
ECサイト構築
ECサイトの構築をしたい企業が急速に増えています。
たとえば店舗運営者がEC化するケース、最初から店舗をもたずD2CとしてECサイトをはじめる事業者、Amazon・楽天に出店していた事業者が自社ECサイトを構築するケースなど。
ECサイトを構築する選択肢として、簡易的にはじめられる無料ASPから、基幹システムや倉庫システムと連携する本格的なECシステムまで、ECサイトの規模や要件によってさまざまあります。
ECサイトのリニューアルや新規のECサイト立ち上げに際して、どのECシステムを導入するか意思決定が重要です。ECシステムは一度導入すると、少なくとも数年間は利用するため、現在だけでなく将来的なことまで要件を見越してシステム選択する必要があるのです。
クーシーでは、ECシステムの選定から、サイト構築、サイト運営・マーケティング支援までワンストップでご提供しています。ECサイト構築にあたって、ECシステムの選定方法や、進め方をご紹介します。
売上規模・必要な機能・予算からECシステムのタイプを選択
ECサイトを構築するはじめの一歩としては、ECシステムを選定することがキーポイントとなります。
ECシステムは、下記4ポイントを把握した上で、自社の現状や将来的な要件に合わせて選定することが重要。クーシーでは、現状や要望等をヒアリングさせていただき、貴社に最適なECシステムをご提案します。
1.各社が提供する基本機能・サービス
2.機能の拡張性・カスタマイズ性
3.自社が実現したい要件
4.初期費用と月額費用
簡易的なECシステムの選定方法
売上や会員数の規模と、機能・サービスの拡張性(カスタマイズ性)により、上記の四象限から自社に適したシステムタイプを絞れます。

ECカートシステムの4タイプ
1.ECカートASP
ASPとはアプリケーション・サービス・プロバイダー(Application Service Provider)の略で、インターネット上で特定のアプリ・システムを提供する・サービスを指します。
ECカートASPは多数のECサイトで共有されるショッピングカートシステムです。
ECシステムにおいてもカラーミーショップやMakeshop、futureshopなどインターネット上でECサイトを構築するASPが多くあります。近年では無料ではじめられるSTORESやBASEも人気が出ています。最近はASPではなくSaaSと名乗る事業者も増えていますが、提供システムは変わりありません。
有料のECカートASPでも比較的、低額で利用できることから小規模事業者はASPを利用するケースが多いです。ECカートASPは初期費用の低さや、はじめやすい月額費用による費用対効果の高さが大きなメリットです。またECカートASPは常に最新バージョンにアップデートされるため、陳腐化しません。
デメリットは、ASPが提供する機能の中で対応しなければならないため、自社独自の機能やサービス、一部のUIなどカスタマイズ実装できません。EC規模が大きくなってくると、ASPからカスタマイズが可能なECシステムにリプレイスする必要性が高まります。
また、ECサイトに急な大量のアクセスがあった場合は、サーバーがアクセス負荷に耐えられないこともあります。
2.ECパッケージ
ECパッケージは、ECに必要な基本的な機能を揃えられたECシステムです。パッケージに対して追加で自社要件に合わせて開発することができます。
ECパッケージのメリットは、カスタマイズとシステム連携で、広範な要件に応えられる点です。ASPとの大きな違いでもあります。
自社独自の機能・UIなど基本機能では対応できない要件を、ECパッケージではカスタマイズで叶えることができます。また、企業規模が大きくなるほど基幹システムや在庫管理システム(WMS)、会員基盤システム、その他外部システムと連携する要件が増えてきます。システム連携も追加開発で対応できます。
しかし、導入コストの高いことやカスタマイズ開発のコストが掛かるため、予算規模が大きく、小規模ECには向いていません。
また、ECパッケージはECサイト毎にサーバーに構築するため、システムが経年で古くなっていきます。そのため、セキュリティや機能のアップデートやメンテナンスのほか、数年に一度フルリニューアルする必要があります。大規模なECリニューアルの場合、要件次第では数年かかることもあるため、慎重にならなければなりません。
3.クラウドEC
クラウドECは、クラウドサーバーにECを構築するタイプで、ECパッケージとASPの利点を取り入れた最新のECシステムです。
ASP同様に、ECカートシステムはクラウドサーバー上で複数のECサイト共通に提供されるため、常に最新バージョンにアップデートされます。ASPはカスタマイズができませんが、クラウドECはECパッケージと同様にカスタマイズができます。
クラウドECは最新性が高く、カスタマイズも可能な、ECパッケージとASPの利点を両取りできることがメリットです。
もちろん外部システムとの連携もカスタマイズができるため対応可能です。
クラウドECはアップデートされ続けるため、陳腐化しにくく、パッケージと比べ長く使い続けられるでしょう。
自社のセキュリティ方針としてオンプレサーバーが必須の場合は、クラウドECを選択できませんが、多くのECサイトでクラウドECは選択肢になります。
小規模ECでもカスタマイズがなければ、導入コストを抑えられるため、一定の規模以上に成長したらASPからクラウドECにリプレイスすることも視野に入ってくると思います。
カスタマイズ開発が多くなるほど開発コストは増えるため、ECパッケージやフルスクラッチ開発と同様、開発コスト面がデメリットです。
4.フルスクラッチ開発
フルスクラッチ開発は、すべてのEC機能を独自で開発を行うタイプ。
ECパッケージやクラウドECが成長したことで、フルスクラッチ開発でECサイト構築するケースは減少してきています。
しかし、自由度が最も高く、自社の要件をフルに満たせる点が大きなメリットです。とくに開発チームをもっていれば緊急事態への対応や、マーケティング施策のPDCAを高速に柔軟に実行するスピードを活かせます。
反面、開発コストは最も高くなるため、ROIをより厳しく求められます。また、ECパッケージやクラウドECに比べ、セキュリティ担保に不安が残ります。個人情報保護やハッキング、アタック対策などセキュリティ要件は年々上がっているため、慎重に検討しなければなりません。
フルスクラッチ開発もシステムが陳腐化していくため、アップデートやリニューアルの必要性が高いです。
フルスクラッチ開発は国内でも有数の大規模ECサイトに適したタイプといえるでしょう。通常は、小規模ならASP、中規模以上でもECパッケージもしくはクラウドECを選択する方がメリットは大きいです。
クラウドEC・ECパッケージのEC構築ステップ
クラウドECやECパッケージはASPと違って、カスタマイズやシステム連携があるため、ASPとECサイト構築の工程が異なります。一般的な工程として下記のように進めます。

1.要件定義
ECサイトの新規構築やリニューアル構築に向けて、何を実現したいか要件を整理する必要があります。開発を着手してから要件を変更することは困難なため、要件定義・詳細設計は非常に重要なフェーズです。
クラウドECやECパッケージでECサイトを構築する場合は、標準機能で可能な要件と、カスタマイズで実現する要件が分かれます。
ECサイトを制作したい事業者と、ECサイトを開発するベンダーとの間で、各種要件や業務を標準機能と照らし合わせます。ECの標準機能で対応可能な範囲と、カスタマイズとなる乖離部分を明確にし、両者で認識を合わせ、スコープを確定します。
要件定義では主に下記をヒアリング・協議し、要件を洗い出し、対象とする要件のスコープを定義していきます。
・ECサイト構築の目的やゴール
・現状課題
・業務フロー
・サイト要件
・実現したいフロント機能要件
・実現したいバックエンド機能要件
2.詳細設計
次に要件定義で決定した機能について、詳細な仕様を設計するフェーズです。詳細設計では、機能の処理や挙動、ロジックなど開発工程向けのより細かなシステムの中身となるため、①事業者とベンダーで認識のズレが起こらない、かつ、②考慮漏れがないように設計する必要があります。
3.デザイン
主にユーザーが使うECサイトのフロント画面のデザインを行います。
ECサイトはおしゃれなデザインだけでは成功しません。ブランディング、購入・売上につながるUI/UX、実装する機能のUI、流入経路の設計、内部遷移の設計、既存のECサイトからの移行など多面的に設計しなければなりません。
たとえば下記の工程によりデザイン〜実装まで行います。
・サイトストラクチャー設計
・カテゴリ設計
・ワイヤーフレーム設計
・リダイレクト設計
・デザイン
・HTML/CSSコーディング
・フロントシステム実装
4.開発
開発フェーズは、詳細設計をもとにクラウドEC・ECパッケージのベンダーが開発します。
要件定義でスコープとするカスタマイズ機能や外部システム連携が増えるほど、開発フェーズの工数が増えます。スケジュールを重視する場合は、開発工数を抑えるため、初期リリースではカスタマイズ要件を抑える必要があります。カスタマイズ要件はフェーズ2以降に対応するなど、要件定義の時点で対応スコープの切り分けが非常に重要です。
5.テスト
開発が完了したら、機能ごとに要件定義・詳細設計の仕様に沿って動作するか、要件を満たしているか、不具合がないかテスト環境でシステムテストを行います。外部システムとの連携がある場合は、外部連携テストも必要です。
不具合等の修正が完了したら、本番環境へのリリースに移行します。
6.データ移行
既存のECサイトをリニューアルする場合は、既存のECシステムから新ECシステムに変わることがあるため、既存のECシステムのデータを新ECシステムに移行する必要があります。
新規にECサイトを立ち上げる場合はデータ移行が必要ありません。
データ移行の対象となるデータは主に下記です。
【移行対象データ】
・商品データ
・会員データ
・売上データ
既存ECシステムから新ECシステムへの移行は失敗するわけにはいかないので、データ移行は慎重に進めなければなりません。データ移行の工程はたとえば下記が挙げられます。
1.移行の設計
2.(場合によっては)移行開発
3.移行リハーサル
4.本番データ移行(リリース)
7.リリース
テストとデータ移行で問題ない状態になりましたら、いよいよ新ECシステムのリリースです。
本番環境にリリースされたら、各ページや機能が正常動作しているか確認しましょう。URLが変わる場合はSEOにも影響があるため、リダイレクトの設定や内部リンク等が問題ないか念入りに見ていきます。
会員ログイン前後の挙動や、ユーザー管理画面の機能動作、事業者側のバックエンド管理画面の動作など確認範囲は広いです。
また、既存のECサイトをリニューアルする場合は、会員ユーザーに影響があるため、リリース数ヶ月前にはメールなどでご案内します。
リニューアル時に影響が大きかったり、移行手続きが必要だったりすると、サポートへの問合せが急増するため、事前の案内に注意が必要です。
ECサイト構築で設計が重要なSEO
要件定義や詳細設計のフェーズで、集客や販促の要件や設計を反映させておく必要があります。ページ数が多いECサイトでは、とくにSEOの設計が重要。
SEOが流入経路の大部分を占めるECサイトが豊富にあります。多種多様なカテゴリーがある場合には、検索結果ページやアイテム詳細ページが、SEOのランディングページとして上位表示されることが多いでしょう。
既存のECサイトをリニューアルする場合には、よりSEOに適したサイト構造にアップデートするいい機会。またSEOに悪影響が出ないようにディフェンスとしても設計が重要です。
下記のポイントを押さえてサイト設計する必要があります。
・カテゴリー設計
・検索結果ページのコンテンツやUI
・内部リンク
・リダイレクト
・TD設計
ECサイトのデザイン
『売れるECサイト』にするためには、おしゃれ・かっこいい見た目だけのデザインでは通用しません。EC事業者側の好みを優先した見た目だけのECサイトでは売れません。ECサイトでは、ECサイトを利用するユーザーが『ほしい商品が探しにくい』『買いにくい』『商品の魅力がわかりにくい』と思われると、すぐに離脱されてしまうでしょう。
ECサイトのデザインでは、商品の魅力を伝えるためのビジュアルコミュニケーションのほか、探しやすさや情報の整理などUIも大切です。
売れるECサイトを構築するデザインのポイントは3つ。ブランディングや購入率に影響する重要ポイントです。
・情報過多なコンテンツをシンプルに整理
・ユーザーが使いやすい購入に至るまでの動線設計
・モバイルファースト
情報過多なコンテンツをシンプルに整理
商品数が増えるほど情報が雑然になりやすいので、ECサイト全体をとおして、シンプルなデザイン・設計にすることもポイントです。
ごちゃごちゃしたサイトではどこを見たらいいかわからず使いづらいです。ブランドイメージや商品特徴をシンプルに訴求するデザインが近年とくに求められています。
情報の優先度や粒度、伝えるべき訴求メッセージなどシンプルながらも魅力を伝えやすいデザインに仕上げることが必要です。
ユーザーが使いやすい購入に至るまでの動線設計
入口となるページからどのような動線でユーザーが閲覧を進めるか、動線設計が重要ポイントのひとつです。ECサイトの多くは、画面構成がある程度、パターンがあります。おおむね下記のページパターンで、これらのページ内を行き来しながら比較検討するため、歩きやすい道をサイト内につくることが重要。
・トップページ
・検索画面/検索結果ページ
・アイテム詳細ページ
・カート/決済ページ
・記事ページ
ユーザーがよく使う検索では、検索結果の生成の仕方や検索条件の種類なども、検索動線の設計がポイントになります。カスタマイズができるクラウドECやパッケージでは検索機能の作り込みが対応可能です。
モバイルファースト
BtoCのECサイトでは70%以上がスマートフォンからのアクセスです。スマートフォンサイトは画面幅が狭いので、その中で使いやすく、コンテンツ閲覧がしやすいECデザインにしなければなりません。
スマートフォンで直感的に操作でき、購入まで画面遷移する確率が上がるデザインに設計することが非常に重要です。
ECサイト構築の特長
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デザイン・マーケティング・システムのチームで支援
デザイン・マーケティング・システムのチームで支援
ECサイト構築は、デザインだけでは成立しません。システム理解や開発、ECサイトリリース後の集客や販促などのマーケティングの視点を含め、全体を俯瞰して設計しなければ失敗します。
クーシーでは、プロジェクトマネージャー、アートディレクター、マーケティングアナリスト、ディレクター、システムエンジニアなどのメンバーでEC構築チームの体制を組みます。
クラウドECやECパッケージのベンダーとも協業し、一丸となって構築支援します。 -
ECに最適な「設計」が得意です
ECに最適な「設計」が得意です
ビジュアルコミュニケーションやUI/UXの設計であるデザインや、SEOに適したサイト構造設計、既存ECサイトからスムーズに評価を引き継ぐための移行の設計、ECシステムに合わせた開発や外部システム連携の設計など、ECサイトには多くの設計が必要です。
クーシーでは、ECサイトに必要な設計を欠けることなく、成功に導くEC設計を支援します。 -
外部システムのフルスクラッチ開発も得意です
外部システムのフルスクラッチ開発も得意です
ECサイトの規模が大きくなると、在庫管理やサポート対応、売上データの基幹管理などECシステムと外部システムを連携する必要性が高まります。
クーシーではECシステムとデータ連携する業務システムや、外部システムとの連携についても設計・フルスクラッチ開発を支援します。
ECシステムの実装と並行して開発をすすめることができるため、ECベンダーですべてを開発するよりリードタイムを短縮できることもあります。
費用
ECサイト構築は、新規立ち上げ・リニューアル、既存ECサイトの規模、利用するECシステム、サイト要件や機能要件により開発規模が大きく変わります。
貴社のご要望や課題に合わせて御見積費用を算出しています。
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企画提案について、
様々なことにサポートいたします。
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ユーザー
エクスペリエンスプロダクトも大事ですが、そこで生まれる体験が必要です。ユーザーストーリーからUXの設計を行います。
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Webサービス
デザイン新規サービスの立ち上げやリニューアルをいかに成功させるのか、実績やその方法を紹介します。
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ブランディング
自社がどのようなイメージで見られたいか、コンセプトを作成しロゴやWebサイトで表現します。
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年間マイルストーン
作成計画をKPIベースで設計して、年間の予算を広告、制作、開発に振り分け、運用していきます。
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ECサイト構築
ECサービスと言ってもモールからシステム構築まで様々です。各サービスのメリットなどを紹介します。
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インターネット
広告運用提案リスティングやSNS広告など、コストとコンバージョン数など年間通して広告運用を提案します。