【提案事例】薬局店舗ページの制作を60%効率化! スプレッドシート活用によるページ自動生成テクニック

Webサイトの制作・運用において、「外注コストを少しでも抑えたい…」といったご要望はありませんか? 特に、複数の店舗情報や製品紹介など、定型的ながらも更新が必要なページ群の管理は、意外と手間がかかるものです。
本記事では、Web制作会社のクーシーが薬局チェーンのWebサイト制作にて工数削減を実現した具体的な工夫をご紹介します。このサイトはWordPressというコンテンツ管理システム(CMS)で制作したのですが、そのコンテンツ管理機能を私たちはあえて使いませんでした。代わりにお客様ご提供のスプレッドシートを活用し、Google Apps Script(GAS) ※ を用いて店舗情報ページを自動生成することで、対象ページの制作工数を大幅削減できたからです。
CMSの一般的な機能だけに縛られない、柔軟な発想と技術力でお客様の課題を解決したクーシーの「提案力」をご紹介します。
※Google Apps Scriptとは、GoogleスプレッドシートやGmailなど、Googleの各種サービスを自動化したり連携させたりできるプログラミング言語です。
WordPressサイトでも「あえて静的化」? クーシーの効率化提案
企業のWebサイト制作においてニュース情報などの新規ページ制作や更新を効率化できるCMSを導入し、効率化をはかるケースが多くあります。今回、クーシーが制作を担当した複数店舗を展開する薬局のコーポレートサイトにおいても、お知らせなどの情報発信機能を考慮し、WordPressを導入しました。
複数の定型ページをまとめて制作できる条件
WordPressは世界的に見ても非常に人気の高いCMSであり、Webサイトを構築するのに必要な機能は十分に備わっています。特に一般的なテキストや画像を掲載するページの更新・管理においては、その利便性を大いに発揮します。
一方で、Webサイト全体がCMSで構築されているからといって、全てのページをCMSの動的な機能で管理することが常に最適とは限りません。特に、一度公開すればその後の更新頻度が低いページや、レイアウトが完全に定型化されたページ群については、あえて静的なHTMLファイルとして作成・管理する方が、制作効率や表示速度の観点からメリットが大きい場合があります。
今回、数十件の薬局各店舗の情報を掲載するページはこれに該当しました。これらのページは、デザインや掲載項目がある程度統一されており、初期制作後は頻繁な大幅更新が想定されないものでした。
クーシーのエンジニアが提案した工数削減策とは?
もちろん、WordPress上で各店舗情報の内容をカスタム投稿タイプなどで一元管理し、更新できる機能を実装することも一つの方法です。しかし、より柔軟で効率的なアプローチを弊社のエンジニアから提案しました。それが、「お客様にご提供いただいたスプレッドシートを原本とし、そこからGASを使って静的なHTMLページを自動生成する」という方法です。
従来の手作業でページを作成した場合20時間程度かかるところ 、GASを活用したHTMLコンテンツの自動生成によってわずか8時間へと大幅に短縮。60%の工数削減に成功しました!
GASの活用でスプレッドシートからHTMLを自動生成する効果とは?
Web制作に詳しい方であれば、「WordPressがあるのに、なぜわざわざGASで?」と思われるかもしれません。しかし、サイト全体の基盤はWordPressで運用しつつも、店舗情報ページ群のような特定の部分だけをGASを活用して静的HTMLを生成する「ハイブリッドな構成」には、確かなメリットが存在します。
店舗情報ページの自動生成がもたらすメリット
このアプローチがもたらした主なメリットは以下の通りです。
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制作コスト・人件費の大きな削減
手作業によるコーディングやCMSへのデータ入力作業が不要になるため、制作にかかる時間とコストを大幅に削減できました。
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納期の大幅短縮
自動生成により、複数ページの作成時間を大幅に短縮。スピーディなサイト公開に貢献しました。
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表示速度の向上+α
静的HTMLとしてページを生成するため、サーバーへの負荷が少なく、表示速度の向上が期待できます。また、シンプルなファイル構成は安定した運用にもつながります。
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顧客提供データを最大限に活用
お客様が既に管理・運用されているスプレッドシートを元とし、そこから直接ページを生成することで、データの二重管理や転記作業の手間をなくしました。
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GASの親和性と自動化能力
GASはGoogleスプレッドシートとの連携が非常にスムーズです。スプレッドシート内の情報を読み取り、定義されたテンプレートに基づいて複数のHTMLファイルを一括で、かつ自動的に生成するプログラムを低コストで開発できます。
スプレッドシート×GASによる自動生成が活きる場面
繰り返しの多いページ作成や大量ページの管理に直面した際、従来は外注の追加や内製チームの増員といった対応が考えられました。しかし、今回のように手作業のコーディングを可能な限り自動化することで、制作効率は大きく向上します。
「スプレッドシートの一覧表」のように、あらかじめ整理された文章や数値の情報を元に、GASを活用すればHTMLとして整形されたページ(またはその主要コンテンツ)を効率的に作成できます。
この考え方は、以下のような場面でも応用できるでしょう。
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定型情報が多い自治体・大学などの公式サイト
例えば、イベント情報の一覧、施設案内、教員紹介など、フォーマットが決まっていて更新頻度が高いページ群に対し、スプレッドシートを元にした自動生成を取り入れることで、担当者の更新作業の負担を軽減できる可能性があります。
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製品情報が多数あるメーカーサイト
製品情報をスプレッドシートで管理しており、各製品ページが比較的シンプルな定型レイアウトで構成されている場合、新製品追加や情報更新の際にこの手法が役立ちます。
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テンプレート化されたキャンペーンLPの量産
月に複数本のキャンペーンLPを制作する場合でも、基本となるテンプレートがあり、テキストや画像の差し替えでバリエーションを展開するようなケースでは、スプレッドシートを情報源として効率的にLPを生成できます。
Web制作・運用はもっと賢く、もっと楽になる! クーシーと見つける最適解
本記事では、WordPressで制作する薬局チェーンのコーポレートサイトにおいて、スプレッドシートとGoogle Apps Scriptを活用し、各店舗情報ページを静的HTMLとして自動生成することで、制作工数を大幅に削減した事例をご紹介しました。
Webサイトの制作・運用は、少しの工夫と適切な技術選定で、もっと賢く、もっと楽にできる可能性があります。
もし、みなさまの会社でもWeb制作・運用に関して何かしらの課題やお悩みをお持ちでしたら、一度クーシーにご相談ください。「うちの会社にはどんな方法が合うのだろう?」「こんなことは実現可能だろうか?」といった疑問に、私たちがこれまでに培ってきた知識、経験、そして柔軟な発想力で、最適な解決策を見つけ出します。

制作実績|COOSY
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