【2025年Webデザイントレンド最新版】Web制作のプロが大注目する10選まとめ
多彩な表現方法が続々と誕生し、日々進化を遂げているWebデザインの世界。今後はどんなものが脚光を浴びるのでしょうか。
デザインに強みを持つWeb制作会社クーシーが、来年2025年に業界を席巻するであろうWebデザインをいち早くピックアップ! 注目のトレンド10選をご紹介します。Webデザイン業界に携わる皆さま必見のデザインばかりです!
2025年のトレンドを読む前に、「今年は何が流行った? 【2024年のWebデザイントレンド】Web制作会社が注目する10選まとめ」もぜひご覧ください。
1. エクスペリメンタル・ナビゲーション(Experimental Navigation)
まず、前のめりでご紹介したいのは、エクスペリメンタル・ナビゲーションです。従来の静的なメニューやドロップダウン形式のものから一歩進み、ダイナミックで斬新な体験を提供することで、ユーザーを強く引き込むことができる新たなナビゲーションスタイルです。
スクロールに合わせて画像が入れ替わるアニメーションや、突発的な3Dトランジションなど、視覚的に驚きのある要素が特徴的です。現在、海外のクリエイティブサイトやアーティストのポートフォリオで特に注目されています。
例えば、ニューヨークにある
「キャナルストリート・マーケット」の公式サイトでは、ナビゲーションが画面の右から左へスライドするユニークなデザインを採用。写真とテキストを組み合わせることで、ユーザーが直感的に目的のページへ進めるよう工夫されています。
従来のグローバルナビゲーションと比べ、エクスペリメンタル・ナビゲーションはカラフルで印象的な表現を取り入れることができます。そのため、ユーザーの興味を引き付けながらエンゲージメントを高める効果が期待されています。
2. 体験型3Dモデル(Interactive 3D Models)
続いて外せないのが、3Dモデリング技術です。近年の目覚ましい進歩により、2024年には多くのWebサイトで3Dモデルが一般的に採用されるようになりました。
Webサイト内で3Dモデルやアニメーションを活用することで、従来のイラストや写真よりも実物に近いリアルな表現が可能になります。これにより、サイト訪問者は製品やオブジェクトをあらゆる角度から確認でき、まるで実物を目の前で見ているかのような体験をすることができます。
特に2024年に注目を集めたのは、食品関連のWebサイトです。たとえば、「Koffiracha」の公式サイトでは、スクロールに合わせて画面が動き、ボトルが転がる演出が魅力的です。ポップな背景との組み合わせにより、3Dモデリングがさらに引き立つデザインとなっています。
3Dモデルとモーションデザインは、Webデザインにおける強力な表現ツールとしてその地位を確立しています。2024年には奇抜で大胆な3Dモーションデザインが目立ちましたが、2025年にはよりユーザーフレンドリーで洗練されたデザインが主流になると予想されます。これは、ユーザー体験を重視した配慮がさらに進むためと考えられます。
弊社でも、Blenderをはじめとするさまざまな3Dモデリングツールを活用し、日々の制作に取り組んでおります。3Dモデリングに関する情報やノウハウについては、弊社ブログ記事でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください!
ゼロから始めるBlender入門!初心者が覚えると便利な基本操作14選
3. マイクロ・インタラクション(Micro-Interaction)
小さなアニメーションや動きのことを指す、マイクロ・インタラクションも特筆したいトピックのひとつです。規模は小さいものの、ユーザーの動線を誘導したり、操作を分かりやすくしたりする上で非常に重要な役割を果たします。
マイクロ・インタラクションは主に以下の4つの要素に分類されます。
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トリガー
(動作を始めるきっかけ)
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ルール
(動作がどのように進むかを定義するもの)
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フィードバック
(動作の結果をユーザーに伝えるもの)
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ループ
(動作を繰り返す仕組み)
最も一般的な例として、リンクにホバーすると色が変わるといった挙動が挙げられます。このようなアニメーションは現代のWeb制作では当たり前になりつつありますが、アニメーションの精度やユーザー体験を向上させる工夫は年々進化しています。2025年にはさらに高度で直感的なデザインが登場するでしょう。
例えば、アメリカのIT系企業「Delto」のコーポレートサイトでは、ホバーやクリック操作に応じてページが自動的にスクロールする仕組みを採用しています。また、カテゴリーにホバーするだけで関連情報がダイナミックに切り替わるため、ユーザーが必要な情報に簡単にアクセスできる設計となっています。
4. 文字だけのヒーロー画像
仮面ライダーや戦隊もの? いえいえ、ヒーロー画像とはキービジュアルのこと。Webサイトを訪れたユーザーが最初に目にする画面で、第一印象を決定づける非常に重要な部分です。
そのため、離脱率にも直結する箇所ですが、なぜ背景画像を使わずに文字だけを採用する企業が増えているのでしょうか?
現代のユーザーは、毎日多くのWebサイトを目にしており、一般的なヒーロー画像は他のサイトと埋もれてしまいがちです。しかし、背景画像を排除し、目を引くタイポグラフィとキャッチコピーを配置することで、より印象的で記憶に残りやすいデザインを実現できます。
例えば、東京に拠点を置く建築会社「SAISEI」は、ヒーロー画像に会社名の「SAISEI」を大きくシンプルに配置し、スクロールする前は文字しか表示されていません。モダンなフォントと背景の雰囲気が調和し、ユーザーに「この先には何が書かれているのだろう?」という興味を自然に喚起します。
文字だけのヒーロー画像は、ミニマルでありながら強いインパクトを与えるデザイン手法として、今後ますます注目されるでしょう。
5. データの可視化(Data Visualisation)
データの見せ方にも工夫を凝らした手法が生み出されています。
最近では、モーショングラフィックと組み合わせてデータの可視化を目指している海外企業が増えてきているのです。
フランスの歴史を紹介しているサイト「Musée de la Plaisance」では時系列のデータをスクロール式のデザインで表現しています。
データや数字は、文字だけで表現するとどうしても堅苦しく、内容を魅力的に伝えるのが難しいことがあります。そこで、データの可視化にはインフォグラフィックスやグラフが効果的に使用されます。
インフォグラフィックスは、採用サイトやコーポレートサイトなどでよく使われ、企業の魅力や情報を視覚的にわかりやすく伝える役割を果たします。これにより、ユーザーはデータから企業の価値や背景を感じ取ることができるので、企業側はより深く知りたいというユーザーの興味を引き出すことができます。
インフォグラフィックスの活用法!Webサイトのわかりやすい見せ方と作るコツ
6. サステナブルWebデザイン(Sustainable Web Design)
サステナブルな社会の実現を目指す国際目標「SDGs」が定着しつつある中、Webサイトも進化を遂げています。最近では、Webサイト自体が環境に配慮し、省エネ化を目的として制作されるケースが海外を中心に増えています。
サステナブルWebデザインの主な要素は以下の通りです:
-
クリーン
:サービスや利用されるエネルギーが、再生可能エネルギーによって供給されていること。
-
効率的
:サービスや製品が可能な限り少ない資源とエネルギーで提供されていること。
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誠実
:サービスや製品が、利用者を搾取したり、誤解を与えたりする内容ではないこと。
-
再生可能
:サービスや製品が、利用者を搾取したり、誤解を与えたりする内容ではないこと。
例えば、再生可能エネルギーを提供する企業「Good Energy」のWebサイトは、ストーリー性を重視した一見シンプルなデザインですが、運営に使用されているエネルギーは100%再生可能です。このサイトのホームページ1ページあたりのCO2排出量はわずか0.58gで、Google Lighthouseのアクセシビリティスコアは100%、ページの読み込み時間はわずか1.2秒と、非常に優れたパフォーマンスを誇ります。
人と地球に配慮したWebサイト制作は、SDGs達成に向けた取り組みの一環として、今後ますます注目を集めるでしょう。
7. 遊び心のあるカーソル(Playful Cursors)
普段何気なく用いているカーソルにも変化が起きそうです。
海外デザイナーのポートフォリオではユニークなカーソルが多く見られますが、企業サイトに至っては画面を邪魔しないようなシンプルなものが主流となっています。ですが、企業サイトのカーソルも、遊び心あふれるものが多くなっているのです。
というのも、カーソルにはさまざまな工夫をすることが可能だから。シンプルなデザインから、カーソルをトリガーにしたアニメーションを組み込むような複雑なものまで、多様な新しい体験をユーザーに提供できるのです。
ユニークなカーソルを導入することで、ユーザーはサイトを訪問中に楽しい体験を得られます。このことから、結果としてサイトの滞在時間を延ばす効果が期待できます。
例えば、イギリスの害虫駆除サービスを提供する「Pest Stop Boys」のWebサイトでは、カラフルなアニメーションやマイクロインタラクションがふんだんに使用されています。
このサイトでは、画面内を動き回る虫をカーソルで捕まえるというゲーム要素を取り入れており、訪問者にワクワクを提供しています。カーソルのデザインを工夫することで、「害虫駆除」という一見地味なサービスが、ユーザーにとって新鮮で魅力的なものへと変化しています。
8. ダークモード(Dark Mode)
2025年も変わらず人気となりそうなのが、ダークモードです。
昨年の記事でもご紹介したように、ダークモードには実用的なメリットがあります。画面を見る時間が長くなっている現代において、多くの人が懸念している眼精疲労の軽減に役立つ点が注目されています。
デザイン面でも、ダークモードは優れた効果を発揮します。メイントーンを暗くすることで、モダンで洗練された印象を与えられるだけでなく、他のデザイン要素を際立たせることが可能です。
例えば、印象的なデザインで話題になったワッフル専門店「エール・エル」のWebサイトでは、黒い背景の中央にワッフルの画像が配置されています。黒い背景に黒いお皿が組み合わさることで、あたかも商品が浮いているように見え、視線を自然とワッフルに誘導します。この効果的なデザインは、ユーザーの目を引き、商品の魅力を引き立てる役割を果たしています。
このように、ダークモードは実用性に優れるだけでなく、ユーザーの視線や動きを効果的に誘導できるデザイントレンドです。今年も引き続き、多くの企業で採用されることが予想されます。
9. 余白(White Space)
すでに深く浸透しているデザイン要素の余白もまた、トレンドであり続けるでしょう。Webデザインにおける余白とは、画像やテキストなどが配置されていない部分を指し、画面上の情報を整理する役割や、洗練された印象を与える効果があります。
特に近年、「洗練された」「ミニマムな」印象を求める声が、弊社のクライアント様からも多く寄せられるようになっています。このようなデザインを実現するために、余白の効果的な活用が重要です。
大手IT企業「Apple」のWebサイトは、余白を巧みに使うことで知られています。Appleは、画像やテキストを戦略的に配置し、効果的に余白を確保することで、ユーザーの視線を特定の要素に自然と誘導しています。これにより、洗練された印象とプレミアムなブランドイメージを見事に構築しています。
普遍的な魅力を持つ余白を活用したデザインは、根強い人気を誇り続けるに違いありません。
デザインを決める「余白」ルールを理解しデザインスキルの底上げを目指す!
10. パララックス・スクロール(Parallax Scrolling)
最後のご紹介となるのが、没入感のあるブラウジング体験を楽しむことができると評判の、パララックス・スクロールです。
2024年の記事でもご紹介したパララックス・スクロールは、日本語では「視差スクロール」とも呼ばれる手法で、ウェブサイトの背景が前景よりもゆっくりと動くことで、奥行き感や3D効果を生み出します。
実は、パララックスという手法は昔からさまざまな媒体で活用されてきました。例えば、ディズニーのアニメ映画『白雪姫と7人の小人』や、ビデオゲーム『スーパーマリオ』などでもパララックスを活用した演出が取り入れられています。その後、CSSやHTMLの進化により、ウェブデザインの世界でも応用されるようになりました。2025年もこの手法は引き続き人気を集めると予想されます。
例えば、企業向けAIサポートを提供する「Gentlerain」のWebサイトでは、サービス紹介セクションにパララックス・スクロールを活用しています。このサイトでは、従来の上から下へのスクロールではなく、右から左への動きを取り入れることで、より新鮮でユニークな体験を提供しています。
まとめ
最新技術だけでなく、2025年さらに人気が出そうなデザインも加えたトレンド10選をご紹介しました。ご自身のサイトで活用できそうなものがありましたら、ぜひ取り入れてみてください。
来年もWeb制作を進める中で、さまざまな新しいアイデアが生まれるでしょう。弊社もより良いデザインを積極的に取り入れ、他にはないWebサイト制作を目指していきます!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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テキスト:佐藤 有那 デザイン:大坂間 琴美