成功するコーポレートサイトのデザインの秘訣を事例で徹底解説!【2024年最新版】
「成功するコーポレートサイト」とは、どのようなサイトでしょうか?成功するコーポレートサイトとは、企業が伝えたいことがユーザーへ瞬時に伝わるデザインが施されたサイトです。
その秘訣は「第一印象」です。実はコーポレートサイトの印象は0.2秒未満で決まるため、サイトデザインが重要な役割を担っていることになります。
この記事では、コーポレートサイト制作を成功に導くために押さえておきたいデザインの秘訣を、事例を交えながら徹底解説します。ポイントを理解した上で、企業の独自性あふれる事例を参考にしながら、具体的なデザイン戦略を立てましょう。
コーポレートサイトデザインの重要性
コーポレートサイトにおけるデザインは、サイトや企業の第一印象を決定する重要な役割を果たします。
またユーザーとのコミュニケーションを構築するだけでなく、企業のブランディングや競合他社との差別化にもつながります。
コーポレートサイトにおけるデザインの重要性について、詳しく見ていきましょう。
デザインの第一印象に対する影響
ミズーリ科学技術大学が行ったアイトラッキング調査(視線追跡調査)では、Webサイトの第一印象が形成される時間は、0.2秒未満であるとされています。第一印象の形成に影響する要素を注視するまでにかかる時間は、約2.6秒だそうです。
このように一瞬で決まる第一印象で好感を持たれるためには、信頼感や親近感など、企業が伝えたい印象が効果的に伝わるデザインであることが必要です。
サイトのカラーやフォントなどデザインを構成する要素は、瞬時にWebサイト全体の印象に繋がります。
特に企業の「顔」となり企業イメージを発信するコーポレートサイトでは、Webサイトの印象が企業の印象となる可能性もあります。
引用:
ミズーリ科学技術大学「Eye-tracking studies: first impressions form quickly on the web」
ユーザビリティを考慮したデザインの必要性
企業が伝えたいことをユーザーに的確に届けるためには、ユーザビリティの設計が必要です。
またユーザビリティにおいて、読みやすいフォントや押しやすいボタン、分かりやすいメニューなどのデザイン設計、サイトスピードや快適でストレスのないサイト設計は好感を持たれます。
コーポレートサイトは企業とユーザーの大切なコミュニケーションの場であり、エンゲージメントの高い顧客獲得の機会にもなる重要な接点です。せっかく企業に興味を持ったユーザーがコーポレートサイトを訪れているのですから、機会損失を生まないよう配慮しながら設計しましょう。
ブランディングにおける役割
従来のコーポレートサイトは、企業の存在をアピールしたり基本的な情報を発信したりすることなどが主な役割でした。しかし近年では企業イメージやブランドを発信するツールとして、大きな役割を果たしています。
そのため企業の理念や活動紹介などのブランディングを意識した特徴的なコンテンツや、企業の独自性が出るコーポレートカラーで統一したデザイン、目的を反映させた統一感のあるデザインが求められています。
情報やデザインなど全体像が一貫しているコーポレートサイトは、企業イメージを強化し、ユーザーの信頼を得るのに役立ちます。
競合他社を上回るデザインの戦略
現代のコーポレートサイトは、競合他社との差別化を図る一手にもなります。
伝えたい企業イメージを明確にし、アピールポイントを絞って具体的にデザインへ落とし込むことで、企業独自の世界観が生まれていきます。
他社を上回るデザイン戦略のキーワードは、ブランディングによる独自性です。
成功するコーポレートサイトデザインのポイント
成功するコーポレートデザインの具体的なポイントについて、事例を交えながら紹介します。
それでは、実際にどのようにしてこれらの重要性をデザインに落とし込むのか、事例と共に具体的なポイントを見ていきましょう。
ポイント① シンプルで直感的なナビゲーション
シンプルで直感的なナビゲーション設計は、ユーザーを迷わず目的のコンテンツページへ誘導させるために必要不可欠です。
具体的なデザインの方法を紹介します。
まずは全てのページにおいて、位置や文言などに一貫性を持たせたナビゲーションを配置することが大切です。一貫性があることによってユーザーが予測でき、操作性が上がります。
また重要な機能やページを目立たせて、優先順位をつけるのも大切です。最もユーザーに伝えたい情報や、ユーザーにとって有益な情報がすぐにわかるようにします。
さらにはユーザーの行動に対して反応を示す箇所を設けます。たとえばボタンなどのリンク箇所をホバーさせたりすることで、より直感的な操作を促せます。
ポイント② 視覚的に魅力的なデザイン要素
視覚的に魅力的なコーポレートサイトは、ユーザーの印象に強く残ります。その大きな役割を果たすのがデザイン要素です。
デザイン要素とは、メッセージを明確に伝える簡潔なコピー、コーポレートカラーやブランドイメージを意識したインパクトのあるビジュアル、独自性のある画像や動画などを含みます。
ポイント③ コンテンツの見やすさと読みやすさ
企業情報や企業イメージの発信を目的とするコーポレートサイトは、正確で分かりやすく、洗練されたコンテンツを掲載することが大切です。
見やすく読みやすい設計になっているか、情報が整理されているか、表示速度や動作速度がスムーズかなど、ユーザーの目線に立って制作しましょう。
ポイント④ ユーザーに寄り添ったコミュニケーションの工夫
ユーザーがサイトを訪れた時にどのような要望を持ち、どのような行動を起こすのかを考えて、導線を設計します。
直接コミュニケーションを取れない画面上だからこそ、全てのユーザーにとって使いやすいサイトを目指していきましょう。
優れた大手企業のコーポレートサイト事例3選
大手企業のコーポレートサイト事例を、3つご紹介します。いずれも企業のブランディングやメッセージがしっかりと反映されたデザインや構成なので、ぜひ参考にしてください。
企業らしさをうまく出した事例
食品大手「カルビー株式会社」のコーポレートサイトでは、じゃがいも畑で契約生産者と撮影した動画をメインビジュアルで流し、コーポレートメッセージである「掘りだそう、自然の力。」を表す企業らしさを演出しています。
動画上のボタンからは、企業が今伝えたいメッセージを展開する特設ページへ遷移できる仕組みです。
「知る・体験する」のページではじゃがいもの生産地や生産者情報、食育プログラムや工場見学の情報を公開し、親しみやすさをアピールしています。
コーポレートサイトでありながらBtoCも意識した見やすい構成で、企業の取り組みやニュース以外にもキャンペーンバナーや商品写真、CM動画など賑やかなコンテンツが満載です。
業界トップ企業のデザイン戦略
化粧品大手「株式会社資生堂」のコーポレートサイトでは、メインビジュアルでミッションを表すコピーと、その想いを表現した写真コラージュを掲載しています。
トップページのコンテンツ数は5つに厳選され、洗練された美しいビジュアルで直感的に操作が可能です。
全体はコーポレートカラーで統一されていて無駄が無く、シンプルで見やすいサイトです。
ユーザーから高評価を受けた企業のデザイン
飲料業界大手「株式会社伊藤園」のコーポレートサイトでは、メインビジュアルを見ただけで企業らしさやメッセージが強く伝わります。
企業の特性やテーマが、コピーなどのテキストや画像や動画といったビジュアルによって明確に表現されているためです。
端的にまとめられたナビゲーションによる回遊性の良さ、マウスホバー時のアニメーションによる操作性の良さも感じられ、使いやすさもあります。
コーポレートサイトデザインにおける最新トレンド
コーポレートサイトデザインの最新トレンドがわかる4つの事例を紹介します。
モバイルフレンドリーなデザイン
愛知県東部から静岡県西部にてスーパーを運営する「デライトホールディングス株式会社」のコーポレートサイトは、レシートを模したビジュアルが特徴的で目を引くデザインが施されています。
モバイル版の表示が優先的に構成されている作りで、テキストや写真などのコンテンツはすべて画面中央のレシート上で縦長に、端的に展開されています。
パソコン版ではホバーアクションによってアニメーションや下線表示が出たりと、操作性を上げる工夫も凝らされています。
レシートに印字されたようなフォント、ナビゲーション開放時に鳴るキャッシャーの開閉音、レジ打ち音のBGMなど細部にまで趣向が凝らされ、サイト全体に一貫性があり面白いデザインです。
ユーザーエクスペリエンスにフォーカスしたデザイン
広告会社「株式会社キャリア・アーク」のコーポレートサイトは、追随型ナビゲーションで操作性を向上させ、行間を空けて文字を読みやすくしています。フォントや色調も統一し、独自の世界観をユーザーに提供しています。
Webサイトにおけるユーザーエクスペリエンス(User Experience)とは通称UXと呼ばれ、読みやすさや分かりやすさなどのユーザー体験を指します。
UXにフォーカスして統一感をもたせたサイトは、ユーザーの満足度が上がるだけではありません。ブランドカラーなどを反映し、自社ならではの体験を提供することで、競合他社との差別化を図る効果が期待できるのです。
ビジュアルコンテンツを活用したデザイン
飲料・食品業界大手「サントリーホールディングス株式会社」のコーポレートサイトでは、コピーとロゴマーク、自社商品の写真、シチュエーション動画が表示されるムービーがメインビジュアルに採用されています。
注目すべきは、マウスポインターを動かすと水の波紋が表示されるアクションです。ユーザーを飽きさせず、ブランディング強化も達成させたビジュアルです。
コーポレートサイトにおいても、ユーザーが「おっ!」と思うような驚きや楽しさが施されたビジュアルコンテンツが増えています。
パーソナライズされたユーザー体験を提供するデザイン
衣料品会社「株式会社ウエスト」と提携した「いわき靴下ラボ アンド ファクトリー」のコーポレートサイトでは、メインビジュアルの線画アニメーションを、5色のカラーチップから変更できる仕掛けが施されていました。
既存のアニメーションをユーザー好みの色合いにできるという体験は、パーソナライズされたユーザー体験の提供となり、企業との距離がぐっと近くなる感覚が味わえます。
「パーソナライズ」とは、ユーザーのニーズに合わせた情報やサービスを提供するという意味合いのWebマーケティング用語ですが、コーポレートサイトにおいてもその傾向が見られます。
必見!コーポレートサイトデザインの成功ノウハウ
コーポレートサイトデザインを成功に導く方法を4つご紹介します。
デザイナーによるアイデアの共有と共感
デザイン制作には、デザイナーによるアイデアの共有とクライアントの共感が大切です。
デザインの決定には複数の案を並べてアイデアを共有し、客観的な意見を取り入れながら決定していきます。
主観的な考えが先行してユーザー目線が欠如しないよう、デザインの意図などをスタッフ内やクライアントに共有し、共感を得ながら精度を高めていきましょう。
定期的な改善と最適化の重要性
コーポレートサイトは一度公開したら完成ではなく、定期的な改善と最適化が重要です。
サイトの公開後、上手くコンバージョン率が上がらなかったり、アクセス数が伸び悩んだりすることがあります。そのような問題が発生した際、原因究明と改善を行いながらコーポレートサイトを軌道に乗せるよう最適化を行いましょう。
また複数パターンを用意し効果を比較する「ABテスト」で検証を行ったり、問い合わせや資料請求などを誘導させる「CTA」ボタンのテキストをわかりやすく改善するなど、デザインやコンテンツの変更も検討しましょう。
ユーザーテストとフィードバックの活用
ターゲットユーザーにテスト利用してもらう「ユーザーテスト」を行い、サイトがユーザーに受け入れてもらえる仕上がりになっているかを調査します。行動分析やフィードバックの結果を受けて、浮き彫りになった課題を改善していきます。
見やすさや分かりやすさ、操作しやすさなどのユーザビリティや、ビジュアル面が想定していた通りの完成度に達しているかを入念に確認し、フィードバックを活用してさらなる質の向上に繋げましょう。
情報の効果的な伝達とストーリーテリング
コーポレートサイトで情報を効果的に伝達する手法のひとつに、物語形式で情報を伝える「ストーリーテリング」があります。
ストーリーテリングを通して企業の価値観や独自性を伝え、ユーザーの共感を生み、企業ブランドの強化や信頼度向上に繋げる考えです。ユーザーの感情を動かす深い印象付けは、長期的な繋がりの構築も期待できるためおすすめです。
コーポレートサイトデザインの成功事例4選
コーポレートサイトデザインの成功事例を、4つのポイントに分けてご紹介します。
売上向上に貢献したデザインの具体的効果
通信機器メーカー「森田テック株式会社」のコーポレートサイトでは、メインビジュアルに自社が取り扱う通信システムの種類を大きく掲載し、自社の特性を分かりやすくアピールしています。
ナビゲーションには各通信システムの説明リンクを用意し、各ページで詳しいスペックまで表示することで、検索キーワードの検索順位を上げました。
興味を持ったユーザーへの次なるアプローチとして「資料ダウンロード」ページを設け、さらに深く訴求し、問い合わせ件数を増やしました。
ユーザーエンゲージメントの向上事例
「ユーザーエンゲージメント」とは、企業の商品やサービスとユーザーとの間における関係性の強さを意味します。
食品メーカー「カゴメ株式会社」は、コーポレートサイトから遷移できるファンコミュニティサイトを運用しています。商品レビューやレシピ投稿のコーナーなどを設置してユーザーとの接点を設け、ユーザーエンゲージメント向上の一助となりました。
デザイン変更によるブランドイメージ向上
食品メーカー「味の素株式会社」のコーポレートサイトリニューアルでは、コンテンツの集約や回遊性を高めるナビゲーションへの変更など、ユーザーエクスペリエンスを高める工夫がなされました。
また企業の考えや取り組みを紹介するページを新規で設け、企業のブランディングを強化しています。
デザイン戦略がもたらした成果と結果
バネ製造を行う町工場「株式会社旭スプリング製作所」のコーポレートサイトでは、ターゲットを一般の方や制作会社に設定し、デザインをリニューアルしました。
メインビジュアルには自社で製造している珍しい色合いの商材写真を使い、単品オーダーにも対応している旨を記載して、独自性をアピールしています。
町工場ならではの親しみやすさをブランディングし、問い合わせしやすさを向上させた結果、望んでいた制作会社や想定外の業種からの問い合わせも増えました。
コーポレートサイトにおける効果的なKPIの設定
「KPI」とは「Key Performance Indicator」の略称で、「重要業績評価指標」とも呼ばれます。
似た言葉で「Key Goal Indicator」の略である「KGI」、いわゆる「重要目標達成指標」があります。これはコーポレートサイトが最終的に達成したい成果で、KPIはKGIに対する中間目標や指標を表します。
効果的なKPIの設定によってコーポレートサイトへの客観的評価が可能となり、改善すべきポイントが明確になります。
サイトの目的によってKPI項目は異なります。
たとえば企業の認知度向上を目的であれば、「アクセス数」をKPIに設定します。サイトに対するユーザーの満足度測定を目的とする場合は「滞在時間」、問い合わせや資料請求の回数増加が目的なら「コンバージョン率」をKPIに設定します。
ほかにもさまざまなKPI項目がありますが、ここでは一般的なものを説明します。
アクセス数や滞在時間の分析と向上策
アクセス数とは各ページの閲覧数で「PV」数とも呼ばれ、サイトの集客状況把握に役立ちます。滞在時間とはユーザーがサイトに滞在している時間で、回遊率や直帰率にも関連するものです。
主に使われるのが「Googleアナリティクス」というツールです。定期的に数値を確認し、向上策を検討しましょう。
コンバージョン率の改善とカスタマージャーニーの想定
「コンバージョン率」とはサイトごとに定めた目的の成果率のことで、コーポレートサイトであれば資料請求数や問い合わせ数などの割合を指します。
「カスタマージャーニー」とはユーザーが企業の商品やサービスを知り得た後、実際に利用する意思決定を行うまでの体験を「旅」としてなぞらえたものです。
コンバージョン率の改善には、カスタマージャーニーの可視化が欠かせません。コーポレートサイトではユーザーが意思決定に至るまでにさまざまな接点を設け、ユーザーの行動や意識を想定し、コンバージョン率に繋げていきます。
ソーシャルメディアとの連携戦略
ソーシャルメディアとの連携戦略を行う場合は、独自に具体的にKGIを設定し、ソーシャルメディアの特徴に合わせたKPIを設定します。
KPI項目はフォロワー数やリーチ数、コメント数や再生回数など、各々のプラットフォームによって異なります。効果測定方法もプラットフォームによって異なるので、慣れておくとよいでしょう。
ユーザーからの評判とフィードバックの可視化
KPIはKGI達成への数値目標ではありますが、それだけがゴールではありません。
KPIの達成によって実際にユーザーからの評判が向上したか、具体的な商談件数といったビジネスに繋がっているか、という点が最も重要です。
KPIの設定後はしっかりとPDCAサイクルを回します。随時フィードバックを可視化して共有しながら修正を繰り返し、コーポレートサイトが担う目標に近づいていきましょう。
まとめ
成功するコーポレートサイトは視覚的に魅力があり、企業のアイデンティティが感じられ、分かりやすいデザインが施されているという特徴があります。
さらにはユーザーと深いコミュニケーションを取って満足度を上げたり、コンバージョンに繋がる接点を作る工夫も大切です。
実際の事例を参考にしながら、自社の目的を達成できるコーポレートサイトはどのようなデザインが適しているか、検討していきましょう。
この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
お問い合わせはこちらから
Web制作デザイン、丸ごとお任せ
お問い合わせする
テキスト:クーシーブログ編集部 デザイン:小林 沙綾