コーポレートサイトのリニューアル徹底マニュアル——重要チェック項目を紹介!
コーポレートサイトのリニューアルは引っ越しのごとく大変なもので、多くのWeb担当者のみなさんがなかなか経験しない一大プロジェクトかと思います。
そこで、本記事では、Web制作会社としての経験を踏まえ、リニューアルを検討しはじめたタイミングで担当者のみなさんに紹介したいリニューアルの手順を解説します。
リニューアルするかどうかを決めるチェックポイント
まずは、リニューアルをするか判断するチェックリストを用意しました。複数の項目が当てはまる場合は、リニューアルを検討するべきタイミングです。
以降、リニューアルの目的、手順、依頼時のポイント、リニューアル後の運用の順に紹介します。
コーポレートサイトをリニューアルする目的とは
コーポレートサイトのリニューアルは、企業のブランドイメージ刷新を狙いとしたデザイン変更を目的に行われることが多いです。変更に合わせて、掲載情報の整理・追加、企業メッセージの発信なども行われます。
サイトの主なコンテンツは、MVV(Mission・Vision・Value)など企業理念、製品・サービス情報、また企業文化や従業員の働く姿などです。コーポレートサイトは、顧客、投資家、パートナー企業との信頼関係がつくられる重要なタッチポイントと言えます。
コーポレートサイトに必要なコンテンツとは?作成ポイントも解説
コーポレートサイトをリニューアルする5つの手順
次に、コーポレートサイトをリニューアルする具体的な手順を5つ紹介します。
- 現状サイトの課題を洗い出す
- リニューアルの目標を設定する
- リニューアルの要件を定義する
- 制作会社を選定する
- 公開後の保守運用サポート体制を確認する
1. 現状サイトの課題を洗い出す
まず、現状サイトの課題を明確にすることがとても大切です。デザインだけ一新しても、課題がそのままになってしまえば、せっかくのリニューアルの成果が半減してしまいます。
リニューアルを検討する企業のみなさまが悩まれる課題をまとめてみました。こちらを参考に、はじめに課題を洗い出してみてください。
- デザインが古いと感じる
- ページ表示速度が遅い
- 必要な情報にたどり着きづらい
- 企業の魅力を示すコンテンツが少ない
- サイトやページがターゲットに合っていない
- アクセス数が少ない
- お問い合わせが少ない
- 競合サイトが把握できていない
さらに競合サイトの分析ができると、自社の立ち位置や不足点をより俯瞰できます。競合の調査分析については下記の記事を参考にしてみてください。
競合サイトを徹底分析!手順と考え方からわかりやすく解説【無料ツールでOK】
2. リニューアルの目標を設定する
次に、リニューアルの目的やサイトの課題に応じて、具体的な目標をはっきり決めましょう。たとえば、「ブランドイメージがバラバラなので一貫したデザインにする」、「アクセス数はあるもののお問い合わせ数が増えないので、自社の商品・サービスを必要とするターゲットユーザーのアクセス数をKPIにする」などです。
洗い出した課題がボトルネックとなっているポイントを掘り下げると、具体的なKPIを設定しやすくなります。課題が多くある場合は、解決したい優先度を定めることも重要です。
リニューアルの目標を定めて、必要な施策をはっきりさせましょう。目標が明確になると、限られた予算内のリニューアルを目指せる点もメリットです。
3. リニューアルの要件を定義する
企業が適切な制作会社を選ぶために作成するRFP(Request for Proposal 提案依頼書)という資料があります。RFPを作成し、解決したい課題や求めるサイトの条件を明確にすることで、制作会社からよりよい提案を受けられる可能性を高めることができます。
一般的なWebサイトのRFP項目をまとめたのが下記の表です。
1. RFPの目的 | |
2. プロジェクト概要 | 1) 現状・背景 2) 課題 3) 目的・目標 |
3. 方針 | 1) ターゲット 2) 方針(マーケティング、ブランディングなど 3) 必要な機能、要素(既存システムとの連携など) 4) 納期、予算 |
4. 提案依頼内容 |
1) システム 2) 情報設計 3) デザイン 4) 課題解決方法(マーケティング、ブランディングなど) 5) 実績 |
5. 選定基準 |
1) 条件を満たしているか 2) 情報設計、デザインが目的に沿っているか 3) 事業に貢献できるか 4) 他社と差別化された独自性があるか 5) チーム体制、実績、スケジュールが合うか 6) 継続的な改善に対応できるか |
6. 契約事項 | |
7. 参考資料 | ※ プロジェクト、企業に関する補足情報 |
より詳細なRFP作成の手順や書き方は下記の記事をご覧ください。
RFP作成の全工程と書き方のポイントをわかりやすく解説!─Web制作で成果を出す秘訣とは?
4. 制作会社を選定する
課題、目標、予算を定めた次の段階が、リニューアルを依頼する制作会社の選定です。制作会社の選定で重要なのが、実績とチームのサポート体制です。
多くのWeb制作会社がこれまでの制作実績を自社サイト上に掲載しています。実績ページにて、制作会社が依頼を請け負った業種、対応可能なサイト制作の種類、規模感、デザイン力などから、サイト制作の実現性を確認してみてください。
参考として制作会社を選定する着目点を次にまとめます。次にも紹介するように、特に保守運用も見据えた制作会社のサポート体制が整っているかを実績、サービス詳細、またブログメディアなどの発信内容から確認しましょう。
実績 | 自社と近しい業種での経験があるか |
---|---|
デザイン力 | 求めるスタイルのデザイン力があるのか |
技術力 | 指定の開発言語やCMSの制作が可能か |
提案力 | 自社の課題の掘り下げや、新しい提案をしてくれるか |
費用 | 予算内でどこまでできるのか |
期間 | リニューアルにどれほどの期間を要するか |
連絡手段 | 対面でのコミュニケーションは可能か |
サポート体制 | リニューアル後の運用・保守をどうサポートしてくれるか |
5. 公開後の保守運用サポート体制を確認する
リニューアル後のサイト運用を成功させる制作会社を選ぶためにも、保守と運用のポイントをそれぞれ紹介します。
サイトの安全性を定期的にチェックする
サイトの安全性が確保されているかのチェック項目が下記です。
これらの項目を意識し、サイトを安全な状態で保つようにしましょう。
運用フェーズの要望をまとめる
サイト公開後の運用体制についても想定できるようにしておくのをおすすめします。サイトをせっかく公開しても、運用体制を整えていないと成果につながりません。
サイトの目的に応じて、お問い合わせ数の増加、ブログやコラムコンテンツの運用による認知度の向上、直接応募からの求職者数の増加など、サイトの目的に応じて運用によりさまざまな効果が狙えます。
サイト運用をサポートする制作会社かどうかを見極めるチェックポイントも下記にまとめました。
より詳細なコーポレートサイト制作の進め方は下記を参照ください。
コーポレートサイト制作の流れは?7つの手順をチェック!
事前準備で押さえたいリニューアル依頼チェック項目
次に、コーポレートサイトのリニューアルを依頼するときのチェック項目を9つ挙げます。これらの情報を制作会社に伝えられるようにしておくと、話し合いがスムーズに進められるはずです。
最後の「公開時期」が最も重要です。
依頼先の会社が、いくつもの案件を同時に進めていて忙しい時期に公開期日を設定すると、どうしても品質や納期の面でトラブルが起こりやすくなります。サイトの公開時期は年度初めの4月に集中する傾向があるため、公開が集中する時期は避けることをおすすめします。
信頼を得られる、もっと素敵なサイトに。
サイトリニューアルを行うなによりも大きな効果は、企業に対するユーザーの信頼性を高められる点です。
昨今、社会の変化に合わせてWebデザインのトレンドも目まぐるしく変化しており、人々は、そうした時代の変化を敏感に感じ取るようになってきました。製品、サービス、経営理念の一新など、変化に対応する様を見せることができるリニューアルは、ユーザーからの信頼を得るのに非常に有効です。
コーポレートサイトのリニューアルにおいて、デザイン力が企業の魅力を引き出し、他社と差別化する大きな要因となりえます。デザインや掲載情報のフルリニューアル、現状コンテンツの移行など、ご事情に応じたご依頼を私たちクーシーは承ります。
これまでクーシーは、ナショナルクライアントから地域の地場産業にいたるまで、さまざまな業種、種類、規模のWeb制作を担ってきました。私たちのコーポレートサイトの制作実績は下記のリンク先をご覧ください。
コーポレートサイトの制作実績はこちら
この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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テキスト:青山俊之 デザイン:小林 沙綾