ECサイトとは?種類や必要な機能、作り方などを簡単に解説!
この記事ではECサイトの基本について、誰でも理解できるように解説していきます。
「ECサイトってたまに聞くけど、結局何のこと?」
「ECサイトをうちでもやってみたいけど、実際どんな感じなんだろう」
と思っている方はたくさんいますよね。
ECサイトとはどのようなものか、実際の運営に向けたイメージを持てるよう消費者・販売者の両方に分かりやすく解説していきます。
ぜひ最後までお読みください。
ECサイトとは
ECサイト(Electronic Commerce:電子商取引)とは、製品やサービスをインターネット上で売買できるWebサイトのことです。Amazonや楽天市場などがイメージしやすいと思います。ユニクロやアップルなどの自社製品を売っているサイトもECサイトに含まれます。
ECサイトは先ほどのような「物品の売買をするサイト」を指すのが主流ですが、ECは「電子商取引」を意味しているため、ネットオークション、コンテンツ配信、ネットトレードなどを行えるサイトも広義ではECサイトとなります。
またよく聞く「ネットショップ」というのも、ECサイトと同じものだという認識で問題ありません。
ECサイトがなぜ必要なのか
ECサイトが必要になる理由を一言で表すと、実店舗のみの経営では顧客を奪われ続けてしまうからです。
ECサイトは1990年代後半から「楽天市場」を始まりとして、スマートフォンの普及やコロナ禍による巣篭もり消費も相まって、現在では消費者にとって当たり前の選択肢になっています。また国内のみならず海外の消費者もターゲットとした「越境EC」、音声・動画・バーチャル空間を利用して、店舗に行かなくても安心して商品を購入できるようにした「Vコマース」なども誕生してきています。
現在このように「ECサイトでの購入」という選択肢が高い質を保って消費者に浸透してきています。そういった時代に既存顧客を囲い新規顧客を獲得するためにも、ECサイトが今必要になってきているのです。
「 ECサイトを作る方法がとにかく知りたい!」という人はこちらの記事をどうぞ。
はじめてでもわかるECサイト入門!作り方から集客・運営のポイントまで解説!
ECサイトの種類
ECサイトは「モール型」と「自社サイト型」の2種類が存在しています。
モール型
「モール型」とは、Amazonや楽天市場のように、さまざまな店舗が一つのサイトに出品しているWeb版ショッピングモールのようなECサイトのことです。モールに出店させてもらう形で、商品を販売することができます。
モール自体に知名度があることや、モールのシステムを利用して簡単に出店できることがメリットとして挙げられます。一方、売上に応じてモールに払う費用が発生することや、顧客情報がモールによって管理されるため情報が集められないなどのデメリットもあります。
自社サイト型
「自社サイト型」とは、自社独自のサイトを持ちそこで製品を販売をするECサイトのことで、Web上に自分の店を構えるような方法です。「自社サイト型」には大きく3つの種類があります。
- フルスクラッチ型
- パッケージ型
- ASP型
フルスクラッチ型
「フルスクラッチ」とは、既存のフレームワークやソフトウェアを流用せずゼロから構築を行なっていくものです。そのためデザインや実装機能において理想的なECサイトを構築することができます。
しかし膨大なコストとそれに伴う長期間の開発を要するので、費用や時間などにおいて十分なリソースがある大企業が主に採用しています。
パッケージ型
ECサイトの土台となる「パッケージ」を購入し、その上に好みのECサイトを構築していく方法です。「パッケージ」には在庫・売上管理といったサイト運用に必要な機能がすでに備わっているため、そこからカスタマイズをして理想のECサイトを構築することができます。
ただ既存のシステムを用いるため、システムが古くなると新たなコストが発生するなどのデメリットもあります。
ASP型
「ASP(Application Service Provider)」とは、パッケージ型とは異なりサーバーを借りてECサイトを運営する方法です。パッケージ型と同じくECサイトに必要な機能が備わっておりカスタマイズが可能ですが、デザインや機能の面で自由度が制限されます。
しかし比較的安価で導入でき、サーバーの保守運用が必要ないことや、システムを常に最新の状態で保てるなどのメリットがあります。
各タイプの違いについて詳しく解説している記事がありますので、気になる方はこちらもご覧ください。
自社に最適なECサイトは?種類ごとに特徴を徹底解説!
ECサイト運営に必須の機能
商品を並べる、選べる、買えるができれば、お店として最低限の運営ができます。ここでは、ECサイト運営に必須の機能を6つご紹介します。
商品登録機能:商品を棚に並べる
商品名、商品画像、価格などの情報を登録できる機能です。
この機能があれば、ECサイトに商品を並べることができます。
登録した商品情報は、ユーザーが見られるように商品一覧ページや商品詳細ページに反映されるようにしなければなりません。一旦情報を登録すれば、一括ですべてのページに反映されるようにしてあると便利ですし、多くのサービスはそうなっているはずです。
ショッピングカート機能:操作ミスを防ぐ効果も
ユーザーが買いたい商品を入れるカゴのような機能です。
ほしい商品をただピックアップして貯めておくのではなく、カートに入った商品の情報や合計金額が確認できるほか、支払い方法や配達先住所、クーポンの使用などを選ぶことができ、ユーザーが望む形での決済に繋げます。
またカートには、購入前の操作ミスやトラブルを防ぐ効果もあるため、ユーザーにとってわかりやすいUIであることが重要です。スマートフォンでも利用されることを意識して、見やすさ・わかりやすさに留意しましょう。
決済システム:ユーザーが使いやすいサービスを選ぶ
インターネット上で決済を完了し、なおかつ管理までできる機能です。
自社のECサイトに訪れるユーザーが使いやすい支払い方法を備えていれば、いわゆる「カゴ落ち」を防ぎ、スムーズに決済を完了してもらいやすくなります。
クレジットカード、口座振込、キャリア決済、後払いなどオンライン決済の方法は多様であり、これらに個別対応していたら大変です。いくつかの支払い方法がセットになった決済サービスを検討するのがよいでしょう。
各種決済サービスについて、詳細を知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
Shopifyの決済方法おすすめ9選!特徴と強みも一緒にご紹介!
受注管理機能:購入から商品が届くまでを管理
受注管理機能は、ECサイトで受け付けた注文を処理するための機能です。
ユーザーの注文確認、入金確認、キャンセル処理、出荷管理などを行い、購入から商品が顧客に届くまでの流れを円滑にします。
また受注管理は、在庫管理、顧客情報管理、支払い処理、配送管理などとも連携しています。説明の都合上、ここでは切り離して取り上げました。
在庫管理システムについては、こちらの記事で具体例を紹介しています。
ECサイトのおすすめ「在庫管理システム」7選【在庫管理ちゃんとやってますか?】
お問い合わせ:気軽に疑問を解消できる窓口
お問い合わせ機能は、顧客が質問や疑問、問題をサイト運営者に対して気軽に伝えるための仕組みです。
一般的には、ウェブページに設置されたフォームを通じて、問い合わせ内容を送信できます。
お問い合わせは、顧客の不安を取り除く手段の一つです。お問い合わせに答えることで、購入のハードルを下げることができます。電話や実店舗で話を聞くよりも気軽に疑問を解消することができるのもユーザーにとって有益です。
セキュリティ:ECサイトの安心の基盤
ECサイトでは顧客情報やクレジットカード情報など、重要な個人情報を扱います。
ユーザーに安心して買い物をしてもらうためにも、セキュリティ機能は必須として備えておくべきです。
セキュリティ対策を怠ると、不正利用したカードで注文されたり、個人情報漏洩によるブランドイメージの低下を招いたりするなど、自社にとっても大きなダメージになりかねません。使用するECサービスによっては、はじめからセキュリティ対策が行われているものもあります。
ECサイトの作り方
ECサイトを作る際には、以下の手順で進めます。
1. 自社の戦略とマッチするのかを検討する
市場と顧客の状況を見て、勝算はあるのか検討します。
「出店ありき」でプロジェクトを進めるべきではありません。
2. ECプラットフォームを選択する
事業規模もプラットフォーム選択の基準になります。
一つの目安は「年商1億円」です。
3. ECサイトのデザイン・機能を決める
デザインは使いやすいECサイト作りだけでなく、ターゲットユーザーを選別する機能もあります。
ECサイトのデザインの実例はこちらの記事をどうぞ。
「どんな層をターゲットと想定しているか」考えながら見ると、自社のサイトが目指すデザインのヒントになるでしょう。
4. 集客方法を決める
ECサイトへの集客方法は、SEO、広告、SNSなど多岐に渡ります。
とくに立ち上げ初期には、いかに早く認知を高めて人を集めるかが重要です。
短期で効果が期待できるのは広告ですが、広告だけでも多くの種類があり、目的や使い方もさまざまです。
短期から中長期までの集客施策はこちらの記事にまとめてあります。
詳しく知りたい方はぜひどうぞ。
売れるECサイトの集客方法12選 | 費用と期間ごとに紹介!
ECサイト運営の業務内容
ECサイト運用には、商品企画やマーケティング施策、在庫管理や配送手配など幅広い業務がありますが、大きく「フロントエンド業務」と「バックエンド業務」の2つに分類されます。
フロントエンド業務
- 商品企画
- 仕入れ・製造
- サイト運用・デザイン制作
- 広告・宣伝
- コンテンツマーケティング
フロントエンド業務とは、商品企画とマーケティングに関連した業務のことです。ECサイトの売上を作るために必要な業務で、出品する商品の企画・仕入れ・製造などを行い、完成した商品の広告・宣伝・消費者分析といったマーケティング活動を行います。
サイト運用においてはSEO対策なども必要になってきます。自社のECサイトを消費者に認知してもらうためにも、魅力的な商品の企画、効果的なコンテンツマーケティングを行う必要があります。
ECサイトのSEO対策について詳しく書いている記事がありますので、こちらもご覧ください。
ECサイトならではのSEO対策!8つのポイントでSEOに強いサイトに
バックエンド業務
- 商品登録
- 在庫管理
- 発送
- お客対応
- 総合管理
バックエンド業務はユーザーの目には見えない部分の業務を担っており、ECサイト運用には欠かせない業務です。商品情報をサイトに登録、商品の在庫・受注管理に加え、発送業務まで行います。
またユーザーの問い合わせ対応や、顧客管理・システム管理といった総合的な管理業務も行います。ECサイトで売り上げを作るための基盤を作る業務であり、サイト運用には欠かせない業務になります。
商品登録の際に注意すべきなのが、商品の写真選びです。商品撮影のポイントを以下の記事で解説しているので、こちらもご覧ください。
物撮りのプロに依頼!ECサイトの商品撮影依頼時の8つのポイント
ECサイトの成功事例
ECサイトを運営していく上で、どんな形で成功できるのかイメージを持っておきましょう。
成功の形はビジネスによってさまざまですが、こちらに9つの事例をまとめました。
どんなECサイトかだけではなく、ECサイトをどのように使ったかも含めて解説しましたので、運用も含めたイメージ作りに役立ちます。
【ECサイト成功事例10選】事例から成功のコツを紐解く
まとめ
以上、ECサイトの基本を種類から業務内容まで解説しました。
EC市場の成長率からECサイトの必要性を感じてくださったと思います。またサイト運用に必要な機能、業務内容から具体的にECサイトを持つまでに準備すべきことのイメージが湧いたでしょうか。
ECサイト運用には記事内で紹介したような様々な業務が存在し、それぞれに売上向上につながるポイントがあります。クーシーではそのような情報を定期的に発信しているのでぜひチェックしてみてください。
ECサイトの信頼獲得|サイトの信頼度を上げるコンテンツ7選
この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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テキスト:小原太郎 デザイン:大坂間琴美