売れるECサイトの集客方法12選 | 費用と期間ごとに紹介!
「ECサイトを始めたけれど、ぜんぜん売れない!」
そんなお悩みをお持ちのご担当者様へ。
この記事ではECサイトの集客方法について解説しています。
ECサイトの集客方法には比較的短期で結果が出やすいものと、中長期的に取り組むべきものがあります。短期で結果が出るのは広告ですが、ひと口に広告と言っても種類はさまざま。なかにはECサイトでしか使えない広告もあります。
本記事ではこれらを種類ごとに取り上げて、メリットとデメリット、課金方式などを解説します。自社の商品に合う集客方法はどれか、考えながら読んでみてください。
ではいってみましょう。
ECサイトとは?種類や必要な機能、作り方などを簡単に解説!
ECサイトにおける集客の必要性
ECサイトを作って集客をしないのは、誰も来ない山奥にお店を作るようなものです。お店があることを広めなければ、お客さんは来てくれません。実店舗で看板を出したりチラシを配ったりするのと同じように、ECサイトでは主にインターネットを活用して集客を行います。
売り上げを作る観点でも集客は重要です。ECサイトにおける売上は、以下の式で決まります。
売上=訪問人数 x 購入率 x 客単価
客単価も購入率も上げるのは可能ですが、どちらも伸び代は大きくなく限界があります。
一方で、訪問人数には限界がほぼありません。10倍、100倍に増えることも十分ありえます。
そもそも訪問人数が少なければ客単価や購入率を上げても、売り上げは大きく伸びません。売り上げを伸ばすには、どれだけ多くの人を自社のECサイトに呼び込むかが重要なのです。
ECサイトに集客する主な方法
ECサイトの集客は、「お金」をかけるか「時間」をかけるか。早く成果を出したいなら、一定額のお金を使わなくてはなりません。時間をかけてもいいのであれば、低予算で取り組めることもあります。
これを表にすると以下の通りです。
短期で成果 | 中長期で成果 | |
---|---|---|
費用高い |
リスティング広告 ショッピング広告 (Googleの無料リスティング枠) リマーケティング広告 動画広告 SNS広告 アフィリエイト広告 |
SEO 自社アプリ開発 |
費用低い |
SNS運用 メルマガ運用 LINE活用 |
短期で成果が期待できるのは、どれも広告です。また、費用がかからず短期で成果が出る集客方法はありません。
ECサイトの運営を軌道に乗せるためにも、早く成果を出したいとお考えの方が多いかと思いますので、比較的短期で成果の出やすい集客手段を中心に解説します。
短期目線でECサイトへの集客改善が期待できる方法
比較的短期で考える場合、集客が期待できるのは以下の方法です。
- リスティング広告
- ショッピング広告
- ディスプレイ広告
- リマーケティング広告
- 動画広告
- SNS広告
- アフィリエイト広告
それぞれ見ていきましょう。
リスティング広告
ユーザーが検索したキーワードに連動して、検索結果に表示されるテキスト形式の広告です。検索結果ページの上部と下部に表示されます。下の画像では、広告が「集客手段」という検索キーワードに連動して表示されました。
自ら情報を取りに来ている積極的なユーザーにアプローチできるほか、比較的低価格から始められるのもメリットです。
費用が抑えられるのは、クリックされた分しか課金されないクリック課金型の料金体系だからです。一方で高い金額で入札した方が上位に掲載されやすいという性質もあり、人気の高いキーワードではクリック単価が高騰します。
だからと言って資金力がすべてではありません。「広告の質」も評価されるので、掲載するテキストやリンク先のコンテンツなどを工夫することで、より費用を抑えて効率よく広告を出せます。
一般的に1クリックあたりの広告費は100〜1000円です。1クリック100円として、1人が購入するまでに100クリックかかったとすると、広告費は10000円となります。もし商品価格が10000円以下だったら、売れても赤字になってしまう計算です。リスティングに限らず、広告は費用対効果を考慮して利用しましょう。
ショッピング広告
一般的に「リスティング広告」といえばテキスト広告を指しますが、小売業を営んでいる方には「ショッピング広告」という画像ありの選択肢もあります。ショッピング広告も検索に連動して表示される広告です。ECサイト、とくに検討期間の短い商品を扱っているサイトにおすすめの広告です。
上の画像でもわかるとおり、ショッピング広告はリスティング広告よりも上に表示されます。とくにスマートフォンではユーザーの目につきやすい広告です。しかもこの広告は検索キーワードに連動するので、商品を探している人の目に入りやすくなっています。
ショッピング広告自体が小さなECモールのようになっており、ユーザーは商品画像と付随する情報を見てリンクをクリックします。商品を見てECサイトに訪れるので、確度の高い人が来る可能性が高いです。
一般的に、ショッピング広告はリスティング広告よりクリック単価が低いです。リスティング広告と同じクリック課金型ですが、クリック単価は10〜30円ほど。ECサイトしか出稿できずライバルが少ないことと、検索広告より設定が複雑で参入ハードルが高いことが理由に挙げられます。
無料で使えるショッピング広告
広告は基本的にお金がかかりますが、じつは例外もあります。Googleは検索結果の「ショッピング」タブ内に無料のリスティング広告枠を用意しています。ここに掲載されるには、「Google 掲載」に商品情報の登録が必要です。無料なだけあって、登録内容は若干複雑ですが、ぜひ挑戦したい広告です。
https://services.google.com/fh/files/emails/shopping_free_listings.pdf
リマーケティング広告
リマーケティング広告とは、ディスプレイ広告の一種です。自社のECサイトにタグを設置することで一度ECサイトに訪れたユーザーを追跡し、バナー広告を表示させます。
例えば筆者は、以前「小さいふ。」というハンドメイドの革財布を販売するサイトを訪れているので、別のサイトのページを開いた時に、下の画像のような広告が出ました。これがリマーケティング広告です。
形はディスプレイ広告と同じですが、ユーザーが一度訪れたサイトの広告ですから関心が高く、再度クリックしてもらえる可能性が高いです。とくにECサイトでは商品を思い出させる効果もあり、リスティング広告に匹敵する費用対効果が期待できます。
ディスプレイ広告は単体では効果が出にくいので、リスティング広告とセットで行い、リマーケティング広告として運用するのがいいでしょう。
課金方式は「クリック課金」と「インプレッション課金」の2つがあります。クリック課金はリスティング広告と同様、広告をクリックされたら広告費が発生するものです。クリック単価は競合の出稿状況にもよりますが、50〜100円程度です。インプレッション課金では、1000回広告が表示されるごとに広告費が発生します。料金は1000回あたり数十円から数百円程度です。
動画広告
動画広告とは、動画のクリエイティブを用いた広告のことです。YouTubeのような動画配信サイトはもちろん、Webサイトでディスプレイ広告の代わりに使われることもあります。
前者はインストリーム、後者はアウトストリーム広告と呼ばれています。
国内電通グループ5社の発表によると、2022年インターネット広告媒体費における動画広告の割合は23.9%で、年々その存在感を増してきています(下のグラフの赤い部分)。
2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
動画広告は静止画の広告に比べて、商品を使用場面も含めてイメージしやすく、背景にあるストーリーも伝わりやすいです。動画を視聴したユーザーの行動は、クリックや視聴時間などで計測可能であるため、改善を重ねてさらなる効果が期待できます。
静止画に比べて、制作に手間とコストがかかるのが難点ではありますが、商品によっては静止画よりも大きな効果を得られるでしょう。
動画広告の課金方式は、クリック課金、インプレッション課金のほかに、「CPV(クリックパービュー」という方式があります。これは「30秒視聴したら課金」など、視聴に一定の条件を設けて課金する仕組みです。視聴されても条件を満たさなければ、料金は発生しません。
SNS広告
SNS広告とは、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSプラットフォームで配信される広告のことです。下の画像はTwitterのタイムラインに表示されたものです。
SNS広告の強みはターゲティングのしやすさです。まずプラットフォームごとにユーザー層が違います。
- Facebook:中心は30〜40代。50代以上からも支持
- Twitter:10〜20代が中心。男女比はほぼ同じ。
- Instagram:10〜20代が中心で、男性に比べて女性の割合が高い
- TikTok:10代がもっとも多く、次いで20代
- LINE:すべての年齢層で広く支持されているが、中心は10〜40代
さらにSNSでの登録情報やその後の利用傾向などにより、より細かなターゲティングが可能です。ユーザーがいつも見ているタイムライン上に広告が表示されるため、他のWeb広告よりも目に入りやすく、幅広いユーザーにアプローチできます。
課金方式はクリック課金型、インプレッション課金型のほかに、エンゲージメント課金型があります。これはアプリのインストールや動画の再生数、再生時間など、さまざまな指標に応じて課金されるタイプです。
例えば「動画が10秒以上再生されたら課金」のように、課金には条件がつきます。広告費はリスティング広告に比べると安く、1クリック数十円からで、1日の広告費の上限も設定できます。
ECサイトの場合、プラットフォームによって相性のいい商材がありますが、美容系、アパレルは総じて広告が出しやすいです。
プラットフォーム | 相性のいい商材 |
---|---|
業務機器、衣類など | |
セミナー集客 | |
美容系、アパレル、など | |
TikTok | 美容系 |
LINE | 美容系 |
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、成果報酬型の広告です。アフィリエイターのサイトに特定の商品やサービスについての広告を掲載してもらい、購入されたときに報酬を支払います。広告費が発生するのは成果が出たときのみであり低リスクです。
その代わり広告を掲載するかどうかはアフィリエイター次第なので、魅力あるプログラムでなければ出稿することもできません。また、広告を掲載するメディアによっては自社イメージを損なうこともあるので、メディアの選定は慎重に行いましょう。
中長期でECサイトへの集客が期待できる方法
ECサイトの集客は、まず短期を見据えた施策に集中すればOKです。中長期の施策については、成果が出始めたら取り組みを検討しましょう。
ここでは中長期での集客方法についても触れておきます。短期の施策は新規ユーザーがターゲットでしたが、中長期になるとすでに自社商品を知っている人や既存顧客もターゲットになってきます。
- SEO
- SNS運用
- メルマガ運用
- LINE活用
- 自社アプリ開発
それぞれ見ていきましょう。
SEO
検索結果の上位に自社のECサイトのページを表示させて、そこからの流入を狙う手法です。ECサイト自体にもSEO対策は施せますが、記事コンテンツを作成して幅広い層にアプローチすることもできます。
SEOは一度上位を獲得すると、比較的安定した流入が期待できるのがメリットです。一方でSEOを考慮したサイトの調整や記事の生産にはかなりの労力がかかります。
一般的にSEOは内製で行えば費用は抑えられると言われていますが、本気で結果を出すなら片手間でできる業務量ではありません。内製でやるにせよ外注するにせよ、一定のコストはかかると考えておきましょう。
なおECサイトのSEO対策には、その他サイトと共通の部分とECサイトならではの部分があります。例えば、ECサイトはアイテム数が多いだけでもSEO対策には有利です。詳しいことは以下の記事をご覧ください。
ECサイトならではのSEO対策!8つのポイントでSEOに強いサイトに
SNS運用
SNSの運用によってユーザーを惹きつけECサイトへの流入を図ります。InstagramやFacebookなどがすでに集客手段としてよく使われていますが、利用にあたっては注意が必要です。
SNSは本来、宣伝をするための場所ではありません。コミュニケーションを楽しみたいユーザーが集まっている場所です。これを踏まえて単に商品やサービスを宣伝するのではなく、ターゲット層の関心に応えるコンテンツを提供し、ユーザーとの双方向のコミュニケーションを促進することが集客の前提となります。
SNSはSEOより難しいと言われています。「誰が発信しているか」が重視されるからです。SEOは役に立つコンテンツを提供できれば選ばれますが、SNSは発信者自体を好きになってもらわなければならず、より高度なコミュニケーションスキルが必要なのです。
費用は無料で始めやすいものの、難易度は高めと考えてください。その代わりユーザーとの信頼関係が構築できれば、爆発的に購入してもらえる可能性もあります。
メルマガ運用
メルマガは顧客リストがなければ配信できません。リスト集めから始めるのであれば、中長期の施策となります。
メルマガのいいところは、すでに自社のことを知っている人に向けて情報を発信できるところです。読者は一般の人に比べて関心が高めなので、高い割合でメルマガを契機に行動を起こしてくれます。
配信にあたっては、以下の3点に注意しましょう。
- 売り込みメールばかり送らない
- ターゲットを絞って配信する
- タイトルに力を入れる
じつは、この3つはメルマガでよくある失敗のポイントです。コンテンツ作りが苦手な人はとくに、メルマガで売り込みばかりしがちですが、ユーザーが求めているのは役に立つ情報です。十分に情報を与えることに集中し、売り込みは限定的に行いましょう。
メルマガはターゲットを絞って配信します。メルマガ登録者の中でも、さらに絞って一定の層に向けて書くことで開封率が上がるからです。
メルマガは読んでもらえてなんぼなので、開封率は重要です。ポイントはメールの「タイトル」。どうしたら「読もう」と思ってもらえるか、よく考えて渾身のタイトルをつけてください。
作り方がわからない人は、とにかく3つ作って、その中からいいものを選びましょう。これだけでもタイトルは確実によくなります。
LINE活用
LINEはSNSの一つですが、利用者が幅広く、年齢層によらずアプローチできるという意味で、独自のポジションを確立しているメディアです。
過去に何らかの接点があった人に向けて発信するのはメルマガと似ていますが、LINEは発信内容のバリエーションが豊富で、ユーザーをより強力にプッシュすることができます。メッセージによる情報発信に加え、クーポンを配信したり、LINEショッピングに商品を掲載したりして自社のECサイトに集客することも可能です。LINE公式アカウントを利用すれば、1対1できめ細かなサポートも提供できます。
LINE活用のハードルは「いかに友だち登録をしてもらうか」です。有料ですが「友だち追加広告」というサービスもあります。自社商品に興味のある濃いユーザーを呼び込みたいところですが、あまりに時間がかかりそうなら広告を使って効果をみるのもいいかもしれません。
自社アプリ開発
自社のECサイトをアプリ化して集客に使う方法です。アプリそのものを作るので、当然費用と時間がかかります。Amazon、楽天などのECモールだけでなく、ユニクロ、ライトオンなどの小売業でも自社アプリをリリースしていることから、有効な施策であることが伺えます。
メリットは、例えばLINEよりもさらに強力にプッシュできることです。ユーザーのスマートフォンに向けて、キャンペーンやタイムセールのお知らせ、クーポン券などをリアルタイムで通知することができます。
配信先であるスマートフォンは多くのユーザーが肌身離さず持ち歩いており、PUSH通知に気づきやすいです。開封率もメールマガジンの通知に比べて3〜5倍も高いと言われています。クレジットカードなどの支払い情報が紐づけられており、購入に近いところからプッシュできるのも強みです。
費用がかかるアプリ開発ですが、それだけの価値があるということです。
まとめ
以上、ECサイトの集客方法についてでした。
広告で直近の集客をしつつ、中長期的対策としてSEOやSNSにも取り組む、といきたいところですが、おそらく現実的ではありません。ECサイト運営は集客以外の業務も多々あるからです。リソースが限られているなら、はじめは結果が出やすい広告に集中して集客しましょう。
広告はユーザーのデータを集める意味でも有意義です。なかなか売れないと広告費が無駄になっていると思うかもしれませんが、ユーザーの情報が集まっていると考えて、少しずつ改善を試みていきましょう。
【ECサイト成功事例10選】事例から成功のコツを紐解く
この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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