Web集客を始める前に!顧客のスイートスポットを見極めて好スタート
これまでWebに力を入れていなかった企業が、「これからWeb集客に投資するぞ」と急速にWebシフトするケースが増えてきています。
ブログ・SNSやりたい、リスティング広告でCV増やしたい、何から始めたらいいかわからない等、企業によって意向はさまざま。しかし、企業規模・業種業態に限らず類似点があります。
その類似点は、多くの企業が『自社の顧客、商品・サービスについて整理できていない』ことです。
今回は、Web集客をはじめる前にファーストステップとして顧客理解・事業理解をおこなう話をしたいと思います。
Web施策の前に事業理解が必要
Webサイトをリニューアル、ECで商品を提案、LP制作、広告配信などターゲットユーザーに何かを伝える接点の施策はたくさん挙がりますね。
しかし、どんなメッセージをユーザーに届けるといいかノーアイディアな人が意外にも多いのです。Webが苦手なのでわかりません、という方もいらっしゃいます。
Webを使ってターゲットユーザーに情報を届け、商品やサービスを買ってもらおうとしているが、どうやったら売れるかわからない。このような状況はWeb以前の問題が大きいです。
たいていは、顧客や事業についてうまく整理できていません。
Web集客をこれからはじめる企業には、Web集客の前にマーケティングの上流設計が必要なのです。
顧客や事業について言語化することがポイント。
顧客の課題や動機は何か?
ここからスタート。
定量調査を実施している企業が多くないので、顧客が抱えている『不』がなにか不明瞭なこともあります。「不便」「不満」「不安」「不信」など。
たとえば下記のような質問の答えを整理してみましょう。
- 顧客は何に課題をもって、解決策を探しているか?
- 顧客が解決策を探しはじめた動機は何か?
- 顧客が課題解決するために今利用している代替策は何か?
すべては顧客理解がスタートラインです。
顧客課題への対応
顧客の課題や動機が整理できたら、次は自社の対応範囲を確認しましょう。
- 対応している課題は何か?
- 未対応の課題は何か?
- 自社が提供する解決策と提供価値は何か?
- 未対応の課題に対して、これから対応できるものはあるか?
競合と差別化要因
ほとんどのマーケットには競合が存在します。
ここではPoint of Parity(ポイント・オブ・パリティ)とPoint of Difference(ポイント・オブ・ディファレンス)を押さえましょう。
Point of Parityとは、商品やサービス、ブランドが独自ではないが、マーケットで必須の要素です。マーケット内ではずしてはいけない要素で競合と共有される連想なので、競合との類似点でもあります。
Point of Differenceとは、商品やサービス、ブランドがもつ特有の要素。競合にはない差別化ポイントです。
上記を踏まえて下記を整理しましょう。
- Point of Parityは何か?
- Point of Differenceは何か?
- 両者のポイントのうち、自社の顧客課題に対応する価値は何か?
- 両者のポイントのうち、優先して届けるべき内容はどれか?
- 顧客のブランド選好度に影響が大きい要素は何か?
- 競合優位性となる要素は何か?
多くの企業から差別化ポイントを聞きますが、客観的には差別化でもなんでもないことが見受けられます。
いま一度、自問自答することを勧めます。
『その差別化ポイントは本当に顧客が求める価値なのか?』
『自社商品・サービスはMust Have(マストハブ)な存在か?』
顧客とのタッチポイント
Web集客をおこなうにあたって、事前に考えなければならない1つがタッチポイント(顧客接点)です。集客手法や施策は多々ありますが、業界や企業によって適した選択でなければ機能しません。整理するポイントは下記。
- 顧客はどのように課題解決を探索しているか?
- 顧客とのタッチポイントはどこか?
- タッチポイントにおける競合状況はどうなっているか?
SNSで集客したいといったアイディアを聞きますが、SNS経由であなたの商品・サービスを購入まで至る確率は高いのでしょうか?SNSがフィットしない業種なのに、SNS運用を頑張っても報われません。
最初は顧客行動にあったタッチポイントに絞ることが重要です。
情報収集〜購入までの間で購入につながりやすいタッチポイントを選ぶと、売上に影響しやすく投資対効果を上げやすいでしょう。顧客がどのように行動しているかカスタマージャーニーを描いてみるのもオススメです。
顧客の知覚・イメージ
顧客接点となる広告やWebサイトで、自社の商品やサービス、ブランドについて、どんな言葉やイメージで情報を届けるといいか検討しましょう。
- 顧客は、商品やサービス、ブランドの特徴やベネフィットをどのように知覚しているか?
- 顧客にどのように知覚されたいか?
- 機能的ベネフィットと情緒的ベネフィットは何か?
- どんな言葉やイメージを届けるか?
最終的には、言葉のもつイメージや画像や動画で、顧客にどのように意味づけされるといいのか狙いを定めましょう。
またWebでは言葉選びによって興味を持たれやすくクリック率/コンバージョン率が高くなる影響があります。言葉選びや表現の工夫が、広告やサイトでポイント。狙った意味付けがされた顧客のコンバージョン率は高くなるでしょう。
言語化した要素から顧客のスイートスポットを見つける
ここまで顧客や自社、競合について言語化してきた要素は多種多様だと思います。すべてが顧客に響くものとは限りません。
言語化した要素の中から、顧客のスイートスポット(最適な点)にヒットする要素を絞り込むことが重要です。
スイートスポットの要素を見極め、広告やコンテンツ、デザインなどにアウトプットすることではじめてWeb集客を好スタートできます。要素を整理できていない商品、サービスでWeb集客しようとすると苦しい結果になる可能性が高いのではないでしょうか。
おわりに
せっかくWeb化に力をいれようと意思を決めても、思ったように展開できない進め方で結果が出ないのではもったいないです。いい商品、サービスがあるのに顧客への届け方で損している企業は後を立たないです。
売れる施策を盲信する前に、言語化し、顧客のスイートスポットがどこか見極める時間をつくってみてください。これから先、長期的に影響する大切なことですね。
この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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長谷川