【WordPress】翻訳して多言語化する方法と注意点
この記事では、WordPressの自動翻訳の導入と多言語対応についてご紹介します。
日本語を使用しない外国の方にもWebサイトを見てほしい場合、サイトの多言語化が必要です。この記事を読んでいる人の中には「外国のお客さんに来てもらえるように、自社のサイトを多言語対応にしたい」とお考えの方もおられるでしょう。
Google翻訳をはじめ無料で使える翻訳サービスがあるため、多言語対応も比較的簡単と思われがちですが、決してそんなことはありません。
多言語対応の仕組みは大きく分けて2つ
多言語対応の仕組みには、大きく分けて以下の2つのパターンがあります。
ページ切り替え方式
あらかじめ各言語分のページを用意し、ユーザーが選択した言語にページを切り替えて表示させる方法です。
ページ内変換方式
表示しているページ内テキストを、そのまま指定した言語に変換翻訳させる方法です。先ほど自動翻訳の例外としてあげたGoogle翻訳はまさにページ内変換方式にあたります。
自動翻訳は切り替えページ作成時の補助的機能
ページ内変換方式(Google翻訳)のことはいったん横に置いて、ページ切り替え方式を深掘りします。
切り替え方式の場合、あらかじめ各言語分のページを作成しなければなりませんが、いちいち翻訳原稿を用意して投稿するのは時間とコストがかかりすぎてしまいます。
そこで自動翻訳です。日本語版を複製したページを翻訳して投稿するなら、それほど手間はかかりません。しかも翻訳が自動であれば、かなり簡単に翻訳ページが作れます。
このように、切り替えページを作るために翻訳を補助してくれるのが自動翻訳です。あくまでも投稿時の補助的機能であることを頭の片隅に置いておきましょう。
自動翻訳は基本ビジュアルエディターのみに対応
WordPressでの多言語対応を考えてみます。
WordPressの場合、投稿はビジュアルエディターとコードエディターの2種類あります。ビジュアルエディターの場合は翻訳対象のテキストが明確なのでそのまま自動翻訳が可能です。
一方で、コードエディターの場合はHTMLタグが含まれるので、翻訳対象のテキストが明確ではありません。
コードエディターで投稿された内容を自動翻訳する場合、以下のように手間がかかります。
- ビジュアルエディター表示に切り替える
- 自動翻訳を実行
- コードエディターに切り替える
- ビジュアルエディター切替時に勝手に変わってしまったHTMLコードを修正
コードエディターに対応しているものもあるかもしれませんが、基本的に「自動翻訳はビジュアルエディターのみに対応」と覚えておきましょう。
より高い精度の翻訳を求めるなら切り替え方式
ここまでの流れですと、自動翻訳と多言語対応がセットになっているGoogle翻訳が簡単で良さそうですが、世論として「Google翻訳は翻訳といえない」など酷評されているのも事実です。
私自身ネイティブスピーカーでもなんでもないので、日本語→英語のGoogle翻訳を評価することはできません。少なくとも英語→日本語の翻訳をみるかぎり、内容に疑問を感じるケースが多々あります。重大な経営発表など、絶対に誤解が生じてはいけないケースで使うのは不安です。
どれくらいの翻訳精度が必要かはケースバイケースではありますが、「無料でお手軽に実装できるサービスだから」といって安易にGoogle翻訳を採用するのはおすすめしません。より高い精度の翻訳を求めるのでれば、ページ切り替え方式の多言語対応がベターといえます。
優秀な自動翻訳「DeepL」
ページ切替方式を補助してくれる自動翻訳サービスを紹介しましょう。
DeepLは非常に精度が高いとされる自動翻訳で、WordPressのプラグインも提供されています。それが、DeepL API translation pluginです。自動翻訳のプラグインで、多言語対応に使えます。
https://ja.wordpress.org/plugins/wpdeepl/
しつこいかもしれませんが、自動翻訳と多言語対応は別モノです。
DeepLの自動翻訳も使える多言語対応プラグイン「WPML」
多言語化に対応しつつDeepL翻訳も使いたい。そんな要望を実現するWordPressのプラグインが「WPML」です。
有料のブラグインですが、多言語対応とそれに付随した自動翻訳機能でDeepLによる翻訳サービスを提供しています。
DeepLの翻訳は文字数課金
「DeepL API translation plugin」「WPML」いずれのプラグインでも、DeepLの翻訳は文字数により課金が発生します。予め翻訳の費用をプリペイド形式で支払い、翻訳した文字数によってクレジットを消費するシステムです。クレジットが無くなったら追加チャージが必要になります。
元原稿の文字数によって費用が決まるので、同じ内容の原稿だったとしても、「日本語から英語への翻訳」の方が「英語から日本語への翻訳」よりクレジットの消費が少なく費用が安くなります。
【安い】日本語→英語 | 【高い】英語→日本語 |
---|---|
本日欠席(4文字)→not attending today | not attending today(17文字)→本日欠席 |
※「WPML」では、Pay-as-you-goという従量課金制も存在します。そちらは翻訳の元原稿の文字数ではなく、単語数による従量計算で月末払いです。
高機能な自動翻訳を使っても校正は必要
自動翻訳はAI技術の進歩により日々精度が高くなっていますが、やはり人が翻訳する内容にはまだまだ劣ります。万が一にも誤りがあってはいけない内容であれば、必ず人のチェックを通しましょう。
多言語対応を業者に依頼するべきケース
以下のようなケースでは業者発注を検討しましょう。
プラグインの選定やインストール後の設定が不安
適したプラグインがわからない。あるいはインストール後の設定に不安があるなら、業者に任せた方が安全です。
WordPressのプラグインはただインストールしただけでは動きません。多言語化のプラグインであれば、どの投稿コンテンツをどの言語に訳すかなどの設定が必要となってきます。
設定画面が英語表示というケースもあり、素人がググって自力で解決するのは難しいかもしれません。既存のプラグインと干渉しあってうまく動かない、なんてこともあります。
調べながらトライしてみることも大事ですが、途中で分からず頓挫してしまうのであれば、はじめから業者に発注した方が早くて確実です。
翻訳をチェックできる人がいない
「Google翻訳でもいいよ」というケースを除いて、結局のところ最後は人のチェックが欠かせません。翻訳をチェックできる人がいない場合も業者に発注した方が無難でしょう。
翻訳原稿のボリュームや難易度にもよりますが、自動翻訳後の人によるチェックのコストは案外かかります。最初から人に翻訳をお願いした方が安かったなんてこともありますので、そのあたりも業者に相談してみるのがよいでしょう。
まとめ
以上、WordPressで多言語化する方法と注意点について解説しました。
サイトの規模や更新頻度にもよりますが、本当にきちんとした翻訳による多言語対応は、それなりのコストがかかります。多言語化機能の導入コストもそうですが、運用コストも継続的に発生します。
導入を検討する際には、まずどのレベルの翻訳が必要なのかを確認しましょう。
- 翻訳レベル【低】ならGoogle翻訳でOK
- 翻訳レベル【中】なら高精度の自動翻訳ならそのままOK
- 翻訳レベル【高】なら高精度の自動翻訳+人のチェックが必要
「どのような形で多言語対応を導入し、どのように運用していくのか」をしっかりとご検討ください。クーシーでは多言語対応のご相談を承っております。
この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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テキスト:土田 玲央 デザイン:大坂間 琴美