コンテンツSEOとは?メリットや注意点、基本フローまで解説

最近はSEOというと、コンテンツSEOがSEO戦略の中心となるほど重要性があがっています。みなさんのWebサイトがGoogleに評価されるためにはコンテンツが重要なのです。
この記事では、主に以下を解説します。
- コンテンツSEOとは何か
- コンテンツマーケティングとの違い
- コンテンツSEOの特徴やメリット
- 基本的なフロー
- 評価されるコンテンツを作成する方法
- SEO分析方法
コンテンツSEOとは?
そもそもSEOとは“検索エンジン最適化”の略で、GoogleやYahoo!など検索エンジンの検索結果ページにWebサイトを表示するための手法です。
日本の検索エンジンはGoogleとYahoo!Japanがありますが、Yahoo!Japanの検索エンジンはGoogleと提携してGoogleのアルゴリズムを利用しています。そのため、SEOは実質、Googleに対して最適化することですね。
コンテンツSEOは、ユーザーがある特定のキーワードで検索したときに、ユーザーの課題や疑問を解決する有益な情報コンテンツを届け、その結果、Googleの評価が上がり検索結果で上位に表示されるSEO手法です。
ただ言いたいだけの長い文章を書き上げたからと言っても、検索順位は上がりません。ユーザーが検索するときに、キーワードに込めた検索意図に合った情報を提供するから、検索上位に表示されるのです。
コンテンツSEOと混同されるコンテンツマーケティングとの違い

コンテンツSEOと並んで出てくる言葉が、「コンテンツマーケティング」。
コンテンツマーケティングを生み出したといわれる米国のCONTENT MARKETING INSTITUTEでは、コンテンツマーケティングの定義を下記のように説明しています。
(引用)CONTENT MARKETING INSTITUTE
Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.
【和訳】
コンテンツマーケティングは、明確に定義されたオーディエンスを惹きつけ、維持するために、価値があり、関連性があり、一貫性のあるコンテンツを作成し、配信することに焦点を当てた戦略的なマーケティングアプローチであり、最終的には、収益性の高い顧客行動を促進します。
コンテンツSEOと同様、価値あるコンテンツを届けることは同じです。コンテンツSEOの場合は、検索結果からのサイト流入を増やす・コンバージョンを増やす等をゴールにした検索チャネルへのアプローチですが、コンテンツマーケティングはチャネルを特定する定義ではありません。
コンテンツマーケティングは、コンテンツSEOを内包する、より広い概念です。コンテンツSEOはコンテンツマーケティングの一部、1手法と捉えられます。並列の概念ではないので混同しないようにしましょう。

コンテンツの違い
コンテンツマーケティングのコンテンツとは何でしょうか?コンテンツSEOでは記事を指していると思いますが、コンテンツにはたとえば下記もあります。
【コンテンツ例】
- 動画
- 音声
- SNS投稿
- メール
- オンラインイベント(セミナーなど)
- ホワイトペーパー
- プレゼン資料
- インフォグラフィックス
ユーザーに関連性があるコンテンツで価値提供し、収益になる行動につなげる意味では、記事にかぎらず上記もすべてコンテンツとなります。
チャネルの違い
チャネルもコンテンツマーケティングはコンテンツSEOと異なることが上記コンテンツからわかるでしょう。コンテンツを配信する先のチャネルは、検索結果のほか、たとえば下記があります。
【チャネル例】
- Twitter/Instagram/facebook/TikTokなどのSNS
- Youtube
- Clubhouse/Voicyなどの音声メディア
- メールマガジン
- Webメディア
- プレスリリースサービス
- Slideshare
- アプリ
- Googleマイビジネス
チャネルによって、ユーザー層やユーザーの検討状況、顧客行動のモチベーションが異なります。ターゲットユーザーのカスタマージャーニーに沿って、だれに・いつ・どこで・何を伝えるかミックスすることで、態度変容を起こすことがコンテンツマーケティングでしょう。
ほかのサイトでは「コンテンツSEOが流入を増やすことが目的、コンテンツマーケティングが購入・予約などのコンバージョンを増やすことが目的」と説明していることがあります。コンテンツSEOとコンテンツマーケティングをそのように分けるのは、狭小的な捉え方で違うでしょう。
コンテンツSEOは効果があるの?
「ブログを頑張って更新しているのに、全然検索上位にあがらない」「オウンドメディアを運営しているけどサイト流入が増えない」と効果が出ない声もあると思います。
成果が出ないからコンテンツSEOには効果がないと結論づけるのは時期尚早。なんでも書けば、検索流入が増えるわけではありません。検索順位が上がっていない原因が何かしらあるでしょう。
クーシーのサイトは、コロナ前の時期から比べて2021年1月現在までにSEOによるオーガニック流入は3倍に増え、お問い合わせも3倍に増えています。コンテンツSEOにより、複数のターゲットキーワードの検索順位が上昇しまして、結果、検索流入とお問い合わせが増えました。
コンテンツSEOの成否が分かれるのは、やり方に違いがあるのです。いくつかの要点を押さえたコンテンツづくりが必要ですね。
コンテンツSEOの特徴
コンテンツSEOは強力な施策ですが、長所・短所があるのでその特徴を把握しておきましょう。
メリット
1.ターゲットユーザーにリーチできる
自社のビジネスに関連性の高いキーワードであれば、ターゲットユーザーにブランド認知や商品・サービスの検討をしてもらえる接点となります。
とくに非認知のターゲットユーザーに自社や商品を知っていただく新規顧客向けの入口にもなります。
2.安定的なユーザー訪問数
あるキーワードで検索上位にランク付けされ、検索順位の変動は日々あるものの、検索順位が安定すると、検索結果からユーザーが一定数訪問し続けます。
3.だれもが始めることができる
コンテンツをつくることは誰でも実行できることです。特別なスキルが必要なものではありません。もちろん、よりいい伝え方・表現の技術はありますが、ライターやマーケターでなくても、顧客が気にしているテーマや知りたい内容を自社スタッフが書くことはできますよね。
4.顧客の態度変容にコンテンツが活きる
認知のユーザーに対しても、別のキーワードで検索したときに再訪問してくれて、課題や疑問が解消される可能性があります。接触回数が増え、よりよい顧客体験を提供できることは、カスタマージャーニーのステージ進行や態度変容が起きることもあるでしょう。
注意点
魅力的な長所がある反面、コンテンツSEOは万能ではありません。下記の特徴を理解した上で取り組みましょう。
1.検索流入が増えるまで一定期間かかる
コンテンツをリリースしたら、すぐに検索順位が上位に上がるわけではありません。ターゲットとするキーワードの競合度が高い場合は、ライバルが多く検索上位に上げるレベルがあがります。
また、コンテンツが少ないうちは、検索流入の総量はさほど多くないでしょう。複数のテーマ・キーワードでコンテンツを配信していくことで、複数のターゲットキーワードから検索流入を得られるようになるのです。
そのため、コンテンツSEOを始めてすぐに効果はなく、ある程度の期間がかかります。即効性を求めるのは難しいので、すぐに流入を増やして売上を上げたいんだという方は、リスティング広告で検索流入を増やす方がいいでしょうね。
2.運用リソースが必要
記事を制作する、最適化するには、人員リソースが必要なため、人件費や外注費がかかります。検索上位に上げるためには、コンテンツの質も大事ですが、ライター外注費のコストを抑えようとする企業も多いです。業界によっては低コストライターでは、質を担保したコンテンツを作れないこともあるでしょう。
サイト資産をつくるための活動と捉え、一定のリソース投下をする意思決定が必要だと思います。
ユーザーの課題を解決するコンテンツをつくろう

検索上位に表示されるコンテンツというのはなんでしょうか?どうしてコンテンツの質が重要と言われるのでしょうか?Googleが何を考えているのか想像していきましょう。
Googleの使命とビジネス
Googleは検索エンジンサービスでユーザーに対して整理された情報を提供しています。Googleは「Googleの使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」と説明していることからもわかるでしょう。
Googleのビジネスはみなさんご存知の通り広告です。検索結果に表示される広告が収益の多くを占めます。Googleとしては、ユーザーにたくさん検索してもらうほうが利益でもあります。
ユーザーが検索体験に満足してもらうためにはコンテンツが大事
より多くのユーザーに何度も検索エンジンを利用してもらうためには、ユーザー体験がキーポイントのひとつ。検索したときに、自分が知りたい情報にアクセスできるといいですね。反面、知りたかった情報と違うズレた情報にアクセスすると「なんか違う」「解決しない」状態になり、ユーザー体験を損なうものです。
Googleは、ユーザーが検索する目的を解決するコンテンツを上位に表示します。ユーザーは検索するときに目的や課題を解決できそうなキーワードで検索します。検索の意図に沿った情報価値を得られれば、ユーザーは目的や課題を解決できるため、良いユーザー体験になりますね。
キーワードからどんなことをユーザーが調べたい・知りたいと思っているか推論するために、Googleは自然言語処理技術のBERTを2019年に導入しています。BERTにより人間の言語文脈をGoogleが理解できるようになりました。
このようにGoogleは、ユーザーが検索するときにキーワードに込められた多種多様な意図・目的を推論し、適した情報=コンテンツを上位に表示する精度を年々向上しています。
SEOに強いエバーグリーンコンテンツ
長い期間、Googleの検索結果に上位表示し続けられるコンテンツとして、エバーグリーンコンテンツが注目されています。時が経っても価値が変わりにくい課題解決やノウハウなどのテーマは、トレンドに左右されず、常に一定のユーザーが検索します。
このような長期間に渡って情報価値を提供し続けるコンテンツをエバーグリーンコンテンツといいます。
詳しくは以下の記事を御覧ください。
参考
検索上位に表示するためには検索意図に応えるコンテンツが必要
Googleは上記のようにアルゴリズムで適したコンテンツを上位に表示する仕組みになっています。そのため、どんなにいい文章を書いても、キーワードの検索意図に適していない内容であれば、検索結果の上位に表示されにくいのです。
では、どのようにコンテンツ制作を進めたらいいのでしょうか?Googleと検索ユーザーの両方を考えて、コンテンツ制作する方法を一例としてご紹介します。
参考
コンテンツSEOの基本フローと方法
コンテンツSEOのやり方はとってもシンプルです。記事ページを追加するのみ。とはいっても、やみくもに記事ページを増やしてもSEO観点では効果が低いのです。
ユーザーの目的や課題を解決する記事ページを作ることが、コンテンツSEOには必要です。そのためのコンテンツSEOは以下の手順で進めることで良質なページに仕上げられるでしょう。
- キーワードを設計する
- 記事テーマを決める
- 記事のアウトラインを作成する
- 記事原稿を執筆する
- 画像を準備する
上記の流れに沿ってコンテンツ制作を行うと、誰でもユーザー観点・SEO観点を満たす解決ページをつくることができるようになります。上記の各工程を解説します。
1.キーワードを設計する

自社商品・サービスのターゲットユーザーが検索するキーワードをリサーチするのがファーストステップです。1キーワードの検索だけでなく、複数回、多様なキーワードで検索して、はじめて購入を決めることも多いですよね。ターゲットユーザーがどのようなキーワードで検索するのか、幅広くキーワードリストを作成します。
Google Search Consoleで今、流入している検索キーワードを調べる
まずは現在、自社のWebサイトが上位に表示されている検索キーワードを把握しましょう。現状把握にはGoogle Search Consoleを利用します。
Google Search Consoleでは、Googleの検索結果で、どんなキーワードでどのくらい表示されているか(表示回数)、どのくらいクリックされているか(クリック数)、何位に表示されているか(平均検索順位)などのデータを確認できます。
どのような検索キーワードでユーザーが調べて訪問してきているか、その流入数や検索結果の表示回数を確認しましょう。想像していたキーワードもあれば、意外性のあるキーワードも出てくるかもしれません。
ユーザーがどんなことに興味を持って調べているか、疑問に思って調べているか検索ニーズを知るヒントになるでしょう。
再検索キーワードから関連トピックを調べる
ターゲットユーザーが検索するキーワードのあたりがついたら、実際にGoogleでそのキーワードで検索してみましょう。検索結果の最下部に「他のキーワード」という欄で関連した別の組み合わせキーワードが表示されています。
「他のキーワード」は再検索キーワードと呼ばれています。再検索キーワードは、ユーザーの検索キーワードと関連するトピックで、より詳しい検索ニーズを知ることができるのです。
検索回数は大きいキーワードに比べて少ないですが、より具体的な探し方のキーワードも多く、キーワードリストの候補となります。
キーワードプランナーで月間検索ボリュームを調べる
Google広告に出稿している企業であれば、キーワードプランナーを利用できるでしょう。キーワードプランナーでは各キーワードの月間平均検索ボリュームを知ることができます。
候補に挙げたキーワードの検索回数をキーワードプランナーで調べてリスト化しましょう。候補キーワードに関連するキーワードも同時にキーワードプランナーが提示するので、ターゲットユーザーに近いキーワードで検索ボリュームが一定数あるキーワードをリストに追加しましょう。
どの検索キーワードでSEOするか決める
多数ある検索キーワードから自社サイトで対策するキーワードを絞ります。検索回数が多ければよいというわけではありません。
1単語のキーワードは基本的にはそのカテゴリー内では検索ボリュームが多くなりやすい傾向です。検索ボリュームは多くても、単語の意味や定義を調べているユーザーや、まだ調べ始めのユーザーが多いなど、カスタマージャーニーの早いフェーズの可能性があります。検索ボリュームが多いため競合サイトが多いのも事実です。
1単語キーワードに対して、複数単語を組み合わせたキーワードは、検索回数は少なくなりがち。しかし、より詳細の内容を調べているユーザーであったり、ニーズが明確な場合もあったりします。
では、どうやって対象キーワードを選んだらいいか?
色々な考え方がありますが、1つの考え方として、「カテゴリーキング」になる方法があります。提供する商品・サービスが1つに対して、ユーザーが調べるカテゴリーは多数、そのようなケースは多いです。
ある1キーワードで勝つのではなく、ある1カテゴリーで勝つ作戦、カテゴリーの面を押さえる考え方ですね。
Googleは専門的なコンテンツを評価します。カテゴリーの多数のキーワードのページ・コンテンツを用意することで、自社のサイトがそのカテゴリーで専門的な内容を提供するポジショニングにできると、Googleの評価が向上、検索上位に表示できるのです。
1カテゴリーでSEOできれば、次は関連する別のカテゴリーでコンテンツを提供する集中と選択を繰り返す。そのように進められれば検索流入を積み上げで増やせますね。
参考
2.記事テーマを決める
対象キーワードが決まったら、次はキーワードを検索するユーザーが求めている情報がなにか、検索意図を調べるステップです。検索意図に沿って、どのような情報価値をユーザーに届けるか、ページのテーマを決めることがこのステップのゴールです。
検索意図を調べる

Googleは、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを上位表示しようとしています。そのアルゴリズムを活かして、実際にキーワードを検索して表示されているコンテンツを見てみましょう。
たとえば「ワンパン パスタ」で検索してみます。

上記が上位3件の検索結果です。各ページにアクセスして内容を読むとより明確になりますが、この画像からでもユーザーの意図に近いものが読み取れます。
下記のような単語がタイトルや概要文に含まれています。「ワンパン パスタ」で検索するユーザーの意図は「簡単に短い時間でつくれるレシピを探している」と、Googleが推論して検索上位にランク付けています。
- 時短
- 手軽
- 簡単
- らくちん
このように、現在、上位表示されているサイトをみると検索意図がなにか想像できますね。ユーザーの検索ニーズを知ることがSEOにおいてもとても重要です。逆に検索ニーズにこたえていないコンテンツは、どんなに文字量が多くても上位表示されにくいとも言えます。
4タイプの検索意図

Googleは、検索の目的には4つのタイプがあると説明しています。
Knowクエリ(知りたい)
Knowクエリは、知りたいテーマの情報を見つけることを目的とした検索キーワード。そのテーマやキーワードについて知りたい、疑問や悩みを解消するために情報を集めたい意図で検索するケースがKnowクエリです。
GoogleはさらにKnow Simpleクエリがあると説明しています。Know Simpleクエリは、スマートフォンの画面内に収まる程度の短いテキストで、明確な解答を求める検索キーワードを指しています。たとえば、「東京都 2021年 人口」のように疑問符は付いていませんが、情報を求める質問がKnow Simpleクエリですね。事実情報を収集するケースに当てはまりやすいでしょう。
Doクエリ(したい)
Doクエリは、その名の通り何かしらのアクションを目的としている検索キーワードで、目的達成や活動の検索意図をもちます。
たとえばアプリをダウンロードする、商品を購入する、お店を予約する、などアクションしたい意図がDoクエリでしょう。
Goクエリ(行きたい)
場所や位置情報などのローカルエリアの情報を探す検索キーワードが、Visit-in-personクエリです。たとえば「近くのカフェ」「恵比寿 ランチ」「新宿 ATM」など特定の場所に訪れる意図をもっています。
このような検索結果ではGoogleマップと候補の場所を上部に表示するケースが増えていますね。
Buyクエリ(買いたい)
ユーザーは目的や課題に応じて解決できる商品やサービスを購入します。解決してくれる商品やサービスを探すために検索する検索キーワードをBuyクエリといいます。
複数の意図をもつクエリ
4タイプのうち複数のタイプの意図をもつ検索キーワードもあります。たとえば「Mac」は、Macのスペックを知りたいKnowクエリもあれば、Macの購入を検討しているBuyクエリの可能性もあります。
このように1検索キーワードが複数の検索意図を持っているケースがあるのです。キーワードに込められた検索意図を仮説立てる方法がひとつ。もうひとつの方法は、実際の検索結果でどんなコンテンツが上位表示しているか、上位サイトの内容を調べることで把握できますね。
検索意図からコンテンツテーマを決める
検索意図のタイプがわかると、どんな性質のキーワードか見えてきますね。Doクエリ(取引タイプ)は、「Mac通販」「Mac購入」など購入などのアクションに近いため、コンバージョン率が高い傾向です。そのため、競合サイトもSEOを頑張っている定番キーワードの可能性が高いですね。
Knowクエリ(情報収集タイプ)は、「Mac」のような誰もが最初に検索するようなキーワードの場合、検索ボリュームが多く、情報を知りたい目的のためコンバージョンにはすぐには到達しにくい可能性があります。
情報収集タイプはユーザーが解決したい課題や悩みを解消するコンテンツをつくることで、ユーザーが次の検討ステップや次の検索に進めるでしょう。
タイプ別にどんなコンテンツをつくると、ユーザー課題や疑問が解消できるかテーマを考えましょう。競合サイトと同じ内容をそのままつくってもGoogleは評価しません。独自性や専門性のある内容を提示できるか一考してみてください。
コンテンツフォーマットを選ぶ
コンテンツテーマと合わせてコンテンツフォーマットを考えましょう。
実際の検索結果を調べるときに、どんなサイトが上位表示されているか確認します。たとえば、「ワンパン レシピ」で検索したときに、複数のレシピを一覧で紹介する「リスト型」や、1つのレシピを具体的に紹介する「ハウツー型」がでてきますね。他には「日経平均」で検索すると「ニュース型」のニュース記事が多く表示されます。
検索キーワードの検索意図によって、Googleはどのフォーマット(型)が適している情報か出し分けています。SEO対象キーワードを実際に検索してみて、上位のフォーマットが何を使われているか確認しましょう。検索意図に合うコンテンツテーマとコンテンツフォーマットを選び、最終的なコンテンツ案を決定しましょう。
3.記事のアウトラインを作成する
コンテンツ案が決まれば、いよいよ原稿を作成する段階。進め方は多種多様あるが、ここではフローの一例とポイントを共有します。
仮タイトルを決める

原稿執筆のファーストステップでオススメは、仮タイトルを決めることです。タイトルはこれから書こうとしているコンテンツを一文で端的に要約したものです。コンテンツで伝えたいポイントを凝縮したタイトルを考えましょう。
タイトルの文字数は、27文字~30文字以内に収めることがポイントです。Googleの検索結果をみてください。タイトルは長すぎると、検索結果で「…」と省略され、後半のタイトルはユーザーに読まれません。タイトルは、検索結果で表示される上記文字数の範囲内でつくると、ユーザーに余すことなく見せられるのでオススメです。
※Googleのアルゴリズムは日々アップデートしていたり、テストしていたりするため、タイトル文字数も日々変わっています。目安として参考にしましょう。
2つ目のポイントとして、対象の検索キーワードをできるだけタイトルの前半に持ってきましょう。ユーザーは検索キーワードを思い浮かべて検索します。タイトルに検索キーワードが入っていると目が止まり、知りたい情報があると想像します。結果として、クリック率が上がり、訪問数が増えやすいでしょう。
タイトルの反応率を上げる型は色々あります。キャッチコピーと同様、数字をつかったり、新規性を訴えたり、理由を含めたり。ぜひ工夫してみてください。
記事のアウトラインを決める

タイトルが決まったら、次は記事構成(アウトライン)を決めるステップです。
すぐに本文を書き始めても問題ありませんが、より効率的に執筆を進めるためには、事前に記事構成・骨子を固めたほうがいいですね。
本文を書く前に、見出しの箇条書きをオススメします。
見出しはタイトルの次に、コンテンツを端的に表す要約文。見出しを書き出すことでストーリー展開の要旨を整理できます。
ここでも重要なのは検索意図。キーワードの裏側にあるユーザーが考えている課題や疑問が、コンテンツを読んで解決できるか。そのために、ユーザーにどの順番で情報を伝えるといいか、ストーリー展開の順番を考え見出しを書き出します。
最初は起承転結の流れで展開させるほうが書きやすく、伝わりやすいでしょう。他には、PREP法(結論→理由→具体例→結論)で展開すると、冒頭から結論を伝えられるため、ユーザーが即座に解決できる可能性があります。
コンテンツテーマに合わせて適した展開方法にすることもポイントですね。検索結果の上位サイトを見比べて、どんなアウトラインか調べてみましょう。
4.記事原稿を執筆する
本文を書く
アウトラインができたら、いよいよ本文を書いていきましょう。文章を書くときに意識するポイントは下記です。

・1文は40文字以内にする
人は長い文を読むと、文章構造が理解しづらくなります。1文が長くなるときは、一度文章を終わらせて2文に分けてください。
できるだけわかりやすい単純な文章をめざしましょう。
・接続詞を使いすぎない
「しかし」「そのため」「そこで」「また」など接続詞は便利です。文と文の前後関係をわかりやすく論理的な文章にしやすくなります。便利なので接続詞を多用する人が多いです。
接続詞を多用しすぎると、読みづらい文章になります。
リズムが悪くなったり、まわりくどくなったり、文と文の関係性がわかりにくくなる場合もあります。
良い文章は、接続詞が少ないです。
一度書いた文章は読み直して、不要な接続詞はバッサリ削除しましょう。
・4行以上になる場合は、改行を入れて区切る
4行以上の文章になると、文章のブロックが大きく読みにくくなります。そんなときは改行を加えると、読みやすくなりますね。
空白行を使って改行をいれると、小さなブロックになるので、区切りがわかりやすく読みやすいです。
Googleの評価3要素E-A-Tを満たそう

Googleはページ内のコンテンツを評価するために、検索品質ガイドラインで下記3つを重要なファクターとして挙げています。
- 専門性(Expertise)
- 権威性(Authoritativeness)
- 信頼性(Trustworthiness)
※2022年12月15日に検索品質評価ガイドラインが更新され、「E-A-T」に「E(経験)」を加えた「E-E-A-T」が新しいウェブサイトの評価基準になりました。
権威性・信頼性というのはコンテンツの書き方としては難しいので、コンテンツテーマに関する専門的な内容を意識して書いてみましょう。
専門性の高いコンテンツの情報価値によって、ユーザー課題解決に結びつけるのです。でも、ユーザーにわかりやすい文章構造・表現を心がけないと伝わらない難しさもありますね。
評価軸の詳細は下記を参考にしてください。
参考
校閲・校正する
本文を書き終えたら、全体をセルフチェックします。あらためて自身で読むと、文章表現がおかしい箇所、長くなりすぎている文が見つかるものです。
ユーザーにとって、より理解しやすく読みやすい文章にブラッシュアップする気持ちで校閲・校正していきましょう。
校閲・校正では、下記をポイントに意識して読み直してみてください。
- 主語、述語が正しいか
- 文章の論理構成が矛盾していないか
- 誤字脱字がないか
- 事実関係が誤っていないか
- わかりにくい文・表現になっていないか
- 無駄な文がないか(とくに反復内容がないか)
その他、前述した文章を書くときのポイントを参考に読みなおすと意外と修正箇所が見つかりますね。
できれば第三者に校閲・校正してもらいましょう。自分では気付かない文章のわかりにくさを発見できたり、間違いを見つけたりできます。
タイトル・見出しを確定する
コンテンツ本文ができたら、タイトルと見出しをブラッシュアップします。下記のような観点で、より良い案を生み出しましょう。
- コンテンツ内容を端的に述べる的確なタイトル・見出しになっているか
- どんなコンテンツがあるか想像できるか
- 説得力がある内容か
- 興味を引くタイトルか
タイトルはとくに、検索結果に表示されるため、クリック率に影響します。タイトルは端的に表現して、有益な情報価値を提供するコンテンツとわかること、興味を引くこと、両方を満たせるようにブラッシュアップできるとベスト。
参考
description(概要文)を書く

タイトルとコンテンツが仕上がったら、descriptionタグに記載する概要文を作成します。
descriptionタグは、Googleの検索結果に表示される概要文です。ユーザーが検索したときに、検索意図と合致したコンテンツかどうか判別できるのが、タイトルとこのdescriptionです。
タイトルの次に検索結果でのクリック率に影響があります。サイト訪問数を増やすためには、魅力的な概要文で案内しなければなりません。
最低限、下記をポイントに作成しましょう。
- ユーザーの課題を解決するニーズに合致した内容がある
- 興味が湧く内容である
- コンテンツを端的に紹介している
Googleの検索結果では、概要文は120文字前後が表示されるため、120文字以内で表現するといいでしょう。
※Googleは表示する文字数をテストしているため、300文字になるときもあれば100文字になるときもたまにあります。
参考
5.画像を準備する
画像はユーザーが本文を読まなくてもイメージできる要素です。長い文章を読んで頭で理解するより、画像を目で見て一瞬で認識できる。写真やグラフィック、図解、グラフの特徴ですね。
下記のようなケースで画像を活用できますね。
- 単純化する
- 文字情報を補足する
- 長文をサマリ化する
- イメージを強調する
必ずしも画像は必須ではありませんが、ユーザーの理解を手助けする意味でも画像を用意できるといいですね。
複数ページでテーマを掘り下げるトピッククラスター
最新のコンテンツSEOでは、バラバラのキーワードで記事ページを制作するよりも、あるテーマに沿って複数の関連キーワードで記事ページを制作するトピッククラスターが主流になりつつあります。
トピッククラスターは、あるテーマに関連するサブトピックのページを複数設け、内部リンクでグルーピングする手法です。この手法は特定のテーマを複数ページのグループで情報提供できる構造となるため、特定のテーマにおけるドメイン評価を向上でき、SEO順位を群で上げられます。
トピッククラスターの詳細については以下の記事で解説します。
参考
リリース後のSEOデータ分析
記事を投稿リリースして一段落ですが終わりではありません。
いいコンテンツだと思っても、検索順位が希望通りになるとは限らないからですね。検索データを確認して、SEO状況を検証しましょう。
検索データを確認するためには、Google Search Consoleを使います。Google Search Consoleの検索パフォーマンスで、ページ別・キーワード別の結果を見てみましょう。
Google Search Consoleで見るデータ

ページ別のデータでは、投稿した記事ページの下記指標を確認します。キーワード別のデータでは、対象キーワードを中心に確認しましょう。
・表示回数
検索結果に表示された回数の合計です。サイト訪問者数を増やすためには、まず検索結果で表示される機会が増えなければなりません。クリック率にも左右されますが、基本的には表示回数を増やすことでサイト訪問者数を増やせます。
表示回数が増えているかどうかチェックしましょう。とくに時系列で検索順位が上昇している場合には、右肩上がりに増えていくのでトレンドを把握することをオススメします。
・クリック数
検索結果でクリックされた回数なので、クリック数が増えるとサイト訪問者数が増えていると捉えられます。表示回数が増えるか、クリック率が上がることでクリック数が増えます。
・掲載順位
検索キーワードが検索結果で何位に表示されているかの平均検索順位です。いろいろなキーワードで検索順位は異なるので、ページ別データでは特定ページの平均順位となります。
掲載順位が上がれば、表示回数が増える&クリック率が向上します。その結果、クリック数も増えますね。
・CTR
CTRとはクリック率のことで、検索結果の表示回数に対してどのくらいクリックされたかの割合です。検索結果の掲載順位やキーワードによってCTRは異なります。
とくに検索結果の1ページ目に表示される10位以内は、掲載順位によって大きくCTRが変動するでしょう。1位のサイトと10位のサイトではまったくCTRが違うので、表示回数は変わらずともクリック数で差がつきます。
また、タイトルやdescriptionタグでの伝え方によっても検索順位が同じでもCTRは変わります。
検索データでページの点検をする
コンテンツSEOでサイト訪問数を拡大するために、検索データでは下記を確認しましょう。順調にサイト訪問数が増えている場合は、検索順位が上がり、表示回数が増え、クリック数も伸びています。
- 月次推移で表示回数が増えるトレンドか
- SEO対象キーワードの検索順位が上がっているか
- 検索順位に対してCTRは低くないか
いずれかで課題がある場合は、ページを改善する必要があります。
検索順位が上がっていない場合は、下記の可能性を疑ってみてください。
- 検索意図に応えうる情報価値が不足している
- 競合サイトのほうがより優れた情報価値を届けている
※ドメイン全体の順位影響要因はここでは含んでおりません。
過去コンテンツを再編集する

検索データ検証により課題を発見したページは、より良いコンテンツに再編集しましょう。良いファクトも悪いファクトも甘んじ受け入れる姿勢が大事。データドリブンはリリース後こそ活かす時。
再編集チェックリスト
下記をチェックしてメンテナンス方針を考えましょう。
- ユーザーが検索する目的や課題は仮説と合っているか?
- そのページを読んでユーザーは課題を解決できるか?
- 検索上位サイトと比較して、検索意図に沿ったコンテンツ提供が充実しているか?
- 専門性が高いコンテンツか?
- 検索意図に合うコンテンツフォーマットか?
- タイトルはユーザーがクリックしたくなるコピーになっているか?
- 論理構造や展開がきれいな文章か?
検索上位サイトと比べてみて、ユーザーにとっての情報価値が十分か、どこに差があるか思考を巡らせ、ユーザー体験を最適化することがコンテンツSEOにおいても重要なのです。
更新後は掲載順位のトレンドをモニタリング
コンテンツを再編集したあとは、SEO対象キーワードの掲載順位の変動をモニタリングしましょう。再編集がどのくらい評価に影響したか掲載順位の変動幅で把握できるとともに、影響度合いの肌感を得ることが大事です。
順位変動が芳しくないときや表示回数が増加していないときには、繰り返し見直しアップデートしていきましょう。
参考
コンテンツSEOは途中で折れずに継続できるかが分かれ目
コンテンツSEOを始めて間もない時期は、思ったように検索順位が上がらない、サイト訪問数が増えないケースもあるでしょう。また、サイト訪問数の成長が止まり、数ヶ月に渡って停滞する時期が来ることもあります。
そのような低成長時期にすぐに効果がない、失敗だったと判断するのは時期尚早。うまくいかない要因のひとつに、「待てないで諦めるタイプ」が多い。コンテンツSEOで成功しているWebサイトは、成果が上がるまでやりきっています。
継続意思の強さが分岐点のひとつ。
やると決めたら徹底的に推進する。
肝に銘じてやりきりましょう。
社内に編集部をつくろう
コンテンツSEOをはじめるときに、ぶつかる壁が体制づくり。
いざ始めると決定しても、ライティングしたことがない、Webの知識がない、SEOがわからない、など1担当者が二の足を踏んでしまうことも多々。最初はスモールスタートでもいいので、ミニマムな編集チームを組んでみましょう。
ライティング、Webリリースの担当者でチームつくれば自社内でもスタートできます。画像制作するデザイン担当がいるとなお良いですね。社内で不足する役割は、Web制作会社やSEO会社に依頼する選択肢もあります。
検索流入が成長してきたら、編集チームを大きくしてドライブをかけていきましょう。スタート時点ではどうしても優先度を上げにくい会社はあると思いますが、徐々に優先度を上げ編集部の回転率を上げる・スピードアップしていくと、サイト成長も軌道にのっていきます。
ユーザーとのコミュニケーションをあきらめず、粘り強くコンテンツ発信していきましょう。
参考
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