商談につながる会社紹介資料の作り方!【構成がポイントです】

「営業に使える会社紹介資料の作り方がわからない」
「会社紹介資料はあるけれど、もっとよくならないだろうか?」
この記事はそんなお悩みをお持ちの方のために書いています。
会社紹介資料は、商談において自社の第一印象を左右する要因の一つです。いい印象を相手に与えられれば、「もっと話を聞いてみたい」と思ってもらえ、次の商談へ進みやすくなります。
会社紹介資料自体は、パワーポイントなどツールを使えば誰にでもできます。プレゼンテーションのスライドと同じように考えられがちですが、商談につながる資料にするには「構成」が重要です。デザインがよければさらに狙ったイメージを与えやすくなりますが、それも構成があってこそ。自社のアピールポイントを詰め込んだだけでは、相手に刺さる資料にはなりません。
本記事では、営業向けの会社紹介資料の作り方について解説しました。ポイントとなる「構成」をどう考えればいいのか、「考え方」がわかる内容になっています。
初回商談からの案件化率を上げる施策にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
会社紹介資料とは?
会社紹介資料とは、初対面の相手に自社を簡潔に知ってもらうための資料です。
就職・転職活動における履歴書や職務経歴書と似ています。これらは自分が何をしてきて、どんなことで役に立てる人材なのかを、初対面の採用担当者に知ってもらうために書きますよね?
会社紹介資料も、自社がどんな企業であるかを先方の担当者に簡潔に伝えます。「すごい会社」「おもしろそうな会社」といった企業イメージ・期待感の醸成や、資料を見た後にとってほしい行動も考えて作るものです。
自社のことをPRするというより、相手の知りたいことを先回りしてコンパクトに伝えるのが制作時の基本姿勢です。したがって、制作は目的とターゲットの設定からスタートします。
会社紹介資料を作る目的
営業活動における会社紹介資料は、相手に話を聞いてもらうためのツールです。ターゲットは企業の担当者の方を想定します。初回商談時のプレゼンで使うほか、イベントでの配布、メールに添付して送付するなど、幅広く利用することができます。
資料が魅力的であれば、それだけでチャンスが広がりやすくなる一方で、相手の関心を惹きつけられない資料だったら次の機会につながりません。新規の取引先や顧客を増やしていく上でとても重要なツールです。
ちなみに、採用活動における会社紹介資料は、働く人の目線で自社の魅力を伝えるツールとなります。ターゲットは新卒、中途の求職者の方々です。営業用の会社資料と共通する部分もありますが、入社後の働き方のイメージを広げる内容が盛り込まれているところが違います。
会社紹介資料の要素
会社紹介資料に入れる要素は各社共通する部分もありますが、どれを盛り込むかは企業によって違います。
以下によく使われる要素の例を挙げました。ここから自社の目的にあったものをピックアップして使います。

会社紹介資料の構成
会社紹介資料の構成とは、要素を並べる順番のことです。構成は資料の説得力を増すために重要なポイントになります。
構成の大まかな流れは以下のとおりです。
- 信頼を高める
- 顧客の課題を掘り起こす
- 自社のサービス・プロダクトを紹介する
- 安心、共感してもらう
まず「話を聞くに足る会社」であることをわかってもらうために、信頼を得られそうな要素が必要です。したがって「信頼を高める」パートが最初に来ます。
次に顧客の課題を「現場や業界の課題」として掘り起こしておくと、サービスやプロダクトに興味を持ってもらえる可能性が高まります。また企業としての高い視座を示すこともできます。その上で「自社のサービス・プロダクト」を紹介すれば、より高い関心を持ってもらえるでしょう。
ここまで読んでもらったとしても、選ばれるにはまだ動機が弱いかもしれません。そこで「安心」と「共感」のパートです。例えば導入事例や導入実績があると、紹介したサービスが支持を得ていることがわかります。「お客様の声」も説得力を感じさせるコンテンツです。
最後に事業への思いや情熱を語るパターンもあります。ビジネスにかける想いには物語があり、それが共感を呼ぶのです。開発までの道のりや苦労を乗り越えた話などが、サービスの価値を高めてくれます。
構成の具体例
会社紹介資料の構成例を2つご紹介します。いずれも実際の会社紹介資料から抜き出したものです。
例1:A社
A社
- まえがき・・・代表挨拶 役員紹介
- 会社概要・・・ミッション バリュー カルチャー 企業概要 社員数推移 沿革
- 業界の現状と課題
- 事業内容
- サービス詳細
- 今後の展望
A社の場合、「まえがき」と「会社概要」が信頼を高めるパートです。優秀な人材がいて、高い志を持って順調に成長している企業であることを伝えています。
「業界の現状と課題」はすなわち、顧客が感じている課題でもあります。ミッションと結びつけて、どうすれば解決できると考えているのかを語るパートです。読み手は自社の課題と重ねて読むでしょう。
「事業内容」と「サービス詳細」で、やっと自社のことについて話します。これまでのパートは、この話を聞いてもらうための下準備でした。前のパートがあるかないかで、自社サービスへの関心の高さは確実に変わります。
「今後の展望」は、A社が作ろうとしている世界について語ることで共感を得るパートです。
例2:B社
B社
- ミッション
- 役員紹介
- 導入実績とパートナー
- インタビュー
- 課題と現状
- プロダクト紹介
- 会社概要
A社と比べて、B社の会社紹介資料の構成はかなり違って見えますが、大まかな流れは同じです。
B社の場合は、「ミッション」「役員紹介」「導入実績とパートナー」「インタビュー」が信頼を高めるパートです。とくに「導入実績とパートナー」には有名企業が名を連ねており、豊富な実績が有効に働いています。「インタビュー」で代表から社員まで、企業を動かしている人の顔が見えるのも信頼や安心感を高めるのに寄与しているでしょう。
課題からプロダクト紹介への流れはA社と同じですが、最後に会社概要を置いているのが特徴的です。
以上のように使う要素は比較的自由ですが、構成の大まかな流れは決まっています。「信頼」「課題」「サービス紹介」「安心・共感」の各パートをどの要素を使って表現するかが考えどころです。
会社紹介資料の作成方法
会社紹介資料は自社で作ることが多いと思いますので、その前提で作成方法を解説します。手順は以下のとおりです。
- 目的とターゲットを決める
- 構成内容を決める
- ラフデザインを作る
- 必要な素材を準備する
- 組み合わせて完成
順番に見ていきます。
目的とターゲットを決める
本記事は営業活動用を想定しているので、目的は例えば「新規の取引先に信頼できる会社として自社を知ってもらう」となります。
目的が決まればターゲットも定まります。営業向けの資料なら、企業の担当者がターゲットです。実在する人をペルソナに設定すると、過去のやりとりからターゲットの疑問、知りたいこと、悩み、すでに知っていることなどが具体的になり、伝えるべきことが明確になります。ペルソナを掘り下げておくと、構成作りが楽になるのでおすすめです。
構成内容を決める
構成はゼロから作るパターンと、他社の構成を借りるパターンの2種類があります。
ゼロから作るパターンは、「信頼」「課題」「サービス紹介」「安心・共感」の流れを踏まえて要素を選定し組み立てるやり方です。とくに「信頼」と「安心・共感」のパートは、企業の個性が出しやすいところです。自社にとって有効なアピール材料を探して、うまく活用してください。
ゼロから作るのは大変という方は、他社のサンプルからちょうどいいものを探して参考にしましょう。Speaker DeckやSlide Shareで検索すると、会社紹介資料がヒットします。これに当てはめれば、ゼロから作るよりずっと簡単に構成が作れます。
ただし上記サイトで見つかるのは採用向けの資料がほとんどです。採用向けでも営業向けの参考になるものがあります。
ラフデザインを作る
構成内容のページの割り振り、フォントサイズ、各パートの文字数、写真やイラストを入れる位置など、ざっくりと全体像を作ります。Webサイト制作でいうと、「ワイヤーフレーム作り」にあたる作業です。
この作業はまず手書きでやるのをおすすめします。パワーポイントなどのツールを使うより断然早く、画面を自由に設計できるからです。フォントサイズや文字数を見積もる段階はツールを使うと便利です。
「ラフデザインなんか飛ばして、いきなり書き始めた方が早いのでは?」と思うかもしれませんが、ラフデザインがないと考えながら資料を作らなければなりません。結果として、統一感が出しにくく、制作に時間もかかってしまいます。簡単でいいので、ラフデザインを作るようにしましょう。
必要な素材を準備する
テキスト、写真のほか、ロゴやイラスト、グラフなどの素材も揃えます。テキストは分量が多く、該当部署や担当者の確認が必要なものもあります。できるところから早めに着手しましょう。
写真は撮影を依頼するほか、ShutterStockやiStock、PIXTAなどで購入することもできます。ネット上には無料で使える写真サイトもありますが、会社紹介資料は初対面の相手から信用を獲得するためのツールです。無料の写真素材を使うとすぐ「無料素材だな」とわかりますし、会社の印象にとってよくありません。写真に限らずですが、資料を作る目的を達成しやすい素材を集めましょう。
組み合わせて完成
素材が揃ったら、組み合わせて完成です。完成品は使用場面どおりの形で確認してください。印刷した場合とPCの画面に映した場合で見え方が違うということはよくあります。せっかく作った会社紹介資料なので、最後の確認までしっかりと行いましょう。
まとめ
以上、営業向けの会社紹介資料の作り方について解説しました。
お問い合わせから案件化の過程において、会社紹介資料は自社がどんな企業であるかを知ってもらえる重要なツールです。会社紹介資料の出来次第で、商談の進み具合も変わってくるでしょう。WebサイトやLPと同じで、一度最適化すれば長く効果を発揮してくれるものなので、改善する価値はかなりあります。営業の成果が伸び悩んでいるのであれば、内容の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
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テキスト:加藤久佳 デザイン:大坂間琴美