その名の通り「新しいコンテンツを生成(出力)することに特化したAI」で、高い推論力と回答の生成能力を持ちながらも、自ら行動してタスクを実行することはできない点に特徴があります。
ChatGPT、Google Gemini、Claudeなどの対話型AIや、Midjourney、Stable Diffusionなどの画像生成AIがその代表例です。質問応答、文章要約、翻訳、コード生成など、高度な「思考」は可能ですが、それ自体が「行動」することはありません。 Agentic AIは、この生成AIの「賢い頭脳」を中核エンジンとして組み込み、実際に行動(ツール活用)できるようにしたものです。
AIエージェントの特徴
「AIエージェント」とは、「環境を認識し、自律的にタスクを実行するAI」を指しており、自律的に行動しつつも、定義された範囲内のタスクのみをこなすという点に特徴があります。
例えば、お掃除ロボットのように「障害物を避けて掃除する」といった特定のタスクは自律的にこなせますが、LLMのような高度な推論能力や計画能力は持っていません。AIエージェントの身近な例には、下記のようなものがあります。
<AIエージェントの身近な例>
- スマートスピーカー(Alexa, Google Assistant, Siriなど)
- お掃除ロボット(ルンバなど)
- 迷惑メール(スパム)フィルター
Agentic AI(エージェント型AI)の特徴
Agentic AIは、目標達成のために自ら計画を立て、外部ツールを操作し、成果物を完成させるまで実務を自律的に遂行できることが特徴です。
生成AIが「考えることが得意」で、従来のAIエージェントが「決められた行動を忠実に遂行するのが得意」だったのに対し、Agentic AIはそれらを同時に備えつつ、状況に応じて業務プロセスを自分で組み換えながらタスクを完遂できる点に大きな違いがあります。
このAgentic AIの「自律的なタスクの実行」は、以下の4つの能力の組み合わせによって実現されています。
-
計画立案能力
例えば「売上レポート作成」という目標に対し、「①データ抽出」「②分析」「③グラフ作成」「④要約」「⑤メール送付」といった具体的な業務ステップを自ら組み立てる能力。
-
ツール活用能力
計画を実行するため、BIツールやCRM、メールソフト、あるいはインターネット検索といった外部のツール(APIやソフトウェア)を能動的に使いこなす能力。
-
記憶と学習
過去の実行結果(成功・失敗)や対話の文脈を「記憶」し、「前回この分析はAパターンで成功した」と経験から学習して次の行動に活かす能力。
-
反省と改善
実行結果を評価し、「計画通りに進んでいるか」「エラーが出たならどう修正すべきか」を自ら振り返り、計画を改善していく能力。
これらの能力を組み合わせることで、Agentic AIは単なる指示待ちのツールではなく、目標に向かって試行錯誤しながら自律的にタスクを遂行する「エージェント(代理人)」として機能します。
違いを比較表で整理
ここまで解説してきた「Agentic AI」「(従来の)AIエージェント」「生成AI」の違いをまとめると、以下の通りです。
| 比較項目 | Agentic AI(エージェント型AI) | (従来の)AIエージェント | 生成AI(LLMなど) |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 目標達成のための自律的な業務遂行 | あらかじめ定義された特定のタスク実行 | 指示に基づくコンテンツの生成・出力 |
| 自律性 | 高い(自ら計画し、反省・修正する) | 限定的(決められたルールの範囲内) | 低い(受動的・指示待ち) |
| 行動 | する(ツール使用、API連携、実行) | する(指示されたタスクの実行) | しない(テキストや画像を「出力」する) |
| 思考能力 | 高い(LLMによる高度な推論・計画) | 低い〜中(ルールベースや特化モデル) | 非常に高い(高度な言語理解・推論) |
| 役割の例え | 優秀な「アシスタント」「代理人」 | 「スマートスピーカー」「お掃除ロボット」 | 知識豊富な「頭脳」「相談相手」 |
| 具体例 | Auto-GPT, GPTs(機能連携時), Microsoft 365 Copilot | ルンバ, Siri/Alexa(一部), ゲームのNPC | ChatGPT, Google Gemini, Stable Diffusion |
Agentic AI(エージェント型AI)の活用事例
ここが最も重要なポイントです。Agentic AIは、具体的に企業のどのような課題を解決できるのでしょうか。3つの典型的な業務シーン別に解説します。
- 高度なカスタマーサポート
- 能動的に営業活動を行うチャットボット
- 自社の顧客分析ツール作成
1. 高度なカスタマーサポート
【課題】
・定型的な問い合わせ対応にオペレーターが追われ、複雑なクレーム対応にリソースを割けない。
・従来のチャットボットはシナリオ通りにしか回答できず、結局「オペレーターにお繋ぎします」となりがち。
【Agentic AIによる解決】
Agentic AIは、顧客の問題を「解決」まで導きます。 例えば「注文した商品が届かない」という問い合わせに対し、AIが以下のように自律的に行動します。
-
状況認識
顧客情報(注文番号など)を認識。
-
計画・実行
基幹システム(CRMやERP)にAPI連携し、注文状況を自動照会。
-
情報収集
配送システムのステータスも確認し、遅延原因を特定。
-
実行・回答
状況(例:「税関で手続き中」)と正確な到着予測を顧客に回答。
-
反省・追加行動
必要であれば「お詫びのクーポンを発行しますか?」とオペレーターに提案、あるいは設定に基づきクーポンを自動発行。
複数のシステムを横断し、人間のオペレーターのように判断・実行することで、サポート業務の大幅な効率化と顧客満足度の向上に貢献します。
2. 能動的に営業活動を行うチャットボット
【課題】
・Webサイトのチャットボットが「質問待ち」になっており、リード獲得に繋がっていない。
・訪問者のニーズを汲み取った「攻め」の接客ができていない。
【Agentic AIによる解決】
Agentic AIは、Webサイト上で「能動的な営業・接客担当者」として機能します。
-
ニーズの先読みと提案
訪問者の閲覧履歴(例:A製品とB製品の比較ページを閲覧)を「記憶」し、「A製品とB製品の違いについて、こちらの資料で比較されますか?」とAI側から能動的に話しかけます。
-
コンバージョン支援
「導入事例が知りたい」という訪問者に対し、最適な事例URLを提示するだけでなく、「差し支えなければ、御社の業界を教えていただけますか?業界別の資料をメールでお送りします」と対話を続け、自然な流れでリード情報(メールアドレス)を獲得します。
3. 自社の顧客分析ツール作成
【課題】
・データ分析が属人化しており、専門部署(Webマーケティング部など)に依頼しないと欲しいデータが出てこない。
・週次・月次の定型レポート作成に、現場担当者が時間を取られている。
【Agentic AIによる解決】
Agentic AIは、業務に専門スキルが求められるといった「属人化」を解消し、社員全員が意思決定や業務改善を行えるようにします。例えば、「直近3ヶ月の関東エリアにおける、30代女性の売れ筋商品トップ5とその理由を分析して」と日本語で指示したとします。
Agentic AIは、この曖昧な指示を達成するために、以下のように行動します。
-
計画
「①DB接続」「②SQL作成」「③データ抽出」「④分析・洞察」「⑤レポート作成」というステップを立案。
-
ツール活用
データベースにアクセスするSQLクエリを自動で生成・実行。
-
反省・改善
クエリでエラーが出れば、エラー内容を読み取り、SQLを自ら修正して再実行。
-
実行・生成
抽出データを分析し、「特定の商品Aが急増しているが、これは同時期のSNSキャンペーンが要因と推測される」といった洞察(理由)まで含めたレポートを自動作成。
今まではこのような仕事はマーケティング担当者の役割でしたが、Agentic AIを活用することで、社員全員がこのようなレポートの自動生成をできるようになるのです。
Agentic AIのその他の活用事例
上記以外にも、Agentic AIの応用範囲はバックオフィス業務全般に広がっています。
パーソナルアシスタント業務
「来週火曜午後に、AさんとのZoomミーティングを30分設定して」といった指示だけで、カレンダーの空き状況確認、相手へのメール打診、日程確定、Zoomリンク発行、カレンダー登録までを全て自動実行します。
市場リサーチとレポート作成
「競合他社Aの最新動向と市場の反応をまとめて」と指示すると、AIがウェブを検索し、ニュースやSNSの投稿を収集・分析し、要約レポートを作成します。
ソフトウェア開発の自動化
「シンプルなToDoリストアプリを作って」といった指示で、AIが自ら仕様を定義し、コードを書き、デバッグ(エラー修正)を行い、実行可能なアプリケーションを完成させるプロジェクト(例: Auto-GPT, AgentForge)も登場しています。
Agentic AI(エージェント型AI)の課題とリスク
Agentic AIは強力な一方、その「自律性」ゆえのリスクも存在します。導入を検討する企業担当者は、以下の3つの課題を必ず認識しておく必要があります。
ガバナンス(統制)
最大の課題は「AIをどう統制するか」です。AIが自ら計画・行動するため、人間の予測できない行動を取る可能性があります。
制御の困難さ(暴走リスク)
AIが目標達成のために「最適」と判断した行動が、企業の倫理や法務ポリシーに反する(例:不適切な内容のメールを自動送信する)可能性があります。AIにどこまでの権限を与え、その行動をどう監視・制限するかの体制構築が不可欠です。
責任の所在
AIが自律的に行った行動(例:誤った受発注)で損害が出た場合、その責任の所在(開発者か運用者か)を明確にする法整備やガイドラインが追いついていません。
セキュリティ
Agentic AIは、API連携などを通じて社内システムや外部ツールを能動的に操作します。これは、AIが新たなサイバー攻撃の侵入口になり得ることを意味します。
エージェントの乗っ取り
悪意ある第三者にAIが乗っ取られた場合、AIに与えられた権限(例:顧客データベースへのアクセス権、決済APIの実行権)を悪用され、深刻な情報漏洩や不正送金に繋がる恐れがあります。
コスト
Agentic AIは、目標達成のために「計画→実行→反省→修正」という思考と実行のループを何度も繰り返します。この試行錯誤が、予期せぬ高額なコストを発生させる可能性があります。
API利用料の増大
AIが最適な答えを見つけるためにLLM(思考エンジン)を何度も呼び出したり、検索APIを大量に実行したりすると、API利用料が想定を超えるケースが考えられます。
非効率なループ
AIが最適な解決策を見つけられずに非効率な行動(例:同じ検索を繰り返す、間違ったツールを使い続ける)を続けた場合、タスクが完了しないままコストだけがかさむリスクもあります。
Agentic AI(エージェント型AI)の仕組み・主な構成要素
導入検討にあたり、Agentic AIが「なぜ」自律的に動けるのか、その基本的な仕組み(構成要素)を理解しておくことは重要です。
Agentic AIは、単一のAIではなく、複数の機能(モジュール)が連携し、「思考と行動のサイクル」を回すことで機能しています。このサイクルはよく「ReAct(Reasoning and Acting)」と呼ばれます。
それでは、Agentic AIが具体的にどのような構成要素で成り立っているのか見ていきましょう。
① LLM:思考と言語生成の中核機能(頭脳)
Agentic AIの「頭脳」にあたる、最も重要な中核部品です。
与えられた目標と現在の状況を理解し、「次に何をすべきか?」「どのツールを使うべきか?」「情報は十分か?」といった全ての「推論・思考・意思決定」を担います。
② AIが学び続けるための記憶機能
AIがタスクを文脈に沿って実行し、過去の経験から学ぶための「記憶」機能です。大きく2つに分けられます。
短期記憶
現在のタスクを実行している間の「作業用メモリ」です。直前のやり取りや、ツールで得た情報などを一時的に保持し、文脈を維持するために使われます。
長期記憶
過去のタスクの実行結果、成功例、失敗例などを保存するデータベースです。AIは必要に応じてこの長期記憶を参照し、「以前このタスクはこうやって成功した」「この方法は失敗したから別の手を試そう」と学習・改善します。
③ 外部APIやツール連携の仕組み(手足)
LLMという「頭脳」だけでは、情報を生成することはできても、現実世界に「行動」することはできません。そこで、AIの「手足」となり、実際の業務を実行する機能群が必要です。
-
インターネット検索(Google Search APIなど)
最新の情報を収集します。
-
コード実行
計算やデータ分析、ファイル操作などを行います。
-
外部API連携
これが最も重要です。社内のCRM、ERP、カレンダー、メールソフトなど、既存の業務システムを操作します。
④〜⑥ 業務を遂行するサイクル(計画・実行・反省)
これらの要素を使い、Agentic AIは以下のサイクルを回します。
-
④ 計画
「①頭脳(LLM)」が目標を達成するための業務ステップを立案します。
-
⑤ 実行
計画に基づき、適切な「③手足」を選んで実行します。
-
⑥ 反省
実行結果を「①頭脳(LLM)」が評価し、計画が順調か、修正が必要かを判断します。
この「計画 → 実行 → 反省 → (必要なら計画修正)」というサイクルを自律的に回し続けることで、Agentic AIは複雑な業務を最後までやり遂げます。
まとめ:Agentic AIは「自律する業務パートナー」へ
本記事では、企業の課題解決・効率化の観点から、Agentic AIについて解説しました。
Agentic AIの最大の特徴は、LLMの「賢い頭脳」と「実行力(ツール活用)」を組み合わせ、企業の目標達成のために自ら計画・実行・反省・改善する高度な「自律性」にあります。
- 従来のAI: 指示待ちの「ツール」
- Agentic AI: 業務を代行する「実行者(アシスタント)」
カスタマーサポートの高度化、データ分析の自動化、バックオフィス業務の効率化など、Agentic AIは人手不足や生産性向上といった企業課題を解決する強力な「パートナー」となり得ます。
ガバナンスやセキュリティといった導入ハードルは存在しますが、この技術が今後のビジネスの中心となることは間違いありません。自社のどの業務に適用できそうか、まずはスモールスタートで検討してみてはいかがでしょうか。
「自社のこの業務を自動化したい」
「人手不足のあの課題を、AIで解決できないか?」
そうした具体的な構想から、漠然としたお悩みまで、ぜひお気軽に弊社へご相談ください。 Agentic AIの専門家が、貴社の状況をヒアリングし、課題解決に向けた最適な活用プランをご提案します。
この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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