ブランディングとは?Webにおけるブランディングの注意点も解説
この記事ではブランディングについて解説します。
ブランディングの重要性はすでに多くの方が理解されていると思います。しかし「どうすればブランディングができるのか」はイメージしにくいのではないでしょうか。
本記事を読むと以下のことがわかります。
- そもそもブランドとは何か
- ブランディングで押さえるべき2つのポイント
- ブランディングのやり方
- Webにおけるブランディングの実践方法
「そろそろブランディングに取り組んでみよう」とお考えの方はぜひ読んでみてください。
ブランディングとは?
ブランディングとはブランドを作るために行われる活動全般のことです。
そもそもブランドとは、消費者によって認知される企業価値やイメージのこと。「牛丼といえば?」「引っ越しといえば?」で思い浮かんだ企業やお店の名前はありませんか? 思い浮かんだのであれば、それはブランディングの効果です。単に認知を高めるだけでなく、必要な時に「第一の選択肢」として思い出してもらえるので消費者から選ばれやすくなります。
「ブランド=高級品」と思われがちですが高級品である必要はありません。消費者にとってオンリーワンの価値がある存在。それがブランドです。
なぜブランディングが必要なのか?
ブランディングに成功すると競争力が高まります。他社とはまったく別の基準で消費者から選ばれ続ける存在になるからです。
他と比べられることなく選んでもらえるため、中長期的に高い費用対効果が得られます。この状態を作るためにもブランディングが必要です。
たとえば「パソコンを買うなら絶対Mac!」という人がいます。かなり値上げされたにもかかわらず選ばれ続けるのは、機能面だけでなくAppleの思想やMacを使う人に対するイメージがユーザーにとって好ましいものだからです。これによりユーザーにとって唯一の選択肢となります。
ブランディングに成功すると集客・販促などがしやすくなります。売れる仕組みを成熟させる上で必須の活動と言えるでしょう。
ブランディングの2つのポイント
ブランディングにおいては「独自性」と「一貫性」が重要です。この2点を押さえないとブランドといえるものができません。詳しく見ていきましょう。
独自性
独自性とは「競合との明確な違い」です。差別化と言い換えてもいいでしょう。違いがあるだけでなく、その違いが消費者にとっての価値になっていることが重要です。
たとえばコーヒーショップ。チェーン店から個人経営のものまでたくさんありますが、独自性をもつお店はユーザーにとって特別なお店として存在感を発揮します。
お店に来るお客さんの目的はさまざまです。話をしに来る人もいれば作業をしに来る人もいます。お店によっては店長さんと話すことが目的の場合もあるでしょう。お客さんにとって「ここでしか体験できない価値」をサービスとして提供することが独自性となります。
一貫性
ブランディングにおいてはあらゆる情報発信が「イメージ通り」であることが重要です。
例としてAppleを挙げましょう。一般的にAppleは以下のようにイメージされているかと思います。
- おしゃれ
- 洗練されたデザイン
- スマート
- シンプル
- 時代の最先端
これらのイメージは私たちが「Apple」に接するたびに感じられます。
- Apple製品を使うとき
- Apple製品を使っている人を見たとき
- Appleの実店舗を訪れたとき
- 実店舗でスタッフの接客を受けたとき
- Appleのホームページを見たとき
思い返してみると、すべての体験がイメージ通りであるはずです。一貫して思ったとおりだからこそ、ブランドのイメージとして顧客に定着していきます。
ブランディングのやり方
ブランディングの基本的な流れは以下の通りです。
- 自社の現状を分析する
- ユーザーからのイメージを調べる
- 競合と比較する
- 自社の取るべきポジションを決める
- ブランドアイデンティティーを決めて実践する
順番に見ていきます。
自社の現状を分析する
自社の現状を分析し把握します。就職活動で自己分析ができていないとアピールができないのと同じです。自社のブランドを印象付けたいのであれば、まずは自社のことをよく知るところからです。
- 扱っている商品
- 売れているもの・売れていないもの
- ミッション・バリュー
- 市場での強み・弱み
- 商品・サービスのコンセプト
以上のようなポイントを洗い出します。
現状分析は自社の「現在地」を知る作業です。基点が分からなければ進むべき方向が決められません。自社を分析してまずは大まかに現在地を決めましょう。
ユーザーからのイメージを調べる
企業側が打ち出しているイメージと消費者が持つイメージはズレているかもしれません。そこでユーザーにとって自社はどんなイメージなのか調べます。これまでにいただいたお客様の声が使えるほか、新たにアンケートを実施するのもいいでしょう。
一番のおすすめは、お客様にインタビューして直接聞いてみることです。現在のイメージだけでなく今後期待していることまで話が出るかもしれません。手間はかかりますがユーザー側とのギャップが明らかになり、現在地を正確に把握することができます。
競合と比較する
競合他社と自社の違いを明らかにします。比較する観点は以下の通り。
- 商品の性能
- デザイン
- 流通経路
- ターゲット
- 販促活動
- 価格
- 営業体制 など
比較した上で自社と他社の強み・弱みを抽出します。このとき比較する軸を2つ決めると自社と他社の現在の立ち位置がわかりやすくなります。
2つの軸は地図でいえば方位のようなものです。東西南北が決まることでそれぞれの位置関係が表しやすくなります。
自社の取るべきポジションを決める
自社と他社の現在位置がわかったところで、これから取るべきポジションを設定します。
顧客にどんなイメージを持ってほしいかを念頭に置き、マップ上でどこにポジションを取るのかを決めましょう。この作業は視覚化してあるとやりやすいので、以下のようなマップを用意してやるのがおすすめです。他社の現在地と自社が目指したい理想、そしてユーザーが持っているイメージを踏まえて、これから取るべきポジションを設定してください。
ブランドアイデンティティを決めて実践する
ポジションが決まったら、ブランドが目指す姿を簡潔な言葉で表します。いわゆる「ブランドアイデンティティ(BI)」です。
自社の社員はもとより、消費者にもわかりやすい言葉で表現するのがポイントです。これがブランドの「一貫性」を生み出す核になります。
ふたたびAppleを例に挙げます。Appleのブランドアイデンティティといえば「Thnik Different」でしょう。スティーブ・ジョブズが世界を変えた偉人たちについて語るだけ、という97年の斬新なテレビCMは見る人に強い印象を残しました。偉人たちに企業イメージを重ねたのです。
この「Think Different」は今やただのAppleユーザーである筆者も覚えているくらい、広く知られています。普段使っているAppleの製品、無駄のないパッケージ、ホームページ、スマートな接客対応などから「Think Different」を感じ取ってきたのでしょう。
このようにBIを核としてあらゆる施策を企画し実践していくことで、BIが顧客に認知されていくのです。
【基礎解説】企業価値を高めるコーポレートアイデンティティとは?
ブランドアイデンティティを具現化する「企業活動」と「デザイン」
BIを具現化するのは、主に「企業活動」と「デザイン」です。
企業活動は対外的に行われるものですが実践するのは内部の人間です。したがってBIの社内への浸透も重要となります。社員教育などは内向きのブランディングと言えるでしょう。
デザインはホームページのほか、あらゆる印刷物、店内のディスプレイ、店員の服装や接客姿勢などで表現されます。お客様からは「かっこいい」「おしゃれ」などなんとなく意識されるところですが、与える印象は大きいです。
Webでブランディングを実践するには?
最後にWebにおけるブランディングの実践方法についてお伝えします。
基本的な流れは前述したものと同じですが、分析・実践の対象がWebサイトをはじめとするオンラインメディアになります。BIを各メディアでどう表現するかがポイントです。
Webサイトの場合、サイトに訪れたユーザーにどんな体験をしてもらえばBIが伝わるのかという視点で戦略を立てます。これを実現できるように、Webサイトのデザインを制作しサイトを構築していくのです。
カラーやフォント、レイアウトなどの見た目はもちろんですが、情報設計も必要です。ユーザーが目的を達成しやすいサイト構成を考えます。
WebサイトだけでBIは伝わらないでしょう。ゆえにあらゆるメディアで一貫して表す必要があるのです。
まとめ
以上、ブランディングについてお伝えしました。ここまで読んだあなたはおわかりかと思いますが、ブランドは気づいたらできあがっているものではありません。意図して作りあげていくものであり、継続的な取り組みが必要です。長期的な計画を持って、組織的に取り組まれることをおすすめします。本記事でご紹介したやり方が参考になれば幸いです。
商談につながる会社紹介資料の作り方!【構成がポイントです】
この記事を書いた人
クーシーブログ編集部
1999年に設立したweb制作会社。「ラクスル」「SUUMO」「スタディサプリ」など様々なサービスの立ち上げを支援。10,000ページ以上の大規模サイトの制作・運用や、年間約600件以上のプロジェクトに従事。クーシーブログ編集部では、数々のプロジェクトを成功に導いたメンバーが、Web制作・Webサービスに関するノウハウやハウツーを発信中。
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テキスト:加藤久佳 デザイン:大坂間琴美