採用ブランディングは採用サイトを起点に「育てる」! 未来の採用活動をデザインする秘訣

本記事では、採用サイト制作・運用から企業の持続的な成長を育む採用ブランディングのポイントを解説します。
ところで、ブランディングに知見をお持ちの方なら、ツールである「Webサイト」で「ブランディング」まで結びつかないのではないかと疑問に思われるかもしれません。実際、多くの企業にとって、Webサイトは企業やサービス情報を掲載するツールと捉えられがちです。
しかし、本記事の立場は異なります。戦略的に構築・運用する採用サイトは、採用ブランディング施策の中核を担い、ひいては組織と事業そのものを動かす力強い「戦略」となり得るのです。
本記事では、大手企業の採用サイト制作の実績を持つWeb制作会社のクーシーが、採用ブランディングの特徴、期待できる効果、そして採用サイトの制作・運用を通じてブランドを構築し、「育てる」ための具体的な方法を解説します。
採用ブランディングとは、理想的な求職者を引き寄せる仕組みづくり
採用ブランディングとは、一言で言えば「理想的な求職者」が自社の魅力に共感し、自然と集まってくる「仕組み」を戦略的に構築・運用していく活動全般を指します。それは、単に企業の知名度を上げることや、一時的に応募者数を増やすこととは一線を画します。
ブランディングはどのフェーズの企業でも始められる
「ブランディング」と聞くと、大手企業や一部の先進的な企業だけが行う特別な活動のように感じるかもしれません。しかし、採用ブランディングは、企業の規模や成長フェーズに関わらず、どの企業でも取り組むことが可能です。なぜなら、自社の持つ独自の強みを見つけ出し、それを活かせる「戦う場所」を市場から選び抜き、メッセージや体験に一貫性を持たせるという、普遍的な戦略だからです。
もちろん、やみくもに施策を打てば良いというわけではありません。自社の現状を分析し、ターゲットとなる求職者を深く理解し、現状と理想を紡ぐ戦略と提供価値を真剣に考える。つまり、戦略的に「頭を使う」ことが成功の鍵となります。
最も大切なのは一貫した「コンセプト」
採用ブランディングを推進する上で、最も重要と言えるのが「コンセプト」の一貫性です。企業の存在意義や提供価値を求める人物像に届けることに最適化したコンセプトを策定し、採用活動のあらゆる側面にそれを反映させる。この一貫した姿勢こそが、求職者のロイヤリティ(忠誠度や共感度)を高めることに繋がります。
コンセプトに忠実な採用活動を行うメリットは明確です。まず、募集段階から企業の理念や文化に共感する求職者が集まりやすくなるため、採用のミスマッチを大幅に減らし、マッチング精度を高めることができます。
逆に言えば、しっかりとしたコンセプトが定まっていないと、どうしても表面的な待遇や細かなテクニックに頼った採用活動になりがちで、結果として「本当に欲しい人材」との出会いを遠ざけてしまいます。
そして、その採用活動の基礎、つまりコンセプトの源泉となるのが企業理念です。
「自社は何のために存在するのか?」
「社会に対してどのような独自の価値を提供していくのか?」
これらの問いに対する明確な答えこそが、共感を呼ぶ採用ブランディングをはじめる出発点となるのです。
採用ブランディングの効果とは?
戦略的に採用ブランディングに取り組むことで、企業は具体的にどのような効果を期待できるのでしょうか。まず、多くの企業が抱える採用課題から見ていきましょう。
4つの代表的な採用課題
- 応募者数を増やしたい(母集団形成、認知拡大)
- マッチングした求職者と出会いたい
- 内定承諾率を高めたい
- 離職率を減らしたい
これらの課題を、遠回りでも効果的に解決する糸口となるのが採用ブランディングです。
採用ブランディングがもたらす好循環
なぜ採用コンセプトの設計など遠回りな採用ブランディングが採用課題を「効果的」に解決できるのでしょうか。そのポイントは、事業を動かす「人」を起点に好循環をもたらすのが採用ブランディングだからです。
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理念への共感:
企業の理念やビジョンに深く共感した求職者が集まることで、入社後のエンゲージメントが高まり、定着率の向上につながります。
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採用コストの削減:
ミスマッチが減り、ターゲット人材からの直接応募が増えることで、求人広告費や人材紹介手数料などの採用コストを長期的に削減できます。
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事業を牽引する人材の獲得:
高いモチベーションと共感を持って入社した人材は、早期に戦力となり、主体的に事業成長を牽引する存在へと成長する可能性が高まります。
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事業成長の加速:
結果として、質の高い人材が定着し活躍することで、企業全体の生産性が向上し、持続的な事業成長が加速します。
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社内ブランディングへの波及:
さらに、採用ブランディングの過程で明確化された企業の魅力や価値観は、既存社員にも再認識され、組織全体の価値観や行動方針をまとめる社内ブランディング効果も期待できます。
では次に、もう少し具体的に採用サイト制作・運用による、各フェーズの採用ブランディングの重要性とポイントを解説しましょう。
制作:組織を動かす「エンジン」としての採用サイト
採用ブランディングの核となるコンセプトを磨き上げ、求職者の心に届ける具体的な「カタチ」にするのが、採用サイト制作です。私たちクーシーがクライアントのみなさまからご相談いただく際、まずお伝えするのが「何を、誰に、どう伝えるか」という採用サイトにおけるコンテンツの本質を最重要視することです。
その理由からまずはご説明しましょう。
採用サイトは「コンテンツが命」と言われるわけ
少子高齢化が進み続ける中、さらに昨今は企業が「選ぶ」のではなく求職者に「選ばれる」という売り手市場となっています。企業と求職者が適切に「選び合う」ためにも、採用サイトはお互いの理解を深める重要なメディアであり、その中核を担うのが「コンテンツ」です。
採用サイトのコンテンツでは、求職者が本当に知りたい情報(失敗や課題も含め)、共感できるストーリーを、誠実に、そして魅力的に伝えることが重要です。詳細は、採用サイトのコンテンツ制作・運用のポイントを網羅した「【採用サイトのコンテンツ例20選&チェックリスト10選】事例に学ぶ! 効果を高める企画・制作のコツ」をご覧ください。

【採用サイトのコンテンツ例20選&チェックリスト10選】事例に学ぶ! 効果を高める企画・制作のコツ
採用サイトから企業文化を醸成し、組織を動かす
採用サイトの制作プロセスは、実は求職者だけでなく、企業内部にも大きな影響を与える「仕掛け」となり得ます。
例えば、社長の想いや事業の根底にある価値観を言語化し、採用コンセプトに落とし込む作業。これは、企業の「あるべき姿」を再確認し、社内に向けてもその方向性を明確に示すことにつながります。
また、社員インタビューや座談会といったコンテンツの制作を通して、社員一人ひとりが自身の業務や働きがいを見つめ直す機会が生まれます。このプロセスは、社員の当事者意識を育み、エンゲージメントを高める貴重な体験となるはずです。
Web制作会社として私たちは、いわば第三者の視点からこうした「内なる声」を引き出し、客観的に整理し、共感を呼ぶ形で表現するお手伝いをします。詳細は、採用サイトの企画戦略から制作会社選びまで、各フェーズで押さえるべきポイントを網羅した「採用サイト制作のポイントは91のチェック項目で一挙に把握!」をご覧ください。

採用サイト制作のポイントは91のチェック項目で一挙に把握! 失敗しないための実践マニュアルをお届けします
運用:誠実かつ継続的な発信こそが信頼の基礎
採用サイトは、公開したら終わりではなく、むしろそこから「育てる」ことで採用ブランディングにつながります。なぜなら、求職者は企業の「今」を知りたがっており、継続的な情報発信こそがそのニーズを満たすからです。
たとえ事業が順風満帆ではない時期であっても、企業がどのような課題に向き合い、どのように事業を維持運営しているのか、その過程を誠実に発信し続けることは、非常に大きな意味を持ちます。もちろん、ポジティブなニュースや成果を積極的に伝えることは重要ですが、時にはネガティブに見える情報や直面している困難についても、真摯な姿勢で説明責任を果たす企業は、求職者からの信頼を得やすくなります。
誠実かつ継続的な発信こそが、短期的な応募者数獲得に留まらない、持続的な採用ブランディングの実現に不可欠な取り組みと言えるでしょう。

採用サイトの効果的な運用方法7選! 短期と中長期の成果をもたらす秘訣とは?
成功事例:パーソルホールディングス株式会社の採用サイト制作
採用サイトを起点とした採用ブランディングが、いかにして企業の成長を促し、理想の人材との出会いを生み出すのか。ここでは、私たちクーシーが制作から運用の連携まで視野に入れ、お客様と共にブランド価値を「育てていく」ことを目指した、パーソルホールディングス株式会社の採用サイトリニューアル事例をご紹介します。

リニューアル前の課題:変化への対応と、特に高度テクノロジー人材への訴求力強化
リニューアル前の採用サイトでは、以下のような課題を抱えていらっしゃいました。
- 会社や採用状況の変化に対応できていない
- サイト上の各種情報への導線がユーザー視点になっていない
- メッセージ性やストーリー性が弱く応募が喚起されにくい
これらの課題は、多くの企業が直面する可能性のあるものです。
採用サイトが単なる情報掲載の場に留まってしまうと、企業の「今」を伝えきれず、理想の人材との出会いを逃してしまうことにつながりかねません。
解決策の提案:「コンセプト」を核とした情報設計と、共感を呼ぶデザイン
私たちは、これらの課題を解決するために、まずパーソルホールディングスが大切にしている「働いて、笑おう。」というスローガンと、その根底にある企業理念、そして求める人物像を深く理解することから始めました。そして、それを採用サイト全体の企画設計をまとめる「コンセプト」として再定義し、情報設計とデザインの両軸から具現化していきました。
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「何を、誰に、どう伝えるか」を突き詰めた情報設計:
コンテンツの主役として、パーソルならではの「働きがい」や「多様な個性が輝ける企業文化」、そして「求めるプロフェッショナル像」を据え、求職者が知りたい情報を、最も共感を呼びやすいストーリーラインで再構築しました。
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「らしさ」を体現し、記憶に残るデザイン戦略:
策定したコンセプトを軸に、パーソル「らしさ」を際立たせ、求職者の記憶に残るWebデザインを目指しました。そこで私たちが考案したのが、「微笑む口元」をモチーフとしたシェイプデザインです。多様なカラーとパターンで表現されたこのモチーフは、求職者の多様な個性を大切にし、それぞれの「はたらいて、笑おう。」を実現しようとするパーソルの姿勢を象徴しています。
成果と反響:組織を動かす「エンジン」として
このリニューアルを通じて、採用サイトは、求職者がパーソルホールディングスの企業文化や働く実態を深く理解し、共感し、そして「ここで働きたい」と感じていただけるような、まさに採用サイトから採用ブランディングにつながった成功事例だったのではないかと思います。実際、パーソルホールディングス社内からも採用サイトの新たな出来栄えに大変好評いただきました。
この事例は、採用サイトが単なる情報発信ツールではなく、企業の理念を体現し、社内外にポジティブな影響を与え、ブランド価値を「育てる」ための戦略的なメディアとなり得ることを示しています。

パーソルホールディングス株式会社
採用サイトを「未来への投資」に。一歩先をゆく採用ブランディングを実現しませんか?
採用サイトによるブランディング施策で重要なのは、一貫した「コンセプト」に基づき、求職者の心に響く「コンテンツ」を誠実に、そして「継続的」に発信し続けることです。採用サイト制作の過程で企業の理念やビジョンを見つめ直し、社員を巻き込むことは、社内ブランディングにもつながります。そして、事業状況の良し悪しに関わらず、誠実な情報発信を続ける姿勢こそが、求職者からの揺るぎない「信頼」を築き上げます。
Webサイトでブランディングに取り組む、ということ。
採用サイトにおけるこれらの取り組みは、実はより広範な「Webブランディング」の考え方にも通じます。企業がWebサイトを通じて顧客や社会とどのような関係性を築き、どの立場からどのように価値を提供するのか。その本質を問い直し、一貫したメッセージと体験をデザインしていくことが、デジタル時代において企業が選ばれる鍵となります。

Webブランディング入門ガイド:記憶と好みに働きかける前準備とは?
未来の資産になる採用サイト制作はクーシーにお任せください。
採用サイトは、企業の成長と共に「育てる」ことでその価値は増し、さらに未来の事業を担う人材との出会いを生み出す、まさに「未来への投資」と言えるでしょう。
私たちクーシーは、さまざまな事業や目的の採用サイト制作に携わり、そのブランド価値向上を支援してきました。採用ブランディングの戦略立案から、心に響くコンテンツ制作、そして長期的な視点での運用サポートまで、お客様の戦略的パートナーとして伴走します。これまでの実績詳細やプロジェクトストーリーは、こちらの制作実績ページから、またサービス内容はこちらのページをご覧ください。
「自社の魅力を最大限に伝えられる採用サイトを作りたい」
「採用活動を通じて、組織全体のエンゲージメントも高めたい」
「未来の成長を見据えた、本質的な採用ブランディングに取り組みたい」
そのような想いをお持ちでしたら、ぜひ一度、下記のお問い合わせフォームからクーシーにご相談ください。お客様の事業の未来をデザインする採用ブランディングの実現をサポートします。
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テキスト:青山 俊之 デザイン:大坂間 琴美