ローコード、ノーコード開発とは?メリットやデメリット、将来性はあるのか徹底解説!
最小限のコーディング技術や知識で開発を行うことができる「ローコード」「ノーコード」ツール。テック産業に大きな影響をもたらすと言われており、近い将来、開発の7割近くはこのようなツールによって行われるようになるとされています。
アプリ開発に必要なスキルや知識のギャップを埋めてくれる存在になりつつある「ローコード」「ノーコード」とは何なのか、また両者の違いなどを説明していきます。
「ローコード」とは?メリット・デメリットは?
ローコードとは、ソースコードをほとんど書かずにシステムなどの開発が行えるツールです。ドラッグ&ドロップなどの基本的操作で、Webサイトやアプリの作成を行うことが可能になります。プラットフォーム上に用意されたGUI(Graphic User Interface)により、視覚的でわかりやすい操作ができるのが最大の特徴です。
ローコードのメリット
時間をかけずにWebサイトやアプリ、グループウェア開発設計ができるため、開発期間や経費を削減できるのが最大のメリットです。デジタル化の加速を促す企業が増えている中、ローコードはシステム開発のハードルが低く、利用しやすいツールとして注目されています。
ローコードのデメリット
GUIのおかげで操作が簡単な反面、プラットフォームが対応していない操作は行えないのが難点です。カスタマイズは可能ですが、その際にはコーディング技術が必要となります。
また、セキュリティーの強化も考えなければなりません。アプリ内で想定される問題について事前に対策が必要です。作業にかかる時間やダウンタイムを考慮しておかなければなりません。
大幅なスケールアップをする際に時間がかかるのも、ローコードのデメリットです。比較的簡単に使えるものの、急激な成長についていくことが難しいツールとなっています。
「ノーコード」とは?メリット・デメリットは?
「ノーコード」とは、コーディングやプログラミングを一切使用せずにアプリ開発ができるツールです。プログラミングの高度なスキルや知識は必要なく、誰もが開発を行うことが可能となります。
ノーコードのメリット
ローコード同様、大きなメリットは時間や経費が削減できることです。また非エンジニアでも比較的低い学習コストで使えます。
ノーコードのデメリット
最大のデメリットは複雑な開発に対応できないことです。表示や読み込み速度は遅い傾向があるので、大規模なものよりはシンプルなアプリやサイトの開発に向いています。
またツール開発のほとんどが海外で行われており、日本語未対応のものも多いです。編集画面などが英語で表示されるため、英語が苦手だと操作を学習するのに時間がかかるかもしれません。
「ローコード」「ノーコード」海外トレンド先取り情報
2023年は特に「ローコード」「ノーコード」について多くの情報が発信され始めました。
ノーコードツールを開発する「thunkable」の創業者Arun Saigal氏は「今ノーコードのエキスパートになれば、将来もっとも必要とされる人になれる」と語っています。
ここでは特徴ごとに各種ツールをご紹介していきます。
自動化に特化したツール
Zapier
https://zapier.com/
Zapierとはシンプル、かつ合理的にワークフローを自動化するアプリです。ドミノ効果を利用し、日々繰り返し必要な作業を簡単に自動化してくれます。
Google Suite、Slack、ツイッター、Gmailなど2000以上の大手アプリと連動しており、セットアップのスムーズさが注目されています。
プロジェクトマネジメントをシンプルにするツール
Notion
https://www.notion.so/product
Notionはここ数年様々な広告で見るようになり、デザイン業界や、学生、大手企業まで幅広いユーザーを虜にするマネジメントアプリです。メモからデータベース、様々な用途の管理を「コネクテッドワークスペース」として利用できます。使用方法の柔軟性と共有が簡単にできることが最大の魅力です。
Notionの基本的な使い方はこちらの記事でどうぞ。
万能ツール「Notion」の基本の使い方と活用例をわかりやすく解説!
monday.com
https://monday.com/
monday.comもここ数年利用者が増えている、評価が高いノーコードプロジェクトマネジメントツールです。カスタマイズ性が高く、会社または個人のタスク管理を細かく整理できるのが特徴です。
ユーザーインターフェースはシンプルで直感的に作業を進められるようにデザインされています。Slack、Dropbox、Outlookなどのアプリと連動可能です。
Airtable
https://www.airtable.com/toolkit
Airtableは、スプレッドシートとデータベースを組み合わせたようなノーコードツールです。プログラミングの知識がなくても、データの収集、管理、分析、共有を行うことができます。
コード不要でプロジェクトマネジメントを行え、チームのメンバーとクラウド上で簡単に情報を共有・管理できるのが特徴です。Netflix、Buzzfeed、Mediumなどのチーム内でもAirtableが使われています。
ECサイト・アプリ・ウェブ制作を素早く
Shopify
https://www.shopify.com/
Shopifyは、ECサイトの構築、運営を行うためのプラットフォームです。ECサイトを簡単に作成し、商品の販売、決済、配送などの機能を提供することができます。
立ち上げに必要な土台作りの必要がないほか、多数のテンプレートが用意されており、これを利用することで時間短縮にも貢献します。6000以上のアプリと連動し、ECサイトの運営に必要な機能がすべて揃っているノーコードツールです。
Bubble
https://bubble.io/
Bubbleは世界的にもっとも人気のあるノーコード開発ツールの一つです。Bubbleを使うことで、プログラミングの知識がなくても、視覚的なインターフェースを使ってWebアプリケーションを作成することができます。
Bubbleは、ドラッグ&ドロップ方式でWebアプリケーションのフロントエンドとバックエンドを構築できるほか、APIの連携やデータベースの操作など、高度な機能も簡単に実現できます。またプラグインを使って、多数の外部サービスとの連携も可能です。
ボイステクノロジーの新たな使い道
2011年に誕生したバーチャルアシスタントSiriに続き、アマゾンのAlexa、Googleアシスタントがボイステクノロジーの先陣を切り開いてきました。
Voiceflow
https://www.voiceflow.com/
Voiceflowは、ボイスアシスタント用のノーコード開発ツールで、Amazon AlexaやGoogle Assistantなどのボイスアシスタントアプリの開発を支援するために設計されました。ボイスアシスタントアプリを開発するために必要なコーディングの知識がなくても、ビジュアルなインターフェイスを使ってボイスアプリを作成することができます。
Otter.ai
https://otter.ai/
Otter.aiは、音声認識技術を利用して自動的に音声をテキストに変換するノーコードサービスです。
ビジネス、教育、ライフスタイルなどの様々な分野で活用されており、ミーティング、インタビュー、講義、ポッドキャスト、Webinarなどの録音された音声を自動的にテキストに変換することができます。Dropbox、IBM、Verizon ConnectなどもOtter.aiを使用しています。
まとめ
2026年までに70億人がスマートフォンを所有すると言われています。その中でアプリやソフトウェア開発も需要が急増するかもしれません。ローコード、ノーコード開発は、将来的なエンジニア不足の解決策となりえるでしょう。
今回ご紹介したツールの多くは無料で始められます。気になるものは、まず触ってみるのがおすすめです。
この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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テキスト:佐藤有那 デザイン:小林沙綾